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スカンジナビア航空、日本就航65周年記念でCEOが来日

往復6万5000円の記念特別運賃をアピール、羽田乗り入れについても語る

2016年4月28日 開催

スカンジナビア航空は今年70周年でもある

 SAS(スカンジナビア航空)は4月28日、日本就航65周年を記念し、SASグループの社長兼CEOのリカード・グスタフソン氏を迎えてビジネスランチョンを開催した。グスタフソン氏が考える今後の取り組みや、今後の日本での展開などを説明、日本就航65周年記念として、成田空港からスカンジナビア各地へ往復約6万5000円(燃油サーチャージ、諸税込)というセールもアピールした。

SASグループの社長兼CEOのリカード・グスタフソン氏

 グスタフソン氏のスピーチでは、同氏が就任して以来、業績を回復させた道のりが語られたあと、今後の取り組みについて語られた。

 SASでは、頻繁に利用する利用者「フリークエントパッセンジャー」を重視する戦略をとっているが、利用者が空港で無駄な時間を使わないためにもデジタル化も進めている。現在の利用者の約6割が空港に来る前にチェックインを済ませており、荷物の預け入れも自分でタグを付けてベルトに乗せる自動荷物預けを50%が利用、特にノルウェーでは70~75%が自動荷物預けを行なっている。

 最近の取り組みとしてはタブレットのiPadを社員クルーに持たせ、チェックインなどの複数の機能を効率化を進める。例えば、顧客情報を活用し、直近の利用時に便の遅延を経験させた乗客には、次の利用時に前回利用時の遅延を詫びるとともに、サービスの提案をするなどパーソナルなサービスに展開できる。テクノロジの活用で、顧客と一対一でつながることができるとしている。

搭乗手続きのデジタル化を進めている
導入を進めている新しいキャビン
日本就航65周年を示す垂れ幕

 また、グスタフソン氏は、スカンジナビア3国(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク)の国民は日本に高い関心を持っているとし、ビジネスだけでなくレジャーの利用も増えてくると予測、「日本に就航して65年、さらに65年、これからも就航したいと考えている」と述べるとともに、「国内の乗り継ぎをもっと提供していきたいと思う」として羽田空港乗り入れについて言及した。「羽田に発着できれば、羽田からのANAの便に乗り継ぐことができる」「65年前は羽田でスタートしたが、羽田の発着枠をぜひ確保したいと考えている」と述べた。

「今の段階で確実に羽田の枠を確保しているわけでない」として実現が確実なものではないとしたものの「全力で、羽田の枠を確保したい。2019年までに羽田の発着枠を確保し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでには、羽田からの就航も実現したい。今、本当に努力している」と強い意欲を示し、「同じスターアライアンスのANAとともにビジネスを拡大できる。日本にとってWin-Winの関係になる」との考えを示した。

 なお、ランチョンの会場では、導入を進めている新しいキャビンについて、VRで体験できるよう、スマートフォンを装着したSamsungの「Gear VR」も用意、飛行機の搭乗から室内の体験までを確認できるようになっていた。

 成田空港からスカンジナビア各地へ往復約6万5000円の記念特別運賃は、5月15日までスカンジナビア航空のWebサイトで購入が可能。日程により料金が変動するため、往路、復路ともに3万2000円程度の料金の日や便を選んだ場合にエコノミークラスの「SAS GO」が往復約6万5000円となる。また、同様にプレミアムエコノミーの「SAS PLUS」は10万5000円から、ビジネスクラスの「SAS BUSINESS」は16万5000円からという記念特別運賃が設定される。

会場ではVRで新しいキャビンを体験することができた