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免税品の不正転売を徹底防止へ。出国時に返金する新免税制度「リファンド方式」11月1日スタート

2026年11月1日 開始
新免税制度「リファンド方式」がいよいよ11月1日に開始

 全国免税店協会は10月22日、訪日外国人向けの新免税制度「リファンド方式」移行に関するメディア説明会を開催した。同協会会長の秋田正紀氏をはじめ、共催団体と関係省庁の担当者らが出席し、空海港や免税店への影響、デジタル活用、地方への波及効果について解説した。

 リファンド方式とは、訪日客が免税価格ではなく消費税込みの金額で品物を購入し、出国時に税額分の返金を受ける仕組みであり、免税品の不正転売を防ぐとともに店舗側の手続き負担を軽減するもの。税制改正の一環として財務省関税局、国税庁、観光庁、デジタル庁などが連携して行ない、この11月1日から適用が開始される。

リファンド方式イメージ図

 従来の制度では購入時点で消費税が免除されていたため、免税品を日本国内で転売・横流しする不正利用が深刻な課題となっていた。これに対しリファンド方式では、旅行者が店頭で一度税込み価格で商品を購入し、出国時に空海港の税関で商品の海外持出し確認を受けたあとに消費税相当額の返金を受ける形となる。

 購入から90日以内に税関の持出し確認を受ける必要があり、実際に商品を国外へ持ち出さない限り免税が成立しない構造とすることで、不正転売を直接的に防止する効果が見込まれている。

 さらに店頭における免税販売要件も大幅に緩和。従来分けられていた「一般物品」と「消耗品」の区分が撤廃され、購入額が合計5000円以上(税別)であれば一括して免税対象と判定できるようになる。また、これまで消耗品に設定されていた「1日1店舗あたり50万円」の購入上限額も撤廃される。

 持出し確認を出国時の税関へ集約することで、店舗側は「通常生活の用に供するものか(事業用か否か)」という個別の判断が不要になるほか、化粧品などの消耗品の国内使用を防ぐための特殊包装(透明ビニール袋による梱包)義務も廃止されるため、これまで負担となっていた梱包作業の手間や資材調達コストが削減され、レジ周りの混雑緩和や店舗運営の円滑化につながると期待されている。訪日客にとっても手続きがスムーズになり、利便性の向上が図られる。

 なお、郵便局などから国外へ免税品を送る「別送」が不正に多用されていたことを踏まえ、政府は2025年4月1日付で別送による免税の取扱いを先行して廃止した。一方で、免税店から直接海外へ配送する「直送制度」の仕組みは引き続き維持される。

 また、デジタル庁の日本入国手続Webサービス「Visit Japan Web」も活用。これまでも購入時にVisit Japan Webで作成する2次元コードをパスポートの代わりに利用することが可能だったが、今回のリファンド方式の導入に合わせて一部の利用者の多い空港(成田、羽田、関西、中部、福岡、新干歳、那覇)の国際線出発フロアでは、出国時の税関確認を免税手続端末の代わりに自分のスマートフォンなどでVisit Japan Webを利用してオンライン手続を行なうことができるように改修した。

 不正転売を防ぐ水際対策の強化にとどまらず、こうしたデジタル活用と店舗の負担軽減を通じて免税販売手続きを委託できる範囲が拡大され、人手不足や言語対応問題などを解消でき、今後は地方における免税消費拡大も期待されるという。

全国免税店協会 会長 秋田正紀氏

 報道陣の取材に応じた全国免税店協会の秋田会長は諸外国との比較に触れ、「今年4月にヨーロッパへ行った際、空港でリファンドを体験したが非常にスムーズだった。これが日本で行なわれるのかと期待感が大きい」と語った。海外の旅行客にとってはすでに馴染みのある手続きであることから、「今までの日本が少しイレギュラーだった部分もある。よりスムーズになるのではないか」と所感を明かした。

 また、高額商品の購買動向については「この制度によって急にお客さまの購買動向が変わることはあまりないのではないか」と分析し、従来どおり宝飾時計やラグジュアリーブランドのバッグ、靴などの需要は大きく変わらないと見ている。

 一方で、高額な化粧品やお酒といった消耗品に関しては、50万円の限度額撤廃や特殊包装の廃止がプラスに働くと指摘。「梱包に要していた時間がなくなることは、お客さまにとっても大きなメリット。同時にお買い物をしていただける機会が増えるだろう」と期待を寄せた。

観光庁 観光戦略課長 菅原晋也氏
国税庁 課税部 消費税室長 濱田正義氏
財務省 関税局 監視課長 松田真吾氏
デジタル庁 国民向けサービスG企画官 古口卓哉氏