旅レポ
日本海きらきら羽越観光圏で地元食材を使った料理や人気観光地を巡ってきた(その3)
クルマで巡るなら外せないお勧め観光地が目白押し
2017年10月26日 00:00
新潟県、山形県、秋田県の3県10市町村にまたがる観光エリア、日本海きらきら羽越観光圏は、魅力的な食だけでなく、観光地も非常に充実している。ただ、この地域は公共交通機関があまり充実していないため、クルマでの観光がお勧めだ。そこで今回は、クルマで日本海きらきら羽越観光圏を旅するなら外せない観光地や食事処を紹介していく。
新潟北部の景勝地で手作りの塩とソフトクリームを堪能
今回のツアーは、新潟駅からきらきらうえつ号に乗車し桑川駅で下車、そこからクルマで北上しながら山形県を中心とした日本海きらきら羽越観光圏を巡ったが、最初に訪れたのが、新潟県北部の村上市にある「笹川流れ塩工房」だ。
村上市の日本海側沿いの地域では、塩づくりが盛んで、日本海に沿って走る国道345号沿いには、多くの塩工房がある。そのなかの一つが笹川流れ塩工房で、村上市の景勝地「笹川流れ」の近くにある。目の前の笹川流れの海水を汲み上げ、薪を使って15時間以上煮詰めながら塩を作っているという。海水から薪の火で煮詰めながら手作業で作ることで、角の少ない優しい味わいの塩ができるそうだ。
また、同じく笹川流れ付近で採れる海藻「ホンダワラ」を使った藻塩も作られている。海水を煮詰める過程でホンダワラを加えて煮詰めることで、ホンダワラのうま味やミネラル分が溶け込み凝縮され、まろやかでうま味の強い塩ができあがる。褐色の色合いも特徴だが、なんといってもそのまろやかな味わいは絶品だった。
そして、笹川流れ塩工房で忘れずに味わいたいのが、塩ソフトクリームだ。濃厚な味わいのソフトクリームに、こちらで作られた藻塩をかけていただくのだが、ほんのりとした塩味によって甘みがより強く感じられて、なんともいえない美味しさとなる。テラスからは笹川流れの海岸が一望できるので、景色を楽しみながらの塩ソフトクリームもお勧めだ。
笹川流れ塩工房では、作られた塩が購入できるだけでなく、塩工房の見学も可能。昔ながらの手作業での塩づくりを目の当たりにできるので、親子連れに特にお勧めしたい。
ところで、今回は時間の都合で訪れられなかったが、笹川流れも景勝地として見逃せないスポットだ。荒々しい日本海の波によって浸食されたさまざまな形の奇岩と、透き通った青い海のコントラストが非常に美しいとのこと。残念ながら国道はトンネルが多く、クルマから笹川流れの海岸を堪能するのは難しく、遊覧船「笹川流れ観光汽船」での観光がお勧め。笹川流れ観光汽船は、笹川流れ塩工房の近くにある桑川漁港から出発している。
あっさりしょうゆ味の”酒田のラーメン”に舌鼓
山形県にはさまざまな名物料理があるが、そのなかの一つがラーメンだ。山形でラーメンといわれても、なかなかピンと来ない人もいるかもしれないが、実は山形県はラーメン消費量が日本一、また人口あたりのラーメン店数も日本一という、ラーメン大国なのだ。山形県には、山形市、米沢市など、各地にご当地ラーメンがあるが、その一つが酒田市の「酒田のラーメン」だ。スープや麺など、店それぞれにこだわりがあり、個性が強いそうで、ジャンルを固定したくないとの思いから、「酒田ラーメン」ではなく、「酒田のラーメン」と”の”を付けて呼んでいるそうだ。
酒田のラーメンは、煮干しや昆布などを使った魚介系のだしを中心とした、比較的あっさりとしたしょう油ベースのスープが基本。自家製麺にこだわっている点も特徴の一つで、酒田市内のラーメン店では実に8割以上が自家製麺を使っているという。それも、酒田市のラーメン店が加盟する組合では、定期的に麺打ちの勉強会を開くなどして、日々改良も行なっているという。また、最近では自家製の薄い皮を使ったワンタンを入れるのも主流になっているそうで、特に県外のイベントに出るときなどは、ワンタン麺を推しているとのこと。
今回は、酒田市内にある「麺工房さらしな」でラーメンをいただいた。訪れたのは土曜日ということもあって、到着した昼12時には既に外に行列ができていた。待つこと約30分、ようやく店内に入れたが、店内はもちろんラーメンを食べる人でいっぱい。厨房からは、スープとしょう油のいい香りが漂ってきて、いやがおうでも期待感が高まってしまう。注文したのは、お店イチオシのメニュー「いいとこ取りラーメン」。自家製ワンタンの入ったワンタン麺をベースに、2種類の部位を使ったチャーシューと半熟煮卵の入った、豪華なラーメンだ。
スープは、透き通った琥珀色で、これぞしょう油ラーメンといった雰囲気。一口スープをすすってみると、見た目どおりあっさりとしている。確かに豚骨のようなガツンとしたインパクトはないが、あっさりのなかに魚介の深いコクがあるためパンチ力は十分で、満足感はかなり高い。
続いて麺。自家製にこだわった麺は、手もみで仕上げたちぢれ麺風で、スープによく絡む。また、もちもちとして腰のある食感からも、こだわりがよく伝わってくる。麺はほどよい太さで、あっさりとしたスープとの相性も抜群と感じた。
チャーシューは、地元庄内豚のバラ肉とウデ肉の2種類をトッピング。バラ肉は口の中で溶けるような柔らかさ、またウデ肉は比較的しっかりとした食感が残っていて、食感の対比が非常に楽しい。たれの風味もしっかりとしみ込んでいて、抜群の旨さだ。
そして、酒田のラーメンの特徴の一つとなっているワンタン。非常に薄い皮を使っているのが特徴だが、ツルッとした口当たりと、麺にも負けないシコシコ食感が、また食欲をそそる。中の具は少なめだが、ワンタンの皮自体も十分な旨さ。麺だけでなくワンタンの皮も自家製にこだわっているそうだが、こちらも納得の美味しさだった。
筆者は、どちらかというとこってり系のラーメンが好みだが、あっさりとはいえコク深く、十分に満足できる美味しさで、スープも残さず平らげてしまった。昼に行列ができるほど人気なのも納得だった。
今回は1店舗のみの訪問だったが、この美味しさなら、一度じっくりラーメン巡りをしてみたいと思ったほどだ。酒田方面でランチに迷ったら、ぜひラーメンを選んでみてほしい。
ちなみに、酒田のラーメン店は、昼のみの営業となっている店が多いそうだ。それは、スープや自家製麺などの仕込みに時間がかかるため、長時間の営業ができないからとのこと。そのため、酒田のラーメンを味わうなら、昼の時間帯を狙って行くのがベストだ。今回訪れた麺工房さらしなには駐車場もあるので、クルマでも問題なくアクセス可能だ。
2体の即身仏が祭られているお寺と、風光明媚な日和山公園
自ら土の中に入り、飢餓や疫病から人々を救うために仏になる。自らの意志で自らの命を絶つという、究極とも呼べる修行を全うした高僧の姿、それが即身仏だ。出羽三山奥の院、湯殿山では、江戸時代に多くの即身仏になる僧侶が現われたそうだが、その影響もあって、国内に十数体現存するといわれている即身仏のうち6体が、庄内地方のお寺に祭られている。そして、酒田市内の日和山にある海向寺には、2体の即身仏が祭られている。1つのお寺に2体の即身仏が祭られているのは、海向寺が全国唯一だ。
海向寺は、約1200年前に弘法大師が開いたといわれている。そして、江戸時代には湯殿山の信仰拠点として栄えたそうだ。そして、本堂の横にある建物が即仏堂で、そちらに2体の即身仏が祭られている。
即仏堂は、外見は現代風のコンクリート造りの建物だが、これは即身仏をしっかりと守るためのもの。内部は霊験あらたかな雰囲気に満ちあふれている。祭られている即身仏は、忠海上人と円明海上人の2体で、いずれも江戸時代に海向寺の住職だった僧侶だ。なぜ彼らが即身仏になったのか。また僧侶が即身仏になるまでに、どれだけの苦行が伴うのか。即仏堂内で、海向寺の案内員が詳しく、また丁寧に解説してくれる。その軽妙な語り口と、非常に深い内容に、時も忘れて引きこまれてしまう。即身仏と聞くと、どうしてもおどろおどろしい雰囲気を感じるが、案内員の話を聞いた後に即身仏を拝むと、不思議とありがたさを感じてしまう。
さすがに、小さな子供にはかなり刺激が強いかもしれない。しかし、即身仏についての話は聞いておく価値は非常に高いと感じた。そして、その話を聞くと、即身仏に対する印象が大きく変わると思う。酒田に行ったら、怖がることなく足を運んでみてほしい。
ところで、海向寺のそばには、もう一つ足を運んでおきたい観光地がある。それが日和山公園だ。
日和山公園は、日本の歴史公園100選にも選ばれている、酒田市民に親しまれている公園だ。小高い丘の頂上に位置しているため、展望台からは酒田市内や酒田港、出羽三山を一望できる。出羽三山から眺める庄内地方の雄大な景色もよいが、日和山公園からの眺めもなかなかのもので、足を運ぶ価値は十分にあると感じた。
今回は昼に訪れたが、この展望台からの酒田港に落ちる夕日は非常に美しいそうだ。日和山公園からの夕日の眺めは、日本の夕日百選にも選ばれているそうなので、一見の価値があるだろう。また、展望台からは六角形のレトロな白い灯台が見えるが、これは日本最古級の木造灯台で、1895年(明治28年)に作られたものだという。1958年(昭和33年)に近代灯台ができて以降、この場所に保存されたそうだが、酒田港と、その先に沈む夕日と白い灯台とのコントラストは、かなり見応えがありそうだ。
日和山公園は桜の名所としても有名とのことで、春の桜の季節には「酒田日和山桜まつり」を開催し、ライトアップも実現されるなどして市民に親しまれている。このほかにも、松尾芭蕉の作品を文学碑にした“文学の散歩道”も整備されていて、散策にも最適だ。観光の合間にゆっくり景色を楽しんだり、周囲を散策するなど、有意義に過ごせそうだ。
「おしん」の舞台にもなった、酒田のシンボル的存在「山居倉庫」
酒田は、港町として栄えた街だが、その貿易の中心となったのが米だ。米どころ庄内からの米の搬出港として栄えたわけだが、その歴史を今に伝える施設が酒田市中心部に存在している。それが「山居倉庫」だ。
山居倉庫は、1893年(明治26年)に建造された米倉庫で、酒田市内を流れる新井田川に沿って建てられている。全部で12棟が連なる巨大な倉庫は、土蔵造りとなっており、湿気防止のために全棟が二重屋根になるなど、米を保存する倉庫としてさまざまな工夫が凝らされた建物となっている。現在では、12棟のうち1棟が「庄内米歴史資料館」、2棟が酒田市観光物産館「酒田夢の倶楽」として利用されているが、残りの9棟は現在でも米倉庫として利用されている。
この山居倉庫の見所は、その雄大な建物だけではない。倉庫の裏には欅(けやき)並木があるが、その欅並木こそ大勢の観光客が目当てとするスポットとなっている。この欅並木は、元々は冬の季節風から建物を守るために用意されたものだが、テレビドラマや映画のロケ地としても広く利用されている。特に有名なのが、NHKの連続テレビ小説「おしん」で、ロケ地巡りの観光客が多数訪れているという。今回は、夏の時期に訪れたが、おしんの雰囲気を楽しみたいなら、やはり雪の降り積もる冬の時期がいいだろう。とはいえ、欅並木のこぼれ日と黒光りする山居倉庫の建物とのコントラストはとても美しく、冬でなくとも訪れる価値は十分にあると感じた。
また、酒田市観光物産館「酒田夢の倶楽」では、酒田市周辺の特産品を販売。イベントスペースも用意され、定期的に伝統工芸品などの販売も行なっているという。そして、酒好きに見逃せないのが、地酒コーナーだ。こちらでは、酒田の地酒を一同に集めて販売するだけでなく、ワンショット(50ml)100円で好きなお酒を楽しめるので、実際に味を確認しながら、好みのお酒をお土産に買っていくのもいいだろう。
ちなみに、山居倉庫は通年でライトアップも行なっている。夜にライトで照らされ明るく浮かび上がる幻想的な倉庫の姿も、非常に趣がある。酒田市内で宿泊するなら、夜にもぜひ足を運んでみてもらいたい。
鳥海山からの雄大な眺めと迫力の滝に心を癒される
山形県と秋田県にまたがる鳥海山は、その美しい姿から出羽富士とも呼ばれている、標高2236mの活火山だ。古くから守り神として信仰され、地域の人々に親しまれている名山で、登山客が多いことでも知られている。また、その豊かな自然から、鳥海山を含む周辺地域は、日本ジオパークの一つ「鳥海山・飛島ジオパーク」にも認定されている。
そして、ふもとから鳥海山5合目の鉾立まで続くドライブウェイ「鳥海ブルーライン」は、日本海を望む絶景が続くこともあり、ドライブコースとして非常に人気が高い。そのため、クルマで日本海きらきら羽越観光圏を旅するなら、外せないスポットといっていいだろう。
鳥海ブルーラインは、秋田県側はにかほ市、山形県側は遊佐町に続くドライブウェイだ。見所は、なんといっても鳥海山の姿と、鳥海山から望む日本海や庄内平野の雄大な景色だ。特に夏場は、穏やかな日本海を一望できるのはもちろん、よく晴れていれば佐渡島や男鹿半島も望めるほど。その見晴らしはまさに絶景の一言で、日本海きらきら羽越観光圏最大の見所と感じたほどだ。鳥海ブルーラインには、展望台も多く用意されているので、見晴らしのよい場所にクルマを停めて、ゆっくり景色を堪能できるのもうれしい。
そして、鳥海ブルーラインの最高点となる5合目の鉾立には、鳥海山登山の拠点となっている「鉾立山荘」や、鳥海山の観光施設「鉾立ビジターセンター」、レストラン施設などがある。なかでも鉾立ビジターセンターでは、鳥海山の歴史や自然を学べる資料が多数展示されており、非常に興味深い施設となっている。また、鉾立山荘横奥の展望台からは、雄大かつ荒々しい鳥海山の姿を目の当たりにできる。V字に切り立った谷は、至る所で崖崩れの痕が見え、山の険しさも存分に感じられた。もちろん、鉾立からの庄内平野や日本海の眺望も格別で、時間を忘れて楽しめた。
なお、鳥海ブルーラインは毎年4月下旬から11月上旬ごろの間のみ通行可能となっており冬期は閉鎖となる。詳しい規制情報は、秋田県、山形県の道路規制情報のWebサイトに掲載されているので、訪れる前にチェックするようにしたい。
ところで、秋田県にかほ市側から鳥海ブルーラインを登る場合には、もう1カ所、足を運びたいスポットがある。それは「元滝伏流水」という場所だ。
元滝伏流水は、一見すると滝のように見えるのだが、実際は滝ではない。滝は、川の水が崖などを落ちるものだが、元滝伏流水は岩肌から水が湧き出し、それがまるで滝のように見えているのだ。その水の元は、もちろん鳥海山の伏流水で、元滝伏流水では幅30mほどの岩肌から、1日5万トンもの豊富な伏流水が勢いよく流れ出している。
うっそうと草木が茂る山肌の岩場から勢いよく流れ出している伏流水の姿は、迫力があるだけでなく、見る人の心も癒してくれる。今回は、夏の暑い時期に訪れたが、岩場から吹き出す冷たい伏流水が天然のクーラーの役割を果たし、周辺は肌寒いぐらいの涼しさだったのも、忘れられない思い出だ。
また、元滝伏流水への遊歩道には、伏流水を飲めるスポットもある。今回訪れたときには30℃を超える気温だったこともあって、ミネラル成分豊富な冷たい伏流水は非常に美味しかった。伏流水を飲むのは基本的には自己責任にはなるものの、こちらもぜひ試してみてもらいたい。
道の駅で地域の特産品やうまいものをゲット!
地方を観光する時には、特産品などを中心とした買い物も、大きな楽しみの一つだ。そして、クルマで観光する場合の特産品の買い物拠点として非常に便利なのが道の駅だ。道の駅は、「安全で快適に道路を利用するための道路交通環境の提供、地域のにぎわい創出を目的とした施設で、『地域とともにつくる個性豊かなにぎわいの場』を基本コンセプト」として、全国各地に用意されている施設。24時間無料で利用できる駐車場やトイレを用意した休憩施設として活用できるだけでなく、特産品の販売や各種イベントなどを通じて地域の情報発信基地としても活躍している。今回のツアーでは、日本海きらきら羽越観光圏にある2カ所の道の駅を訪れた。
まず最初に訪れたのが、秋田県にかほ市象潟町(きさかたまち)にある「道の駅 象潟『ねむの丘』」だ。日本海のすぐそばを走る羽州浜街道にある道の駅だが、最大の特徴となるのが日本海を一望できる日帰り温泉「眺海の湯」だ。建物の4階にある展望温泉で、よく晴れている日には男鹿半島まで一望できる日本海の眺望が最大の魅力。今回、実際に温泉を楽しんだが、確かに浴槽からの眺望は非常に素晴らしかった。また、温泉の湯加減もちょうどよくて、ドライブの疲れも一気に吹き飛ぶと感じた。聞くところによると、夕日の眺望もすばらしいそうなので、夕方に訪れるのもよさそうだ。
また、温泉に入るほど時間がないという場合には、足湯を楽しむのもいいだろう。あつめ、ぬるめなどお湯の温度の異なる複数の足湯が用意され、規模も大きいため、こちらも比較的ゆっくり楽しめる。しかも足湯は無料で利用できるのもうれしい部分。タオルも100円で販売されているので手ぶらでも安心だ。
温泉以外の施設も充実。地域の特産品が購入できる物産館は東北最大規模で、お土産を買うのに最適。また、見逃せないのがレストランや直売施設で、特に地域の新鮮な海産物や野菜が販売されている直売施設は必見。今回は夏の訪問だったので、地元で採れた岩牡蠣を楽しめたが、時期によって変わる地元の新鮮な魚介類は、見逃せない魅力といっていいだろう。
もちろん地元にかほ市の観光案内施設もあるので、観光情報を入手する拠点としても活躍してくれるだろう。
続いて訪れたのが、山形県飽海郡遊佐町にある「道の駅 鳥海ふらっと」だ。この道の駅があるのは、国道7号のなかでも、高速道路が未開通なために幹線道路として機能している区間で、年間230~240万人が利用するという非常に活気のある道の駅だ。鳥海山へと続く鳥海ブルーラインからも近いので、鳥海山観光の前後に訪れるのにも最適だ。
こちらの魅力は、地元の海産物や農産物を販売する直売所が充実しているという点だ。海産物の直売所「元気な浜店」では、地元で採れた新鮮な海の幸をその場で食べられるのが大きな魅力。夏場は天然の岩牡蠣、秋から冬にかけては鮭や寒鱈などをその場で食べられる。特に魚の焼き物は非常に人気が高く、休日などは店の外まで行列ができるほどだという。ヒーターで炙られている串刺しの焼き魚から香ばしいいい香りが漂ってきて、いやがおうでも食欲がそそられる。
また、野菜直売所「ひまわりの会」も見逃せない。こちらは、地元の農家が毎日採れたての野菜を並べて販売している直売所で、それも新鮮なのはもちろん、とても安く購入できるのが大きな魅力。首都圏のスーパーなどと比べると半額以下のものが大半で、大量買いしたいと思ってしまうほどだ。昼過ぎには売り切れてしまうことも多いそうなので、野菜を目当てにするなら早めに訪れるのがお勧めだ。
このほかのフードコーナーも目移りするほどの充実ぶり。ファストフードコーナーでは、山形県名物の玉こんにゃく、イカやタコなどの串焼きやおにぎりなど、気軽に楽しめるフードが充実。また、ラーメン店「味の駅」もお勧めだ。こちらでは、トビウオのスープをベースに、地元の旬の野菜や水にもこだわった、本格的なラーメンを提供している。
実際に、地元で採れた岩海苔をトッピングした「海苔っ娘ラーメン」をいただいたが、道の駅のラーメン店とは思えないほどのクオリティに驚かされた。あっさりとしたしょう油味のスープは、庄内地方のラーメンらしい雰囲気だが、トビウオのしっかりとした風味でとても美味しい。トッピングの岩海苔やチャーシューも絶品で、こちらでの食事ならラーメンは外せないといっていいだろう。
今回は、2泊3日で日本海きらきら羽越観光圏を旅したが、どの観光地も魅力に溢れているのはもちろん、海から山までの風光明媚な自然、そしてなんといっても豊富な食材をベースにした豊かな食に感動しっぱなしだった。これまで、なかなか訪れる機会がなく、今回が初の訪問だったが、実際に訪れてみて、その魅力に大いに満足できた。そして、まだまだ魅力の一部に触れただけで、もっともっと掘り下げたいという思いも強くなった。機会があれば、またぜひ訪れたいと思う。そして、読者の皆さんもぜひ足を運んで、その魅力に触れてみてもらいたい。