旅レポ
ドイツ&フランスでワイン産地を巡る旅(フランス編)
2018年1月25日 12:00
前回の「ドイツ&フランスでワイン産地を巡る旅(ドイツ編)」より、クルマで国境を越えます。
フランスには夕方ごろに到着。空がワイン色に染まり、アルザス地方が歓迎してくれたように感じました。
チェックインを済ませ、楽しみにしていたホテルのレストランへ。
アルザスはドイツとの国境にありますが、さすがフランス。食のテイストがガラッと変わりました! 素材を活かし、丁寧に作り込む一品一品には、シェフの意気込みが伝わってきます。
お食事と合わせるワインは、ソムリエさんお勧めのブルゴーニュ地方ジュヴレ・シャンベルタン村のものをチョイス。
ピノ・ノワールというブドウのみから作られた赤ワインで、熟したイチゴに少しスパイスがきいたような香ばしさがありました。わりとしっかりした味わいのなかにも、バランスよく酸味が混じり合い、濃密だけどエレガントな感じです。
ワインとお食事のマリアージュも素晴らしく、旅の疲れも吹き飛びました。
宿泊したのは、コルマールの近く、ロウファッハという小さな町にある古城ホテル「シャトー ディザンブール(Château d'Isenbourg)」です。
中世の街を見下ろす小高い丘にあり、朝には教会の鐘の音が鳴り響き、柔らかな日光と爽やかな風が窓から入るお部屋。
まるで時が止まったかのよう。お姫様気分を味わえました。
アルザスでは、リクヴィールという、小さな町を散策しました。
ここの名物であるチーズピザをランチで頼みました。パリパリのクリスピーな生地に、濃厚なチーズがたっぷりで1人でも軽く1枚は食べられる美味しさです。
この街は、あちらこちらにワイナリーが点在しています。フラッと入った、小さなワイナリーの倉庫では、その一家の手作りのワインが並べられています。
そこの娘さんが出て来られ、アルザスワインの試飲をしましたが、ドイツのリースリングとはまた違った柔らかな味わい。ここでも1本購入です!
ネットやガイドブックで調べるのもよいけど、フラッと入ったお店での出来事はなぜか記憶に残ります。
さて、アルザスからは、さらに南下して、フランスワインの聖地、ブルゴーニュへと向かいます。
ブルゴーニュでは、ピュリニーモンラッシェ村にあるオリヴィエ・ルフレーヴ(Olivier Leflaive)さんのオーベルジュに宿泊。
ルフレーヴさんは、白ワイン最高の作り手の一人で、ドメーヌ・ルフレーヴから独立され、畑と技術を継承されたとても有名な作り手の方です。
ディナーは、オリヴィエ・ルフレーヴのラインアップ9種類のテイスティングとのセットメニューを注文しました。
そしてここでサプライズが! 食事中、オリヴィエさん本人が挨拶しに来てくださいました。とっても気さくな方でワインに対する思いを聞くことができました。
こんなにグラスがあるし、せっかくなので白ワインのブラインドテイスティングに挑戦しました。やっぱり、なかなか難しかったな~。
何度も飲みなおして、なんとなく分かる程度でしたが、よいと言われる畑になればなるほど、コクと複雑味が増してきて、一つのグラスのなかでさまざまな味わいを楽しめる気がしました。
次の日は、念願のブルゴーニュの赤ワインのワイナリー巡りです。こちらからは、日本人でブルゴーニュ在住の裕子CHOQUETさんに案内していただきました。
まずはロマネ・コンティ、リシュブール、ラ・ターシュ、エシェゾーといった有名な畑巡りです。田舎道を進むと何百年前からそびえ立つ十字架があり、そこが特別な畑であることが分かります。
収穫が終わっていましたが、枝には少しブドウが残っていました。
ヴォーヌ・ロマネ村、シャンボール・ミュジニー村、ジュヴレ・シャンベルタン村をまわり、ドメーヌ3つをまわりました。
ブルゴーニュ地方は、大昔は海であったそうで、そのときの地層が何十にも重なり合い、その違いがそれぞれの畑で異なる複雑味とミネラル感を出しているそうです。
私はまだワインを勉強し始めたばかりなのですが、いつかブルゴーニュの畑ごとの特徴を楽しめるようになれたらどんなに楽しいだろうと思いました。
3泊4日でドイツからフランスのワイン産地を巡るという強行日程でしたが、それぞれの土地で何百年もの愛情と献身を積み重ね、その土地のワインを守ってきていること、情熱をかけて素晴らしいワインを作っていることに感動しました。
これからは、1杯のグラスを飲むときに、作ってきた人たちに思いをはせながら大切に味わいたいと思います。