旅レポ
ウェディング旅行に最適な、JALの新ビジネスクラスシート装備の「JAL SKY SUITE 777」(SS2)でハワイへ
全席フルフラット&通路アクセス、1-2-1配置の「SKY SUITE III」
2017年1月20日 11:50
海外旅行先として日本人にとって高い人気を誇るのがハワイ。美しい海、温暖な気候といった豊かな自然に加え、独特の文化や価値観に日本と共通するものも多く、移民や日本との歴史的関わりも深い。近年アジアが海外旅行先として人気になっているが、リゾートウェディングなどにも適した高級ホテルや、大人数での旅行に向いたコンドミニアムなどさまざまな宿泊施設が充実しており、旅行先として幅広い年齢層に受け入れられるものがある。
そのため、日本とハワイを結ぶ航空路線は激戦区となっており、価格面に加え、機内食やシート仕様、機内サービスなど品質面の競争が激しく、ここ数年で急速に充実したものとなっている。とくにJAL(日本航空)は、新・間隔エコノミーと名付けられた足下の広いシートを装備したボーイング 767-300ER型機の新仕様機「JAL SKY SUITE 767(スカイスイート767)」(略称、SS6)を成田~ホノルル線に投入。このSS6のビジネスクラスには、フルフラット&全席通路アクセスの「SKY SUITE II」シートが搭載されており、エコノミークラス、ビジネスクラスとも、その快適性が高く評価されている。
JALはこの成田~ホノルル線以外に、羽田~ホノルル線、関西空港~ホノルル線、セントレア(中部)~ホノルル線を提供しているが、SS6同様にJALの新世代仕様機であるボーイング 777-200ER型機の「JAL SKY SUITE 777(スカイスイート777)」(略称、SS2)の投入を決断。羽田~ホノルル線は2016年12月から、関空~ホノルル線は2017年1月9日から就航しており、セントレア~ホノルル線も2017年2月25日から就航する。
このSS2の特徴は、ビジネスクラスに最新仕様の「SKY SUITE III」と、プレミアムエコノミークラス「SKY PREMIUM」を装備。とくにビジネスクラス用のシートは成田~ホノルル線と同様、フルフラット&全席通路アクセスを実現しながら、1-2-1の1列4席仕様となり、中央2席がペアでの旅行などウェディング旅行に向いたものとなっている。また、プレミアムエコノミークラスのSKY PREMIUMは、2-4-2の1列8席仕様で、旧仕様のビジネスクラスに匹敵するシートになっている。今回は、羽田~ホノルル線でハワイへ向かってみた。
専用チェックインカウンターや、豪華なサクララウンジ
羽田~ホノルル線のダイヤは、往路となるJL80便が22時55分羽田発の同日10時40分ホノルル着、復路となるJL89便が15時25分ホノルル発の翌19時50分羽田着となる。JALが多数用意するハワイ路線のなかでも、最も遅い時刻に日本やハワイを出発する便になっている。往路のJL80便であれば会社が終わってから同日にハワイへ行くことができ、復路のJL89便であればハワイを満喫して帰国するのに向いている。
また、国内線が充実する羽田空港のため地方空港との接続性もよく、関空、セントレアが最寄りの空港でないなら、この羽田発着便を使うのも便利だろう。
この羽田発のビジネスクラス「SKY SUITE III」による旅は、JALの国際線チェックインカウンターから始まる。チェックインカウンターはビジネスクラス専用のもので、預け入れ手荷物にはビジネスクラスの手荷物であることを示す優先タグが付けられ、ホノルル空港で優先的に手荷物が出てくる。本来は時間的に忙しいビジネスマンへ向けたサービスだが、特別な旅行にはうれしいサービス。
さらにうれしいサービスとして無料の預け入れ手荷物が、エコノミークラス&プレミアムエコノミークラスの23kg×2個に対して、ビジネスクラスでは32kg×3個になる。単純計算で100kg近くの手荷物を預け入れることができ(実際にはスーツケースの重量や、うまく分割することが必要)、特に荷物の多くなりがちなウェディング旅行にはありがたいサービスだ。JALの利用頻度によるサービスもあるが、詳細はJALのWebページ「国際線>お手荷物>お預けのお手荷物」をチェックしていただきたい。
羽田空港からJALの国際線ビジネスクラスで出発する際に利用してほしいのが「サクララウンジ」。羽田空港国際線のサクララウンジは、成田空港国際線のサクララウンジと並び、JALラウンジのなかでも豪華なものとなっている。
JALのサクララウンジは、112番搭乗口付近に2カ所、114番搭乗口付近に1カ所ある。114番搭乗口付近のサクララウンジは、羽田空港国際線ターミナル拡張時に新設されたもので、羽田空港の眺望がウリの「サクララウンジスカイビュー」。羽田~ホノルル線のJL80便の時間帯であれば、羽田空港の夜景が楽しめる。
そして、サクララウンジには多数の種類のドリンクと、美味しいことで有名な「JAL特製オリジナルビーフカレー」がある。とくにアルコール類は充実しており、夜景を見ながら出発までの時間をゆったり過ごすことができるだろう。
日本とハワイの時差は19時間。日本が19時間進んでいる。そしてハワイ路線は、午後に日本を出発し、同日の午前中にハワイに到着するようダイヤが組まれており、いかに機内で寝て過ごすかが充実したハワイ旅行を楽しむためのポイントとなる。そのため、サクララウンジでお酒を飲むのか飲まないのかや、JAL特製オリジナルビーフカレーをどの程度の量にするのかは、自分の体調と相談してほしい。お勧めはテイスティング程度の量にとどめ、ビジネスクラスの機内食を楽しみ、フルフラットシートで寝てしまうこと。シャワーやマッサージチェアなどもあるので、ラウンジの時間はあっという間に過ぎていくことだろう。
明るく華やかなビジネスクラス「SKY SUITE III」
サクララウンジでゆったり過ごし、搭乗時刻が近づいたら、優先搭乗もあるため早めに搭乗口へ移動しておこう。JALのSS2はビジネスクラスが最上位クラスとなるため、比較的早めに機内に乗り込むことができる。
そしてボーディングブリッジでビジネスクラス側から機内に入ると、そこにはヘリンボーン式の最新ビジネスクラスシート「SKY SUITE III」の風景が広がる。1-2-1で配置されたSKY SUITE IIIは、AとKの窓側が1人客に向いた“ぼっち席”、DとGの中央列がペアでの利用に向いた席となっており、全席フルフラット&通路アクセスを実現している。斜め配置とすることで席数を増加させる工夫を行なっており、斜め配置の方向も、窓側席は窓側を、中央2列は中央側を向き、通路を歩く人と目が合いにくいよう配慮されている。
今回記者が利用したのは、中央左側の11D席。右隣の11G席との間にはパーティションがあり、パーティションを出せば個室感抜群の席になるし、パーティションを収納すれば会話を楽しみやすい。と、ウェディング旅行にはD席とG席の利用を勧めたいところだが、今回の便では中央列右側の11G席と、窓側の11K席を夫婦が利用しており、交代で機内からの眺めを楽しむなど「なるほど~」と思える使い方をしていたのが印象的だった。
JALの新世代ビジネスクラスシートは、SKY SUITE IIIが名前のとおり3種類目となる。ボーイング 777-300ER型機(SS7)と787型機(SS8、SS9)に搭載されたSKY SUITE、767-300ER型機に搭載されたSKY SUITE IIが、シート配置を前後にずらして工夫することで全席フルフラット&通路アクセスを実現しているのに対して、斜め配置にすることで同様の機能を実現している。そのためSKY SUITEやSKY SUITE IIは、全席個室性が高くビジネスライクな雰囲気。一方、SKY SUITE IIIは、もう少しオープンな雰囲気があり、明るい機内の配色と相まって華やかさを感じる。とくにホノルル便ではカジュアルな服装の人も多く、以前に乗ったバンコク便とは明らかに異なる雰囲気だった。
シートに座るとそこは映画館、ハイクオリティな食事も楽しめる
優先搭乗でSKY SUITE IIIの11D席に着くと、そこには17インチの大型画面を持つIFE(In-Flight Entertainment、機内エンタテイメントシステム)が用意された空間が広がる。フルフラットになるシートのスペックは、シート幅(アームレスト間)が約51~52cm、ベット幅が最大約74cm(可動アームレスト収納時)、ベット長が最大約198cm(座席により異なる)となっている。
優先搭乗で乗ることによるメリットはいくつかある。出発までの時間が長く取れるため身のまわりの荷物を整理する余裕が十分あり、のんびりと旅立ちの準備ができる。また、一部でシャンパンクラスとも呼ばれるように、ビジネスクラスは離陸前のシャンパンやソフトドリンクによるウェルカムドリンクサービスが楽しめる。そのほか、航空機の電源はすでに入っているため、17インチの大型画面による映画などをすぐに楽しめることだ。とくに往路のハワイ路線は7時間程度と短く、2時間の映画を食事を終えてから鑑賞すると、睡眠時間がほとんどなくなってしまう。席に着いたらさっさと大画面による映画を楽しむのがお勧めだ。ただし、パートナーと一緒に乗る場合は、もちろんパートナー優先で。
JL80便の出発する時間帯は混雑時間帯でないとはいえ、夜間になるためD滑走路からの離陸となっていた。ウェルカムドリンクを飲み終え、IFEで映画を楽んでいたら、いつの間にか離陸していた。中央席のためか外の騒音などが伝わりづらく、窓の外の景色は楽しめない代わりに静粛性は高い。ホノルル便は全行程のほとんどが海の上となっているため、静粛性を重視するのであれば、中央列の2席がお勧めだ。
離陸してシートベルトサインが消えると食事のサービスが始まる。JALはファーストクラス、ビジネスクラス向けに空の上のレストラン「BEDD」を展開しており、BEDDには、BED、Dine(食べる)、Delicious(美味しい)、Dream(夢見ごごち)の意味が込められている。
12月のJL80便では、東京麻布十番「山田チカラ」の山田チカラシェフによる洋食と和食が選択可能。ハワイ路線は特別メニューの「BEDD for Resort」と名付けられており、洋食はメインが「牛フィレステーキのマッシュルームカルボナーラ」、和食は台の物が「鰤と野菜の幽庵焼き」となっていたので、洋食をチョイス。肉汁のぎゅっと詰まった牛フィレステーキを美味しくいただいた。
また、JALのビジネスクラスでは飲み物も充実しているのがポイント。ウェルカムドリンクとしていただいたシャンパンは「シャルル エドシック ブリュト レゼルブ N.V.」という、なんだか凄そうなものだし、洋食に合わせて勧めていただいた赤ワインは「エステート・シリーズ ピノ・ノワール 2014(ヴィーニャ・エラリス)」という、これまた凄そうな名前のものだった。もちろん、いずれも美味で、とくに牛フィレステーキと一緒にいただいた赤ワインは強く印象に残った。
フルフラットシートで熟睡、ハワイでアクティブに
SKY SUITE IIIの中央列は、左側のD席と右側のG席の足下が交差する構造になっており、フルフラット時にはD席が沈み込み、G席が若干上昇していく。そのような工夫をすることでフルフラットでありながらできるだけ多くの座席を用意している。
JALはこのSKY SUITE IIIのパノラマ写真をWebで公開「ボーイング 777-200ER JAL SKY SUITE 777」しており、気になる方は見ておくのをお勧めする。
記者は以前このSS2でタイのバンコクに行ったことがあり「食事も豪華!! 新ビジネスクラスシート搭載『JAL SKY SUITE 777(SS2)』でバンコクへ」、そのときの座席は窓側お一人様“ぼっち席”のK席。その席と比べると、中央列のD席は機体の中心線(ロール軸)に近いせいか落ち着いた雰囲気がある。
食事が終わったら、いよいよフラットシートにして就寝時間となる。コンローラでフラットモードに移行すると、想像していたよりも低い位置でフラットになった。これだけ低いと、通路の音などが気になるかなと思ったが、頭まわりのパーティションがしっかりしており、気になることはない。記者の身長は178cmとなるが、足先の余裕も十分だ。
美味しいお酒をいただいて、美味しい食事をいただいて、フルフラットにしたらすぐさま熟睡してしまった。とはいえ、あれこれ撮影などをしていたので睡眠時間は2時間程度。それでも深く眠ることができたので、寝覚めはさわやかだった。
ホノルル到着の2時間ほど前になると、機内の照明が明るくなり、軽食のサービスが始まる。フレンチトースト、ホイップクリームとミックスベリーなどのメニューで、寝起きにはちょうどよい。炭酸入りの飲み物が好きなので、ペリエをドリンクとして注文。きちんとグラスに入ったペリエを飲むことができ、ビジネスクラスならではの環境のなかで食事ができる。
ハワイで役立つ「JALOALOカード プログラム」
食事を終え、ビジネスクラスらしく利用者の少ないラバトリー(トイレ)で朝の歯磨きなどを終えたら、すぐに着陸となった。ホノルル空港では、羽田空港で付けてもらった預け入れ手荷物優先タグが役に立つ!!と書きたいところだが、羽田~ホノルル便は到着ラッシュの時間帯から少しずれており、入国審査を終えて手荷物を取りに行くと大抵手荷物はすでにコンベアレーンから外れていることが多い。ホノルル空港ではAPC(Automated Passport Control)の導入が進んでおり、アロハな文化と相まって入国審査時間は短いにもかかわらず、荷物の出が早い空港だ。預け入れ手荷物優先タグが真価を発揮するのは、ホノルル~羽田便というのがこれまでの経験だ。
深く寝ることができたせいか、ホノルルに到着しても時差ボケのような症状は皆無。すぐにあちこち動き回ることができた。
JALでハワイに行く場合は、ジャルパックで行く、そのほかの旅行会社のツアーで行く、JALのWebサイトで購入してから行く、の3つが定番だろう。このうち最後の「JALのWebサイトで購入してから行く」人向けにJALがサービスを行なっているのが「JALOALO(ジャロアロ)カード プログラム」。適用される運賃はジャロアロカードのWebページ「JALOALOカード」を参照していただきたいが、このジャロアロカードの取得をJALに申請することで、さまざまな特典を受けられる。
個人的に一番便利だと思っているのが、ワイキキの街中を走り回る「ジャルパック ワイキキトロリー」に乗れるようになること。ジャルパックでハワイにくれば多くの路線を乗れるようになるが、一般的なジャロアロカードでもアラモアナルートが、ビジネスクラスでもらえる「ジャロアロカード アリイ」であればアラモアナルートに加え、ダイヤモンドヘッドルートが乗り放題となる。そのほか、各ショップやレストランのちょっとした割り引きなどもあり、申し込んでおいて損はないだろう。
また、ジャルパックでハワイに行くと豊富なオプショナルツアーが用意されているが、ジャルパックは同様なツアーを「JALPAK INTERNATIONAL HAWAII」から個人旅行客向けにも提供している。Webサイトを見れば分かるが、料金はすべてドル払い。JALカードで支払えば、JALマイルも付与される。いろいろ眺めながら、ハワイのアクティビティをプランニングしてほしい。
今回、ホノルルでの夕食は「ハワイ プリンスホテル ワイキキ」の横にある「チャート・ハウス」を選択。アラワイヨットハーバーに面したシーフードがウリのレストランで、ジャロアロカードを見せることでメインディッシュが15%引きになる(詳細はジャロアロカードのガイドブックを参照のこと)。米国ではチップが必須だが、チップに充当する余裕がでると思えばよいだろう。
帰国は、ホノルル~羽田線のプレミアムエコノミークラス「SKY PREMIUM」で
復路は、15時25分ホノルル発~翌19時50分羽田着のJL89便で。冒頭紹介したように、JALの数多くあるホノルル路線のなかで、もっとも遅くホノルルを出発する便になる。ホノルルでブランチなどを食べてから空港へ向かっても、問題なく間に合う便となっている。
このJL89便に限らず、ホノルル~東京(羽田・成田)はジェット気流の関係もあって冬ダイヤでおよそ9時間のフライト。往路より長時間のフライトとなる。そのため、往路と同じくビジネスクラスがお勧めなのは事実だが、SS2に装備されているプレミアムエコノミークラス「SKY PREMIUM」もお勧めだ。
このSKY PREMIUMは、新世代仕様のJAL機ならではのシートで、一昔前のビジネスクラス以上の快適度を誇る。実際、SS2導入前のビジネスクラスシートと比べても、Wi-Fiサービスが加わったSKY PREMIUMを支持する人がいてもおかしくない。
このSKY PREMIUM、前世代のプレミアムエコノミークラスのシートより、シートピッチを約10cm拡大。前席のシートバックが倒れないフィクスドバック構造で、気兼ねなくリクライニングできる。レッグレストやフットレストはもちろん、隣席とのセパレーションにセンターディバイダーも装備する。
また、ビジネスクラスの17インチよりは小さいものの、タッチパネル式12.1インチモニタ、大型テーブル、USB電源、ユニバーサルタイプのPC電源を装備し、PC使用に配慮されている。ビジネスクラスのSKY SUITE IIIのようにフルフラットにはならないものの、新・間隔エコノミーシートよりは広く楽に過ごせつつ、ウェディング利用であれば容易に会話ができる距離が保たれている。
ハワイ路線のダイヤを考えると、時差ぼけを防ぐためには復路はなるべく起きていた方がよく、プレミアムエコノミークラスのSKY PREMIUMを選ぶのもありだ。預け入れ手荷物に優先タグも付けてくれる。ただ、無料の預け入れ手荷物はエコノミークラスと同じ23kg×2となり、ビジネスクラスより大幅に減るため往路と復路で違うクラスにしている場合は注意が必要だ。
ホノルル~羽田線のプレミアムエコノミークラスであれば、ホノルル空港のサクララウンジが使えるのもポイント。ホノルル~関空・セントレア・成田線のプレミアムエコノミークラスだと、時間帯の関係もありチェックインカウンターで30ドルのクーポン支給。こちらのほうが使い勝手がよい人もいるだろう。
SKY PREMIUMでの帰国は、とても快適だ。足下も十分に広く、各種ポケットもあることから、スマートフォンの置き場に困ることもない。電源もあり、Wi-Fiもあるので、PCやスマートフォンがあれば12.1インチのIFEをそれほど使うこともなかった。
プレミアムエコノミークラスの場合、食事はエコノミークラスと同じとなるが、ホノルル市内でがっつり食べてくれば、お腹がそれほど空くことはない。JALの機内食はエコノミークラスのものでも美味しく、朝ホノルルでそこそこの量を食べたにもかかわらず完食した。ビジネスクラスのBEDDと比べると、さすがに豪華さはないのだが……。
プレミアムエコノミークラスの食事やドリンクで、エコノミークラスより優れている点は、「うどんですかい」というインスタントうどんを注文できることと、アルコール類ではシャンパンや焼酎を、ソフトドリンクではペリエを注文できること。個人的にペリエはJALのプレミアムエコノミークラスでイチオシのドリンクだ。さすがにビジネスクラス同様のJALグラスでの提供とはならないが、レモンと氷をお願いすることもでき、ペリエならではの爽快さを味わえる。
また、プレミアムエコノミークラスでは、ビジネスクラス同様のアメニティが提供されるのもうれしいところ。アイマスクや通常のマスク(モイスチャーマスク)などに加え、ビジネスクラスと同じスリッパが用意される。とくにスリッパは日本人に人気のアイテムで、これだけで機内の疲れが激減する人もいるだろう。
SKY PREMIUMの座り心地は、新・間隔エコノミーのSKY WIDERシートに比べて、座面のクッションが厚めで、フィクスドバックシートのためかシート筐体の剛性感もある。そのため不要な機体の振動があまり伝わってこず、快適な時間が流れる。テーブルも大きく、PCを広げて、Wi-Fiにつなげてあれこれやっていると時間の経つのが早く、往路と変わらない時間感覚で羽田空港へと到着したと思ったら、予定よりも1時間近く早着したとのアナウンスが流れていた。
フルフラットになるシートと比べるとさすがに寝心地を比較しても仕方がないが、がっしりしたシート筐体、深めのクッション素材で、シートとしてのできはとてもよく、AC電源、USB電源などのユーティリティも完備しており、1度このシートでの旅行を体験すると、「やっぱプレエコ」と思ってしまう。プレミアムエコノミークラスについては、JALはダイナミックセイバープレミアムやエコノミーセイバープレミアムといった割り引き運賃を設定しているので、ハワイに行く際は検討してみるのがよいだろう。
今回紹介した、最新のビジネスクラスシート「SKY SUITE III」、プレミアムエコノミークラスシート「SKY PREMIUM」と装備する、「JAL SKY SUITE 777」(SS2)は、羽田~ホノルル線と関空~ホノルル線にすでに就航している。セントレア~ホノルル線は2017年2月25日から、成田~ホノルルの1往復については4月中旬から導入と発表されていた。
JALが1月19日に発表した2017年度の計画では、今回紹介した羽田~ホノルル便が4月1日より成田~ホノルル便へと移行(JL780便/JL789便)することとなっており、時間帯も前倒しに。さらに季節増便を行ない成田~ホノルル線を1日5便体制にするほか、ファーストクラスを装備する機材も夏のピーク時に設定される。
4月1日より成田~ホノルル便が増加
JL780便:成田(20時45分)発~ホノルル(08時50分)着
JL789便:ホノルル(14時50分)発~成田(翌18時30分)着
また、羽田~ホノルル便はSS2で固定されていたが、成田へ移行される成田~ホノルル便(JL780便/JL789便)は、「一部SS2にて運航」となっており、予約の際の時刻表を見るなど出発日に注意しないとSS2にはならない(もちろん、羽田~ホノルル便においても機材都合で変更などは発生する可能性はある)。
出発日や機材をチェックする必要はあるものの、ハワイへのウェディング旅行を検討している人には、最新のビジネスクラスシート「SKY SUITE III」をお勧めしたいし、いつもより快適なハワイ旅行を考えている人にはプレミアムエコノミークラスシート「SKY PREMIUM」がお勧めだ。
エコノミークラスもグレードアップした「SKY WIDER」となり、なによりどのクラスにおいても、AC電源、USB電源、Wi-Fiサービスは等しく提供される。ボーイング 777-200ER型機の新仕様機であるSS2は、従来仕様機に比べ格段にグレードアップした旅が楽しめるのは間違いない。