旅レポ

観光列車で岡山&四国を旅しよう! 国産デニムファクトリーでジーンズ作り。香川のウユニ塩湖・父母ヶ浜へ

児島駅から「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」に乗車。大迫力の瀬戸内横断を体験!
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV

 観光列車で岡山&四国を巡る旅。今回はキッズやファミリーに人気の観光列車「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」に乗って岡山から四国・香川へと向かうことに。

 乗車する駅はジーンズの街として話題の倉敷市「児島駅」から。発車時刻まで時間があるので、国内産ジーンズ発祥の地を散策することにした。

繊維のまち、児島で国産ジーンズ工場見学&その歴史を学びつつ、小物作りにトライ

 児島市は1965年に国産ジーンズが誕生したことから「国産ジーンズ発祥の地」と呼ばれており、ジーンズ好きの聖地。オーダーメイドジーンズなどが制作でき、自分だけの1本を求めに多くのファンが訪れる。

児島駅のエントランスにはジーンズがたなびいていた
駅構内にもビッグサイズのジーンズデコレーションなどが施されている

 もともとは綿栽培が盛んで足袋や制服などを制作、中古ジーンズを輸入していたが、繊維産業での縫製ノウハウがあったことから日本人向けの履きやすいジーンズの生産を開始。1960年から70年ごろに一大ブームとなり、現在も世界から注目される繊維&ジーンズのまちとして多くの人訪れる。移動には児島駅から出発する「児島ジーンズバス」(1日乗車券:大人620円/子供310円)の利用が便利だ。

 訪れたのは1962年に創業の「Betty Smith」。初の女性向けのジーンズを手がけ、日本最古のジーンズ工場で現在もオーダーメイドジーンズなどを生産。敷地内の「ジーンズミュージアム&ヴィレッジ」は一般開放され、歴史を学んだり工場見学ができたりと、ジーンズ好きにはたまらない空間。

日本一古い現役のジーンズ工場を所有する「Betty Smith」へやって来た
オーダーメイドのジーンズなどを制作中の縫製工場内。1962年から稼働中
ジーンズミュージアムは2棟あり、1号館は歴史を学ぶことができる
国内初のジーンズの仕様書なども紹介されていた
2号館は加工工場をリノベーション。児島のジーンズの歴史展示に加工体験できる
児島で誕生した加工技術ストーンウォッシュを解説。軽石を使い色を落としていく

 また、約1時間で完成する「ジーンズ作り体験」(ジーンズ+材料費込み:7700円~)をはじめバッグやポーチが手軽に制作できるアクティビティも充実。約5分でできあがる「デニムペンケースカスタム体験」(1100円)に挑戦したが、想像以上にリベット付けが力のいる作業でびっくり。スタッフがしっかりレクチャーしてくれるので安心して作業ができた。

「ジーンズ作り体験」などができる工房も併設。デニム暖簾が粋
工房内の様子。テーブルには材料がずらりと並んでいる
今回はリベット1つだが、ジーンズの場合はボタン1つ、リベット6つに革ラベルが選べる
「デニムペンケースカスタム体験」にトライ
無事に付けることができ、ペンケースが完成!

 なお、「Betty Smith」では、生産する際に出るハギレやB反を活用した小物&雑貨ブランド「Eco Betty」も展開。ハギレだからこその1点ものから、お土産にぴったりのエコバッグにポーチをはじめ、価格もリーズナブルでちょっとしたプレゼントにもぴったり。敷地内のショップにはたくさんのアイテムが並び、時間を忘れてショッピングが楽しめる。

「Eco Betty」のアイテムを販売中。1点ものも多く宝探しのよう
MADE IN JAPANの「カップフォルダー」(1200円)
マスコットでトレードマークのBettyちゃんも愛らしい

親子3世代で楽しめる! 「アンパンマントロッコ」で瀬戸大橋を渡る

 国産ジーンズ発祥の地で歴史と買い物を満喫し、12時10分児島駅発の琴平行き観光列車「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」に乗車。いよいよ岡山から四国・うどん県香川へと向かうことに。1編成で客室チケットを購入すればトロッコ側の座席も確保されるので、車内を好きなタイミングで行ったり来たりできるなど、ファミリーにはうれしいシステムとなっている。そのため祖父母は室内でゆったり、子供と親はトロッコと行き来して過ごしたりと親子3世代での利用が多いそう。

「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」。一緒に撮るのも楽しい
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
ドキンちゃんとコキンちゃん
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
トロッコエリアは開放感抜群
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
室内エリア。広い窓は外の景色が見やすく、机も低めでキッズも使いやすい
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
トロッコエリア。上部の吹き抜けと足元の窓で、目線の低い子供もしっかり楽しめる
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
瀬戸大橋を渡りながら床の窓から水面も観察できる
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV

 車内にはおむつ交換などでも使える多目的ルームやお弁当やグッズが購入できる売店、ベビーカー置き場も広くとても使いやすいデザイン。子供の目線に木製のおもちゃがあったり、撮影スポット、記念乗車証の配布と乗車中も景色だけでなくいろいろと遊べる仕様だ。もちろん瀬戸内海を渡るタイミングではほぼ全員がトロッコエリアに向かい大盛り上がり。記念撮影を楽しむファミリーであふれ思い出深いひとときを過ごしていた。

多目的ルームを完備。おむつ交換などで重宝する
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
ベビーカー置き場もスペースが広め
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
日付入りの撮影スポットも用意
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
瀬戸内海を横断中の車内からの景色

セルフうどんを初体験。天空の鳥居に父母ヶ浜でフォトジェニックな1枚を手に入れる!

「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」で、そのまま目的地の「琴平駅」まで行けるが、今回は途中下車して、香川話題の観光スポットを巡ってみることに。まずは腹ごしらえということで、香川といえばな“セルフうどん”を体験。訪れたのは善通寺エリアの「宮川製麺所」。香川ならではのいりこだしに、コシの強いうどんが特徴だ。「冷たいうどんもおいしいよ! 試してみて!」とお勧めされた「ぶっかけうどん小(一玉入り)」(190円)をオーダー。うどんにつゆとあげたま、ネギを絡めて味わうとまろやかで、やみつきになる魅力が1杯のなかに! 通い詰めたくなるうどん店に初めて出会ったと感じた。

善通寺エリアの人気店「宮川製麺所」で昼うどん
「ぶっかけうどん小(一玉入り)」、あげたまやネギ、生姜をトッピング

 続いては4月1日から始まった四国アフターデスティネーションキャンペーンでもお勧めされている「香川絶景巡りの旅」で訪れる天空の鳥居が話題の「高屋神社」「父母ヶ浜」へ。バス乗車までに時間があるため乗り場からすぐ近くの「銭形展望台」から「銭形砂絵“寛永通宝”」を眺めることに。なお山頂(標高65m)までは450mの傾斜のキツい階段をひたすら登るため気合が必要。ただ、こちらを見ておくと天空の鳥居に着いたときに位置関係が分かりおもしろさも倍増するので、登っておきたいところ。

「銭形展望台」登口から往復30分で登り切った
展望台から眺めた「銭形砂絵“寛永通宝”」

「銭形展望台」から戻り、そのまま「有明グラウンド前駐車場 シャトルバス乗り場」から「高屋神社行きシャトルバス」(往復大人1000円/子供500円)を利用し約30分かけて標高404mの稲積山の山頂へ。細い1本道を進み、曲がりくねりすぐ横は崖という状況なので、自家用車ではなくバスを使うのがベスト。徒歩の場合は下宮から本宮まで山道を約50分登り続けるため、山装備が必須だ。

土日祝に運行する「高屋神社行きシャトルバス」
観音寺市を一望できる天空の鳥居は四国八十八景にも選出されるほどの絶景が自慢
下宮へ徒歩へ戻る場合は山頂から約50分。ちなみに先ほどの砂絵もここから小さく見える
御朱印や釜上げうどんなどが購入できる天空の自販機もお勧め
「讃岐釜上げうどん 1人前 御朱印付き」(550円)などが購入できる

 夕暮れが迫ってきたのでそのまま三豊市・瀬戸内の天空の鏡「父母ヶ浜」へ出発。香川のウユニ塩湖と呼ばれカップルからファミリーまで人気の観光地だ。鏡に映ったような絶景写真が撮れるポイントとしてSNSで話題に。訪れた日は大潮の引き潮で遠くまで浜辺が広がり、多くの人で賑わっていた。

 約1kmのロングビーチとして地元民に愛されてきた「父母ヶ浜」だが、一時は流れ着くゴミや埋め立て事業案によりその美しさが損なわれる危機に直面。ボランティア「ちちぶの会」が「日本一美しい砂浜」を目指し海岸清掃などを続け現在の姿になったという。

「ちちぶの会」の皆さん。毎月第一日曜日に清掃活動を行なっている
海岸沿いには新たにカフェやショップなどがオープンし、賑わっている
伝統工芸品からうどんまで幅広く店内では販売中

 日没前にはシルエットと水面を使ったアートな1枚を撮ってひとしきり盛り上がれるうえ、海岸沿いに立ち並ぶカフェやお土産屋でショッピングやブレイクも。青空からサンセットまでいろいろな写真が撮れるので1日かけて遊ぶのもよい。

大潮の引き潮で、浜辺が奥まで続き、観光客が多く訪れていた
波打つ砂浜も美しい
昼間はもちろん、サンセットにはシルエットを使った撮影が楽しめる

「父母ヶ浜」をあとにし、本日の最終目的地「琴平駅」へ。琴平町は、こんぴらさんこと「金刀比羅宮」の参拝のため訪れる人が絶えない香川の有名観光エリアの1つだ。と同時にふもとには温泉が湧き、滞在にぴったり。特に琴平町でも露天風呂からの眺めが最高と評判の「琴参閣」は、こんぴらさん表参道まで約5分と立地も抜群。さらに「うどん県PR団」として活躍中のヤドンをフィーチャーした「ヤドンのお宿」があるなど、ヤドンを愛するファンにはたまらない旅館となっている。

 滞在したのは「洋室ツインルーム」。短期滞在に使いやすい広さ(約16m 2 ~)。すぐにお湯屋へと向かえるように浴衣と羽織が用意され、まさに温泉宿という佇まい。お茶請けのオリジナルの銘菓「琴参」や「ぴりり椎茸」でほっと一息。温泉を堪能し、翌日のために、早々に就寝。なお宿泊者向けに表参道を登るときに重宝する杖も貸し出してくれるので、ぜひ忘れずに持っていこう。

こんぴらさん表参道まで約5分の温泉宿「琴参閣」
短期滞在やビジネスユースで使いやすい「洋室ツインルーム」
こんぴらさん参拝には欠かせない杖も宿泊者に貸し出してくれる

 次回は、「金刀比羅宮」参拝にうどん教室、さらに観光列車「四国まんなか千年ものがたり」乗車のために、2022年大注目アウトドアスポット大歩危へ。名物巨大油揚げに、途中駅ではたぬきに遭遇。運行開始5周年を迎えた「四国まんなか千年ものがたり」での旅を中心にお届けする。

相川真由美

フリーライター/鉄鋼業やIT系やエンタメ関連の雑誌やWeb媒体の編集者を経て、フリーの記者として活動中。海外は一人旅がほとんど。趣味は世界のディズニーのパーク&リゾート巡り。最近は年間パスポート片手に日々舞浜通い。うなぎとチョコレートが好物で、旅の基本は“出されたものは全部食べる”。激辛とうがらしから謎の木の実まで挑戦するのがモットー。