旅レポ
夏休みのお得な旅行。2019年夏の「青春18きっぷ」を使って、尾道からうどん県に行ってみた
夏の利用期間は7月20日~9月10日
2019年7月30日 00:27
- 夏販売期間:2019年7月1日~8月31日
- 夏利用期間:2019年7月20日~9月10日
7月27日、広島県尾道市で「尾道港開港850年記念」を記念したブルーインパルスの展示飛行が午前中に実施された。このブルーインパルスの展示飛行のために尾道を訪れたのだが、展示飛行が終わり仕事を終えてしまうと、その後は特に予定もない自分に気がついた。
もちろん、あとは東京に帰るだけなのだが、せっかく尾道まで来て何もせずに帰るのはもったいない。折しも関東地方には台風予報が出ており、無理して帰っても台風に巻き込まれるだけとなるため、1日延泊してみることにした。
しかしながら、尾道近辺の宿は27日夜に「おのみち住吉花火まつり」が開催されるため軒並み満室。「花火を見て福山方面に移動するのもありかな~」と思いつつ、花火の開始時刻(19時30分)まで激熱な尾道にいてもつらいので、うどん県の中心地である高松に冷やしうどんを食べに行くことを思いついた。
早速「Yahoo!乗換案内」アプリでざっと調べてみると、尾道~普通電車~福山~新幹線~岡山~快速マリンライナー~高松が2時間9分で片道4510円、新幹線を使わず普通電車の場合は2時間37分で2780円。コストパフォーマンスを考えても、「普通電車一択だろ」ということで普通電車で行くことに。そしてどうせ普通電車と快速電車で行くなら、夏休み期間中ということで夏の「青春18きっぷ」が使えることに気がついた。
夏の青春18きっぷの販売期間は2019年7月1日~8月31日、そして利用期間は7月20日~9月10日。販売駅を調べると「全国のJRの主な駅」などとなっている。尾道駅は当然主要な駅でしょと思い尾道駅の「みどりの窓口」で聞いてみると「売っています」とのこと。ひさびさに「青春18きっぷ」を買って尾道駅から高松駅に行ってみることにした。
思い立ったら「青春18きっぷ」
この青春18きっぷだが、まだ学生だった最初の発売年からそれなりに愛用している。当時はLCC(格安航空会社)や格安航空券などはなく、どこかに安く旅をしようとするなら、青春18きっぷが真っ先に挙げられる選択肢だった。いろいろ利用ルールに変化はあるが、2019年版の基本ルールは新幹線、特急、急行などには基本的に乗れず、普通電車や快速のみ乗り放題(別途、青春18きっぷ北海道新幹線オプション券も発売されている)。1人で5日使えるほか、グループで使うことも可能と柔軟性も高い。細かく挙げればいろいろな使い方ができるのだが、価格は1万1850円なので、1日あたりの切符代が2370円を超えればお得になると思えば簡単だ。片道1200円程度の電車賃になるのなら、青春18きっぷの購入が視野に入ってくる。
また、乗り放題切符のよさは、価格にもあるが思いついたら旅の予定をすぐに変えられること。気楽に移動できるので、旅の気分的な負荷を下げてくれるのがうれしい部分だ。
早速青春18きっぷを購入し、移動開始。青春18きっぷは自動改札機で使えないため、駅員さんに見せる必要がある。使用日の最初に日付入りのハンコを押してくれるため、これでその日(都市圏などでは0時を超えて終電まで)は乗り放題となる。
尾道からは山陽本線で東へと向かう。この山陽本線では、かつて首都圏で使っていた115系電車も走っている。カラーリングはかつてと違い単色だが、内装もリニューアルされているので、長距離でも意外と疲れが少ない。
尾道から岡山へと向かう沿線は季節がら緑の水田が多く、この地区の山陽本線らしい風景。広島育ちの東京移住組なので、かつては田舎に帰るため山陽本線&青春18きっぷをよく利用していた。懐かしさも感じつつ岡山駅に到着した。
時速約78営業キロの快速マリンライナーで高松へ
岡山駅からは瀬戸大橋線で高松駅へ。時刻表を見ると特急もあるようだが、特急は青春18きっぷが使えず、別途特急料金&乗車券が必要になるので、青春18きっぷが使える快速マリンライナーを選択。この快速マリンライナーは快速の名に恥じず、特急と変わらない速度で(ときには特急より速く)岡山~高松間の71.8営業キロを走破する。71.8営業キロを55分で走るとして、時速約78営業キロという優秀さだ。
快速マリンライナーで瀬戸大橋を越え、うどん県と呼ばれる四国の香川県へ。途中、うどん県出身の友人に連絡して「うまいうどん屋教えて」と連絡したら、「宇多津駅近くのおか泉が美味しいから、おか泉へ行け」というクエストが。とはいえ、快速マリンライナーを途中で下りるのは面倒なので、そのまま高松へと到着した。
高松で食べたのは、高松駅の中からも外からもアクセスできる讃岐うどん店「連絡線うどん」において。高松駅の頭端式ホームのところになるので、高松駅に行ったことのある人ならば、見た覚えのある人も多いだろう。そこで期間限定の冷やしうどん「徳島産すだちぶっかけ」があったので、さくっと注文し、さくっと食べた。
そして次は宇多津駅のおか泉へ。ざっと乗換案内アプリをチェックすると高松駅から宇多津駅へは予讃線で行けるのだが、特急の本数が多く普通電車の本数が少ない。17時24分発の琴平行に乗って宇多津駅へ。およそ30分ほどで宇多津駅へ着いた。
おか泉についてはまったく調べておらず、また土地勘もゼロのためGoogleマップでお店を確認。すると徒歩で11分ほどと出たので歩いて行くことにした。普段何気なく行なっていることだが、スマートフォンによって旅のスタイルは劇的に変わったと思う。きちんと調べて旅に行く必要はなくなったし、思いつきで調べても問題なくたどり着くことがほとんど。思いつきで動けるので青春18きっぷのような乗り放題チケットとの相性もよい。
そんなことを改めて考えていると15分くらいでおか泉に到着。荷物があったのでGoogleマップより遅めの到着だった。おか泉で注文したのは自慢の一品と書かれていた「ひや天おろし(冷)」。うどん県出身の友人のクエストもこのひや天おろしを食すことだった。
このひや天おろしは絶品で、2本はいったパリパリ衣のエビ天と、コシのあるうどん、そして辛すぎないおろしにやや甘めのツユが組み合わさっている。レモンも付いているので、爽やかさはレモン汁で調整すればよいだろう。うどん県のうどんというと、格安セルフ激うまうどんが思い浮かぶが、格安セルフは平日の午前中までの営業も多く、土曜日、そして18時過ぎといったなかでの正解を選んだと友人は言う。美味しいうどんを楽しめたので、満足して本州へ帰ることにした。
最短時間で岡山方面に帰るには宇多津駅から特急に乗るのがよいのだが、青春18きっぷは特急には対応していないため普通電車で一度坂出駅まで行ってから快速マリンライナーへ乗り換える。瀬戸大橋の夕日を眺めつつ岡山に戻ったらすっかり夜だった。
結局この日に乗った普通電車は、尾道~岡山~高松 2780円、高松~宇多津 550円、宇多津~岡山 980円と、青春18きっぷ1日(人)あたりの切符代2370円以上のものとなった。もちろんあと4日(人)使わないと完全にお得になったと言えないが、9月10日まで利用できるのでなんとかなるだろうと思っている。
青春18きっぷというと首都圏に住んでいる場合、最初は「ムーンライトながら」に乗ってとなりがちだが、飛行機で新千歳空港に行き小樽に寿司でも食べに行くのであれば、新千歳空港~小樽が1780円なので日帰り往復であれば1日(人)分の元は取れることになる。東京~熱海は1940円なので、家族で温泉日帰りというのにも使いやすい。青春18きっぷを使って、ミニ旅行を楽しんでいただきたい。
青春18きっぷ 夏期
販売期間: 2019年7月1日~8月31日
利用期間: 2019年7月20日~9月10日
青春18きっぷ 冬期
販売期間: 2019年12月1日~12月31日
利用期間: 2019年12月10日~2020年1月10日
青春18きっぷ北海道新幹線オプション券 夏期
販売期間: 2019年7月1日~9月10日
利用期間: 2019年7月20日~9月10日
青春18きっぷ北海道新幹線オプション券 冬期
販売期間: 2019年12月1日~2020年1月10日
利用期間: 2019年12月10日~2020年1月10日