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阪神電鉄、20年ぶりの普通用新型車両「5700系」を2015年夏から導入

体感温度を考慮するエアコンや荷物棚を低くするなど車内空間の快適性を追求

2015年夏より順次導入

阪神電鉄の普通用新型車両としては20年ぶりの導入となる「5700系」。伝統を引き継いだブルーの配所と、やさしさを表現する円形のグラフィックデザイン

 阪神電鉄は、3月30日に普通車用新型車両「5700系」を2015年の夏季より導入すると発表した。2015年度は4両1編成が導入され、その後、順次新造される予定。

 「5700系」は「人へのやさしさ、地球へのやさしさを追求」をコンセプトとした車両。外観はステンレス車体に阪神電鉄 普通車の伝統カラーであるブルーを配色し、「各駅に停車する普通車のやさしさ」を表現した円形のグラフィックデザインを採用。行先を表示する車外表示器はフルカラーLEDとなる。インテリアは「豊かな摂津灘の海」をイメージして、床や座席はきらめく水模様を配置。吊手、出入口の取手にも海を連想させるブルーを配色している。

インテリアは「豊かな摂津灘の海」をイメージして、床や座席はきらめく水模様を配置

 車内空間の快適性を向上させるため、人体の体感温度を考慮した細かい制御ができる冷暖房装置を導入。さらに車内の温度保持のため、乗客が扉の開閉操作ができるボタンを扉の右脇に設置される。また、急ブレーキ時の安全対策として、吊手や握り棒を増設、従来よりも低い吊手も設置。荷物棚の高さを約20cm低くし、荷物を取りやすくする。

車内の温度保持のため、乗客が扉の開閉操作ができるボタンを扉の右脇に設置

 座席は片持ち式のバケットシートを採用するとともに中間・端部に仕切板を設置した。両間貫通扉を全面ガラス化し、車内の開放感を向上させている。また優先席の付近は吊革の色を緑色に統一し、スペースを明確化する。

 車内の出入り口上部には32インチハーフサイズの液晶式車内案内表示器を設置。ここ数年の新型車両には多くみられる停車駅や乗換案内をイラストや大きな文字を用いてわかりやすく表示する。また日本語、英語、中国語、韓国語による案内も行われる。

32インチハーフサイズの液晶式車内案内表示器
優先席の付近は吊革の色を緑色に統一しスペースを明確化

 主回路として、電力回生ブレーキつきの永久磁石同期電動機を用いたVVVFインバータ制御を採用することで、5001形抵抗制御車と比べて、消費エネルギーを約50%削減、客室照明、前照灯、尾灯、標識灯などすべての照明機器をLED化される。

編集部:柴田 進