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ハワイアン航空、A330型機のビジネスクラスに2-2-2のフルフラットシートを導入

2016年第2四半期に長距離路線より導入開始

2015年10月20日(現地時間) 発表

ハワイアン航空が新たに導入するフルフラットシート。2-2-2配置となるが、隣席との間に上下するセパレータを設置

 ハワイアン航空は10月20日(現地時間)、本社において報道陣向け説明会を開催。マーク・ダンカリー代表取締約社長兼CEOが会見を行ない、A330型機のビジネスクラスにフルフラットシートを導入することを発表した。

マーク・ダンカリー ハワイアン航空代表取締約社長兼CEO

 新ビジネスクラスシートは、76インチ(約193cm)の180度フルフラットになるプラットフォームを採用。次世代大型タブレット端末によるエンタテイメントシステムも搭載する。開発は旅客重視のデザインで知られるイタリアのOptimaresとの共同開発となる。また、客室デザインについては、アメリカ西海岸のブランド&設計コンサルタントであるPaulWyldeとの協業により、ハワイの自然な色合いや形を表現したハワイアン航空らしい座席を実現するという。客室のデザインには風や海を連想させる流れるような曲線を用い、イタリアのポルトローナ・フラウ製の革などの高級素材を用いる。

新規導入されるフルフラットシート
センターコンソール部。質感が分かる
OptimaresのCEO、Alessandro Braca氏のビデオメッセージ
PaulWyldeのCEO、Paul Wylde氏のビデオメッセージ
新シートはハワイの自然な色合いや形を表現したものになるという

 シート配置は2-2-2の横6列となり、近年のビジネスクラスで導入されている、シートを前後にずらして配置する「スタッガード」配列とは異なるものを採用。これについては、カップルやファミリー層を意識したものであるとし、リゾート路線らしい配置となる。

 マーク・ダンカリー代表取締役社長兼CEOは、「ハワイアン航空は、ビジネスクラスで行くハワイの旅に新たな時代を切り開きます。お客様のご要望の見直しと徹底的な調査をもとにして、当社の長距離航空機仕様の最上級シートを開発しました。私たちは、Optimares社およびPaulWylde社と共同で、世界有数の快適さをそなえたスタイルとハワイ諸島のルーツを大切にしたオリジナルデザインを創り上げました。この新しいビジネスクラスの登場により、ハワイアン航空は、アロハスピリット溢れる温かい機内サービスと現代的なセンスとともに、皆さまのご出張、ご家族旅行、ロマンチックな癒しの旅など様々なシーンで、さらに快適な空の旅をご提供いたします」とコメントしている。

ハワイアン航空本社では、VRヘッドセット「オキュラスリフト」によるシート体験会も開催された
駆動マシンはMSIのPCを使用
オキュラスリフトで見た室内

 この新ビジネスシートの導入と同時に、プレミアムエコノミー需要に対応するために、すべてのA330型機に「エクストラ・コンフォート」を28席増加する。エクストラ・コンフォートでは、シートピッチが36インチ(約91.5cm)となっているほか、空港ゲートにおける優先搭乗サービスや個人専用電源コンセントなどの特典を用意する。

 ハワイアン航空のA330-200型機は、ビジネスクラス18席、エクストラ・コンフォート40席、エコノミークラス236席の乗客定員294名から、客室デザインリニューアル後は、ビジネスクラス18席(新フラットシート)、エクストラ・コンフォート68席、エコノミークラス192席の乗客定員278名となる。エコノミークラスの座席は、従来どおり、シートピッチ31インチ(約79cm)のレッグスペースを確保。乗客定員を減らし、新シートを導入することで、乗客の満足度向上を目指すことになる。

 この新しいフルフラットシートを装備した最初の機材は、2016年の第2四半期にハワイアン航空の長距離路線において就航予定。残る22機のA330型機にも、2016年9月から2017年にわたって順次導入するとしている。

ハワイアン航空のエアバス A330-200型機

(編集部:谷川 潔)