旅レポ
成田からスプリング・ジャパンに乗って広島へ! 往復7800円のお手頃フライトで、サクッと日帰り観光を楽しんできた
2022年9月15日 06:00
スプリング・ジャパンは、成田を拠点として2014年8月に就航したLCC。2021年にはJALが出資比率を上げて連結子会社化し、商号も11月1日付で「春秋航空日本株式会社」から「スプリング・ジャパン株式会社」へ変更。2022年8月には就航8周年を迎えた。
現在、国内線は3路線(新千歳/広島/佐賀)、国際線は一部運休しているものの中国への7路線(ハルビン/寧波/上海/南京/重慶/武漢/天津)を運航している。セール期間中ということもあるが、成田~新千歳の片道が3760円~、成田~広島の片道が3980円~と、値上げ値上げのインフレの世の中にあってもビックリするようなお手頃価格で利用できる。
9月末までは「とりあえず スプリング・ジャパンで お試しとして広島と北海道に日帰りでどうですか?」キャンペーンを行なっており、成田~広島は往復7800円。そこで今回、LCCで就航しているのはスプリング・ジャパンのみという広島に行ってみた。
成田空港の第3ターミナルから出発
成田空港でLCC各社が乗り入れているのは第3ターミナル。本誌でもたびたび紹介しているが、大規模な改装工事によって年間取扱能力は1500万人、面積は約11万m2に拡張され、キレイで広くなったのが特徴。第2ターミナルから第3ターミナルへの新アクセス通路も屋根付きで直線的になり、スーツケースを引いていても非常に快適に歩けるようになっている。スプリング・ジャパンもその第3ターミナルで乗り降りする。
チェックインは基本的にカウンター前に並んでいる自動チェックイン機で行なうようになっており、予約の際に発行されたQRコードか予約番号を入力する。表示された情報を確認すると搭乗券が印刷されるので、それを受け取る仕組みだ。
同時に近くにいるスタッフが機内に持ち込む荷物の大きさや重さ(7kgまで)をチェックするので、超過料金が発生しないようにここは前もって確認しておきたい。とはいえ、ノートPCやタブレットなどは機内持ち込み手荷物の許容量には含まれないので(数量は決められている)、そうそうオーバーすることはないだろう。
晴れていれば富士山や琵琶湖の景色も楽しめる本州横断ルート
今回搭乗した広島行きの始発であるIJ621便は、9時25分発、11時10分着予定のスケジュール。スプリング・ジャパンでは、ボーイング 737-800型機を使用しており、席数は189席が用意されている。9月初旬ということもあり、利用者は大学生らしき若い人が多く乗っていた印象だ。それ以外にも女性3人グループや小さなお子さんを連れた夫婦なども搭乗していた。
LCCなので機内の飲食サービスは有料となるが、メニューはいろいろ揃っている。そのなかで今回は、銚子電鉄とコラボした「まずい棒」と佐賀県の名産品である「うれしの茶(嬉野茶)」をオーダーした。セットだと2つ合わせて180円とかなりリーズナブル。“まずい”のかと覚悟していたまずい棒はコーンポタージュ味で逆に美味。うれしの茶は香り高く、お茶らしい旨味が渋くもなく口に広がるのでこちらもよかった。
本州を横断する飛行ルートは本来であれば富士山や琵琶湖が見えるはずだが、この日は雲が多い天候で残念ながら空から眺めることはできなかった。そうこうしているうちに、目的地の広島空港に到着。あっという間の空旅だった。
機内でとてもフレンドリーに接してくれた客室乗務員。話を聞いたところ「会社の全員が名前と顔が分かるアットホームな雰囲気なので、接客にもそれが現われているのだと思います」と答えが返ってきた。JALグループとしての交流もあるそうなので、今後もますます同社の進化に期待が持てそうだ。
高速バスで広島市内に移動。平和のありがたさに感謝する
手軽に広島観光ができるということで、スプリング・ジャパンのWebサイトでは広島市と尾道市、2パターンのモデルコースが紹介されていた。どちらにするか悩んだが、尾道駅までの直通バスが運休していることもあり、広島市方面に足を向けることに。広島にはこれまでも何回か来ているが、実は原爆ドームは間近で見たことがないというのも選んだ理由の1つ。広島空港から広島バスセンター行きの高速バスに乗り込んだ。
広島バスセンターから5分ほど歩くと、歴史を今に伝える目的地に到着。整備された公園にたたずむ原爆ドームの姿を見ると、改めて平和の意味を考えさせられる。祖母は光を山越しに見たそうで、祖父は江田島沖で奮闘した戦艦に搭乗していた、そんな語り継がれた記憶も呼び覚まされ、黙とうを捧げた。
観光船で川下りをしながら宮島に向かう
次なる目的地は「日本三景」として大人気の宮島。ご存知のとおり、世界文化遺産に登録されている厳島神社は外国人もよく訪れる観光地で、コロナ前は多くの人で賑わっていた。
筆者が最後に訪れたのは2019年夏だから3年ほど前だ。前回は広島港から高速船で渡ったが、今回は元安川から川下りしながら宮島に向かう世界遺産航路の船に乗ってみた。元安川から本川(旧太田川)に入り、特徴的な多くの橋や河口付近にある牡蠣の加工場エリア、沖合の牡蠣養殖筏などを見ながら、短い船旅を楽しめる。
行くたびに発見のある宮島は何回来ても面白い
宮島への訪問は3回目となるが、厳島神社に近づくにつれ何か違和感を感じる。そう、海上に浮かぶ大鳥居が工事中で、遠くからも分かる朱色が目に飛び込んでこないのだ。しかも、筆者が訪れた時間はちょうど干潮の時間帯で、さらに違う景色が広がっていた。
宮島観光協会のWebサイトによるとこの日は中潮で、干潮の時間帯は潮位が1m以下なので大鳥居まで歩いて行けた。実際に潮が引いた状態の社殿を見るのは初めてだったので、厳島神社のもう1つの顔が見れたようで新鮮に感じられた。ちなみに潮位が2.5m以上だと社殿が海に浮かんで見える状態になるそうだ。
参拝を終え、帰りの船に乗る前にどこかのカフェか自販機で飲み物でも買おうかと歩いていると、醸造タンクを備えた建物が見えたので入ってみた。なかにある「MIYAJIMA BREWERY」では、こちらで製造したクラフトビールが飲めるということで早速注文してみることに。夏らしい限定品も並ぶなか、筆者が選んだのは南国的な色と香りの「Red Hop Festival 2022」。フルーティで複雑な味わいがその名のとおりにぎやかで、夏の終わりの“暑い”を“楽しい”に変換してくれるようなビールだった。
広島駅でB級グルメを堪能して帰路に就く
帰りは広島空港行きのバスにすぐに乗ることができ、駅ビル内の店舗も充実している広島駅に向かうことにした。市内の胡町周辺も魅力的なのだが、帰れなくなる恐れがあるので今回はパス。また次回ということに。
早めの夕食として選んだのは、汁なし担担麺の2つの有名店がコラボした「くにまつ+武蔵坊」。両方が味わえるということで、ハーフ&ハーフセットを注文した。どちらも香辛料が効いてパンチがあるが、味の系統が異なるのが面白い。付属する温玉とライスも残り汁に混ぜて、しっかり堪能させてもらった。
ほかにも気軽に立ち寄れそうなビールスタンドにも興味を引かれたが、潔くバスに乗車。スプリング・ジャパンの飛行機に乗って手軽に来れるというのが分かったので、これまた次の楽しみにとっておこう。
今回利用した、成田~広島の日帰り航空券が7800円になるキャンペーンは9月20日まで(搭乗期間は9月29日までの火・水・木曜)だが、10月搭乗分のキャンペーンセールは9月30日まで。興味を引かれた方は、ぜひ同社のWebサイトをチェックしていただきたい。