旅レポ
星のや沖縄に泊まってみた。琉球の伝統と最新の快適が共存するラグジュアリーホテル
2022年1月2日 08:00
2020年7月1日に星野リゾートが沖縄県読谷村でオープンした「星のや沖縄」。現在、冬の沖縄旅を楽しめるプログラムを展開中で、隣接する海カフェ「バンタカフェ」では、夜の海をイルミネーションで彩る「イルミーバンタ」も始まっている。
このたび、星のや沖縄の宿泊とイルミーバンタを体験してきた。
コンセプトは「グスクの居館」
星のや沖縄のコンセプトは「グスクの居館」。グスクとは一言でいうと城のこと。沖縄には数百年前のグスク跡が多く残っており、世界遺産にも登録されている。グスクウォールは、そのグスクからインスピレーションを得て作られている。正方形・長方形の穴があいているが、これらは×○△を象っており、ここ読谷の伝統工芸である織物「花織」の模様を表わしている。
レセプションを抜けるとたくさんの木々や花と畑が広がり、海岸に沿うように客室棟が連なる。棟は2階建てに統一されており圧迫感なく開放感ある造りだ。
客室は4タイプあり、今回は「フゥシ(星)」という定員4名の部屋に宿泊した。フゥシのほかに、「ティーダ(太陽)」「ハル(畑)」「ティン(天)」があり、ティーダは4部屋のみの特別室(定員4名)、ハルはテラスリビングのある4名部屋、ティンは2名部屋となっている。
フロントデスクはレセプションから離れた「集いの館」内にある。沖縄独特の赤瓦屋根の建物で、休憩所として利用したりお土産を選んだりできる。この集いの館の前がプール。足がつかる程度の浅さから奥に行くにしがたい深くなっていく。一番奥はインフィニティプール。
このプールでは、2021年12月1日に「星空ホットプール」をオープン。冬でも快適に入ることができる温水プールで、24時間利用可能だ(日没後は中学生以上のみ利用可)。寒い日には湯気が立ち、温泉に浸かっているような気分になれるとのこと。集いの館でタオルなどの貸し出しをしており、自分の部屋から水着のままプールまで来ることができる(移動時には上着をはおることになっている)。
ホットドリンクを提供する「ぬくさんスポット」も設置され、フルーツやスパイスを使った温かい飲み物が体を芯から温めてくれる。なお、星空ホットプールの開催は2022年2月28日までとなっている。
夕食は施設内ダイニングでの食事のほか、客室でいただくことができる「ギャザリングサービス」がある。
普通のルームサービスと違い、シェフが下ごしらえした料理を部屋で自分で仕上げて出来立てを味わえるのが特徴。メニューも、そのまま食べられるものも含めおよそ30品が揃い、数日滞在しても食べきれないほど。今回注文したのは、「3種の貝の泡盛蒸し」「3種の天心せいろ蒸し」「冷製モズクそば」「グルクンの南蛮漬け・シークヮーサー風味」の4品。
料理はそれぞれ重箱に入れられ、外出中に部屋の冷蔵庫に届いていた。冷蔵庫が大きいことに驚いていたが、なるほどこういう使い方のためかと納得。このうち貝の泡盛蒸しと天心せいろ蒸しが自分で仕上げる料理だ。料理方法の説明書も用意されていた。
ちなみに冷蔵庫内に用意されているミニバーは、利用した分を備え付けの伝票に書き込み、チェックアウト時に精算する。
また、夜のお楽しみとして隣接するカフェ「バンタカフェ」では、12月1日から「イルミーバンタ 海辺の夜あかり」というイベントを開催している。夜の海岸をライトアップし、打ち寄せる波にライトを当てて光のショーと音楽を楽しめるプログラムだ。
バンタカフェは海を見渡す崖に立地し、大屋根デッキ、海辺のテラス、岩場のテラス、ごろごろラウンジの4エリアから成る。大屋根は波の音を反響するように設計されており、波音のサラウンドが体感できる。
海辺のテラスは東屋風のテラス席で、畳敷でくつろげるのが特徴。岩場のテラスは隠れ家的な席で、自生する植物をそのまま利用してウッドデッキやロッキングチェアを配置。
ごろごろラウンジは屋内席で、寝転べるほど大きなソファが海に向かって配されており、テーブル下に電源コンセントとUSBポートが設けられているのでPC作業なども可能。
通常は日没後1時間で閉店するが、イルミーバンタは日没からライトアップをスタート。18時30分、20時、21時に光のショータイムを行なう。音楽に合わせて色を変える光のショーはとても幻想的。白波が立つと一層光が映える。
プログラムに合わせたフードメニューとして「お散歩スープセット」が用意されている。4種類のなかから2種類が選べるスープとバケット2人分、それにランタンとバスケットの貸し出しが含まれて2600円(2名分)だ。
ランタンはLEDなので安全。光量も十分。スープで体を温めながら、夜風に吹かれて光のショーを楽しめる。イルミーバンタの開催は1月31日まで。開催時間は18時~20時30分ラストオーダーとなっている。
また、バンタカフェの隣には薪焼きステーキを味わえるレストラン「星野リゾート オールーグリル」がある。
朝食とアクティビティを楽しむ2日目
2日目。森の上に朝焼けが広がる。
朝食は「ダイニング」でいただく。琉球朝食とシチリア朝食から選ぶことができ、筆者はシチリア朝食を選択。野菜とフルーツがたっぷりで、目覚めドリンクやデザートのヨーグルトなどで胃腸も快調。
また、星のや沖縄の特徴的な施設として道場がある。ここでは琉球空手の体験や、朝の鍛錬深呼吸、夜の調律深呼吸などのアクティビティが行なえる。
沖縄ならではの飲み物「ぶくぶく茶」も味わえる。硬水でしか泡立たないという不思議な泡を、さんぴん茶に乗せていただく。ほっと一息つけるひとときが味わえる。
アクティビティはほかに、歌三線や琉球舞踊の手習い、スパ、海辺を馬に乗って散歩する「朝凪よんなー乗馬」などがある。
夏だけでない、冬だからこそ味わえる魅力にも出会える「冬の沖縄旅」。海と緑に囲まれて、時間を忘れてゆっくり過ごすのもたまにはよいものだ。
星のや沖縄
所在地: 沖縄県中頭郡読谷村字儀間474
TEL: 0570-073-066(星のや総合予約)
客室数: 100室
チェックイン/アウト: 15時/12時
バンタカフェ
所在地: 沖縄県中頭郡読谷村字儀間560
TEL: 098-921-6810
営業時間: 10時~日の入り後1時間(日の入りでラストオーダー)、土日祝のみ8時~