旅レポ

上質な船旅が楽しめるドリームクルーズに新しく加わった「エクスプローラー ドリーム」に乗船してみた(後編)

エクスプローラー ドリームの船首にある絶景ラウンジ「パームコート」。海の広さに心を打たれながら優雅なソファーでお酒も飲めるという、これぞ豪華客船というロケーション

 ゲンティンクルーズラインが持つ3つのブランドのうちの1つである「ドリームクルーズ」に新たな船「エクスプローラー ドリーム(Explorer Dream)」が4月に加わった。上海で行なわれた就航式と命名式を、船内の様子と合わせて前編と後編でお届けしている。前編(「上質な船旅が楽しめるドリームクルーズに新しく加わった『エクスプローラー ドリーム』に乗船してみた(前編)」)に続き、後編は船旅のメインである客室とレストラン、そのほかの施設などを紹介する。

 船旅においてはホテル同様に客室プランを吟味するのはとても重要だ。ドリームクルーズにおいても1泊あたりの金額はかなり異なる。例えば、2019年10月27日から予定されている7泊8日のオーストラリアクルーズでは、もっともリーズナブルな「インテリア ステートルーム」は8万9700円から、特等客室である「パレス スイート」は32万1000円からとなっている(2名で1室利用時の1名あたりの料金)。

 ホテルと同じく、部屋の広さとインテリア、眺めで価格は異なり、船首と船尾はスペースがとりやすく眺望がよいので、グレードの高い部屋が配置されているケースが多い。

 ドリームクルーズにおいて最上級のサービスを受けられるパレスは、専用のレストランやプール、カジノやラウンジがあり、24時間対応のバトラーサービスも付帯するので価格に相応しいプランと言える。バトラーは利用客1人につき1人が対応するようスタンバイしているので、リクエストに対して迅速に応えてくれるのも頼もしい限りだ。では、実際の客室を紹介しよう。

10階の船尾にあるパレス専用のプールエリア。屋根付きのカバナも備えたラグジュアリーな場所だ
プールの脇にはパレス専用のレストランとバーカウンターが用意されている。また、専用のカジノもある

パレス ヴィラ

 船に2部屋しかない特別な空間が「パレス ヴィラ」だ。11階最後尾の左右に位置し、85m 2 の広さがある。キングサイズのベッドにダブルのソファーベッド、ほか豪華な調度品に囲まれ、極めつけは広いバルコニーと露天ジャグジーを備えている。

パレス ヴィラ
広さと豪華さに加え、露天ジャグジーが自慢のパレス ヴィラ

パレス ペントハウス

 10階の船首と9階の船尾の一部にあるのが「パレス ペントハウス」。広さは50~60m 2 あり、ヴィラの次に大きな部屋だ。見学した前方左角に位置する10502号室は船の横側にあるバルコニーに加え、船首側にもバルコニーがある特別仕様になっている。

パレス ペントハウス
進行方向の景色を独り占めできるパレス ペントハウス。ただし、強風などの理由から船首部分に出られるのは停泊しているときだけに限られる

パレス デラックス スイート

 11階と10階の後方左右にあるのが「パレス デラックス スイート」で、パレスのなかではもっとも多い22部屋が用意されている。広さは37~44m 2 で、シャワーに加え、ゆったりとつかれる大きめのバスタブも備えている。

パレス デラックス スイート
パレスの標準的な仕様であるパレス デラックス スイート

パレス スイート

 10階の前方左右と9階の最後尾に用意されているのが「パレス スイート」で、広さは22~43m 2 。見学した最後尾にある9710号室は「タヒチ スイート」の名称が付けられており、インテリアはタヒチをイメージしたものになっている。景色を見ながら入れるバスタブを備えている。

パレス スイート
見学した部屋は南国情緒あふれる内装が印象的。最後尾から見えるダイナミックな景色を堪能できる

バルコニー ステートルーム

 用意されている客室のなかでもっとも多いのがこちらの「バルコニー ステートルーム」。その名のとおりプライベートバルコニーを備えており、海風にあたりながら船旅を満喫できる仕様だ。広さは18~20m 2 で、一流ホテルのシングル並みとなっており狭くは感じない。

 筆者も宿泊させてもらったが、落ち着くインテリアに寝心地のよいクイーンサイズのベッドはとにかく快適。コンセントも多めで便利だが、惜しむべきところはWi-Fiが別料金になっていることだ(パレスは含まれる)。しかし、Wi-Fiもパッケージに含めることを検討しているそうで、これが実現されれば利用客にとってはうれしい限りだ。

バルコニー ステートルーム
バスタブこそないが、シャワーやトイレは完備されており、デスクやサイドテーブルも備えている。そしてなにより、プライベートバルコニーがあるのが最大のポイント

オーシャンビュー ステートルーム

 デッキではなく、窓枠を備えた部屋が「オーシャンビュー ステートルーム」。広さは13~20m 2 で、見学した部屋はクイーンサイズベッドを備えていたが、ほかに、シングルベッド2台、もしくはシングルベッド2台にプルマンベッド(壁に収納できるベッド)を備えた部屋もある。窓枠が大きいので閉塞感はまったくなく、景色を眺めるならこれでも十分だ。

オーシャンビュー ステートルーム

インテリア ステートルーム

 船の内側に位置する窓のない部屋がこちらの「インテリア ステートルーム」だ。そのぶんリーズナブルな料金になっており、部屋は寝るだけと割り切って船の施設を堪能するならこちらがオススメ。シングルベッド2台にプルマンベッド、もしくはシングルベッド2台にプルマンベッドとシングルソファーベッドを備えた部屋があるが、クイーンサイズのベッドが用意された広めの部屋もある。

インテリア ステートルーム

美味しい食事に美味しいお酒があれば旅は最高のものになる

 クルーズ船といえば、美味しい食事。エクスプローラー ドリームにはプラン料金に含まれるレストランが3か所あり、こちらで1日の食事を楽しめる。また、別料金になるが本格的なレストランやバー、アイスクリームショップなどが14か所用意されている。2日間では全部を見てまわれないほどの数であり、ここでは見学や実際に食事をした場所を紹介しよう。

 まずはプランに飲食料金が含まれている「リド」と「パビリオン」だ。リドは多国籍料理のビュッフェ形式になっており、カウンターには色とりどりの料理がズラリと並ぶ。利用したのは朝食だが、上海焼きそばや饅頭など中華系らしいメニューが並んでおり、とくにオススメなのは4種類ほど用意されているおかゆだ。しかも、毎日ラインアナップが入れ替わるので、毎日食べても飽きないところが素晴らしい。ほか、ベジタリアンメニューとして野菜をふんだんに使ったカレーなどもスパイシーで非常に美味しかった。

ビュッフェ形式でいろいろな料理がお腹いっぱい食べられるリド
朝食は4種類あるおかゆを全部試すのもいいし、朝からスパイシーなカレーを食べるのもオツだ

 中華レストランのパビリオンはランチでの利用となったが、こちらはコースメニューとして出される料理が決まっている。つまり、受付をして座るだけで前菜からメイン、デザートまで自動的にテーブルに運ばれてくるわけだ。メニューは決まっているが料理のおかわりは自由なので、好きなものを追加注文することも可能だ。

コースメニューで料理が提供されるパビリオン
お酒は別料金だが、あとは食べ放題。次から次へとコースメニューが出される

 有料のスペシャリティーレストランは「ウミウマ」と「ブルーラグーン」を紹介しよう。ウミウマは日本食と鉄板焼きのレストランで、テーブル席のほか、寿司カウンターや鉄板焼きのブース、畳の座敷も用意されている。和食中心のラインアップなので日本人の口に合うことは間違いなしなうえ、石垣牛を使った料理など、日本から素材を取り寄せているものもある。変わったものとしては、ドラゴンの姿に似せた「ドラゴンロール」といったメニューもある。

 ブルーラグーンは東南アジアの屋台料理を提供するカジュアルなレストランで値段もお手頃。ゲンティンクルーズラインのソウルが感じられるイチオシの場所だ。どれもが非常に満足できる味だが、とくにオススメなのは人気のチキンライス。プリプリの皮付き鶏肉と3種類のタレでご飯が進むこと間違いなしだ。ちなみに船内の決済通貨は香港ドルだが、もちろんクレジットカードも使える。

寿司カウンターも備えたウミウマ
ドラゴンロールは78香港ドルなので、1香港ドルを14円で計算すると1092円
石垣牛を使った和牛ステーキ定食は188香港ドル(2632円)
目の前で焼き上げてくれる鉄板焼きのブース
7階にあるブルーラグーンはふらっと立ち寄れる雰囲気とお手頃価格が魅力
テーブルにあるタブレットで料理を注文する
オススメはチキンライスだが、ほかのメニューも美味しいのですべてにチャレンジしたくなる

レクリエーション施設もとにかく豊富

 洋上ではのんびりと過ごすのもよいが、レクリエーション施設も各種取りそろえてあるので飽きることもない。12階の中心には誰もが利用できる「パルテノンプール」があり、ウォータースライダーも備えているので大人も子供も大喜びだ。

 13階の屋上デッキにはバスケットボールのコートや空中ブランコが楽しめるエリアも用意されている。屋内で体を動かしたい人向けに最新のルームランナーやトレーニングマシンを備えたジムもある。

 ゲーム好きはVRゲーム機やピンポン、エアホッケー、PlayStation 4などが置かれた「エクスペリエンスラボ」でとことん楽しみたい。もちろん、前編で紹介した「ゾディアックシアター」で繰り広げられるさまざまなショーを満喫するのもオススメだ。ほか、カジノエリアも用意されているので、熱い勝負で自分の運と実力を試すのもよい。

本格的なウォータースライダーを備えたパルテノンプール。洋上では最高のアトラクションになりそうだ
バスケットボールコート
空中ブランコ
トレーニングジム
大型筐体のゲーム機やPlayStation 4が楽しめるゲームコーナー

ワイドビューを楽しみながらくつろげる場所

 オススメの場所として「パームコート」も紹介しておこう。12階の船首に設けられたこちらのエリアは、ガラス張りの開放的なラウンジ。夜はバンド演奏も行なわれるので、ビールやウイスキーを片手にリラックスした時間を楽しめる。

 昼間は夜とは違って自然光が降り注ぐ明るい雰囲気のなか、広がる景色を存分に楽しめるのがポイントだ。また、ブリッジを見学できる小部屋に通じる螺旋階段が設けてあるので、乗船した際はチェックしておきたい。

 さらに、もう一つの隠れたビューポイントも紹介しよう。寄港中だけであるが、7階のデッキから船首部分に行って船の最先端に立つこともできる。とある映画のワンシーンを演じるのもアリだ(笑)。

船首にあるパームコートは極上のラウンジ
ソファーはブルーを基調とした落ち着きのあるデザインが好印象
中央のステージではバンド演奏なども行なわれる
ブリッジを見学できる小部屋に通じる階段。残念ながらこの時は開放されていなかった
停泊中なら船の最先端に行くことができる。港ごとにこの場所で記念撮影するのもよい思い出になりそうだ

 とにかく2日間ではまわりきれないほどの充実した施設を持つエクスプローラー ドリーム。改装されたパレスはもちろんのこと、ほかの客室も大いに満足できる作りであり、快適な時間が過ごせるのは間違いない。また、フレンドリーで親切なスタッフがサービスを提供しているのも魅力の一つだ。

 船旅は一度体験するとリピーターになると言われているのも、今回乗船してみて理解できた。天気のよい大海原をぜひともこの船でクルージングしてみたいものだ。

 ちなみに、2019年の夏季は7月10日から天津(中国)を発着地とし、福岡、鹿児島、長崎、下関、別府を寄港地とした4泊5日の船旅と、同じく天津を発着地とし、鹿児島、長崎、福岡、別府、下関を寄港地とする5泊6日の船旅が用意されている。

 そして2019年の秋季は場所をオセアニアに移し、10月27日からシドニーを発着地としてニューカッスルやブリスベン、メルボルンを寄港地とする7泊8日のクルーズ、冬季の12月15日からはオークランドを発着地とし、ウエリントンやダニーデン、ミルフォードサウンドを寄港地とする7泊8日のクルーズが予定されている。興味がある方はドリームクルーズのWebサイトをチェックしよう。

夜のパルテノンプールはライトアップされて幻想的な雰囲気に様変わり

野村シンヤ

IT系出版社で雑誌や書籍編集に携わった後、現在はフリーのライター・エディターとして活動中。PCやスマートフォン、デジタルカメラを中心に雑誌やWeb媒体での執筆や編集を行なっている。気ままにバイク旅をしたいなと思う今日この頃。