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ブレンド・焙煎・ドリップ・ラテアートなど体験できる「UCCコーヒー博物館」。6年ぶりリニューアル開業したコーヒーのテーマパークに行ってみた

2026年7月1日 開業
リニューアルした「UCCコーヒー博物館」に行ってきた

 UCC上島珈琲は、神戸ポートアイランドの「UCCコーヒー博物館」(兵庫県神戸市中央区港島中町6-6-2)を7月1日にリニューアルオープンする。これに先立ち、6月25日に報道公開を行なった。

“コーヒーのテーマパーク”に生まれ変わり、コーヒーが大好きな大人から、苦いものはまだ苦手という子供までが楽しめる内容になっていたので、コーヒー好きの筆者が、館内の展示のあらましと体験コンテンツの内容を全力でレポートする。

UCCコーヒー博物館が6年ぶりにオープン

 UCCコーヒー博物館は、「コーヒーの素晴らしさを一人でも多くの人に伝えたい」というUCC創業者 上島忠雄の熱い思いから、1987年10月1日(コーヒーの日)に創業の地、神戸に誕生した。コーヒーに関する多彩な情報を網羅する日本唯一のコーヒー専門の博物館であり、国内外からのべ150万人が訪れているという。

 その後コロナ禍にいったん休館しているが、大人も子供も学び・楽しめるコーヒーのテーマパークとして6年ぶりにオープンする。今回のリニューアルは、コーヒーに関する知の継承・進化・創造を目的として、躯体、内装、外構すべてに改修を行ない、コーヒーにまつわるあらゆる情報(起源・栽培・鑑定・抽出・文化など)の紹介、コーヒーの科学と未来が分かる体験ラボを新設した。

 また、コーヒーラウンジでのフード・スイーツとのペアリング体験、ペーパードリップ体験、ブレンドづくり体験、3Dラテアート体験、焙煎体験といった、コーヒー好きの大人から普段コーヒーを飲まない子供までが楽しめる体験コンテンツを豊富に揃えた。いずれも、家庭やコーヒーショップではなかなか体験できない記憶に残る内容としている。

UCCコーヒー博物館

開業日: 2026年7月1日
所在地: 兵庫県神戸市中央区港島中町6-6-2
アクセス: ポートライナー「南公園」駅すぐ北(徒歩1分)
開館時間: 10時~17時(事前予約制)※ミュージアムショップは予約不要
休館日: 月曜・火曜(祝日の場合は開館)、年末年始
入館料: 大人(高校生以上)880円、子供(小中学生)440円
予約: UCCコーヒー博物館 Webサイト

入館券のみで見学、利用可能なコンテンツ

・コーヒーの起源、栽培、鑑定、焙煎、抽出、文化、未来の各展示
・UCCヒストリーエリア
・テイスティングコーナー(コーヒー試飲) ※1日4回の時間限定、月替りで楽しめる
・ミュージアムショップ

要予約(別途料金)のコンテンツ

・コーヒーラウンジのイントロダクションコースとディスカバリーコース
・焙煎体験
・ペーパードリップ体験、ブレンドづくり体験、3Dラテアート体験

UCCコーヒー博物館外観。ポートライナー「南公園」駅から徒歩約1分と交通至便
エントランス部は温室のような作りで、左右にさっそくコーヒーの木
入館してすぐにミュージアムショップがある。UCCオリジナルグッズのほか、コーヒーの木(苗)も
UCCコーヒー博物館のあゆみ、UCC上島珈琲の理念(存在意義)や館内マップなど
コーヒーが育んだ文化の一端に触れられるコーナー(後述)は、休憩スポットとしても使えそう
テイスティングコーナー。1日4回(時間限定)で月替りのコーヒーが無料で楽しめる。7月はUCCハワイコナコーヒー直営農園の新豆を、どこよりも早く楽しめるという
フォトスポット
館内には、オフィスビルの観葉植物のようにさり気なくコーヒーの木が置かれている。実をつけていることもあるので実際の見の大きさや形を確認してみよう

コーヒーへの理解が深まる展示(入館料のみで見学可能)

 UCCコーヒー博物館のメインの展示は、コーヒーの起源、一杯のコーヒーが私たちに届くまでの旅路、コーヒーの文化、そしてコーヒーの未来までを、多彩な展示と解説パネルで紹介するコーナーだ。写真や実物の道具、解説パネルなどを通じてコーヒーに関する知識を深めることができる。

館内マップ。1~7の順路に沿った展示は、入館料のみで見学可能だ
エスカレーターで上がった先からスタートする
最上階から順路に従ってスロープをらせん状に下るだけで学びが得られる
「1. 起源」
コーヒーの起源、歴史、軌跡を学ぶ。例えば、かつてイスラムでは寺院の厳しい管理化に置かれコーヒーの持ち出しが禁じられていた時代があった
実物のコーヒーの苗木。「すべてはこの小さなコーヒーの木から始まりました。」
コーヒー発祥の地とされるエチオピアのカファ地方で今でも使われているという道具と食器。案内してくださったのはUCCコーヒー博物館 館員の堀江美穂さん
「2. 栽培」
コーヒーは収穫まで多くの手間ひまをかけて栽培される農作物。栽培エリアやコーヒー農園の1年の営みなど、植物としての側面を知ることで、コーヒーの美味しさへの理解も深まる
コーヒーの花の写真パネルなど、なかなか見られないものもあった
ほぼ実寸のコーヒーの木のパネル。その脇には1本のコーヒーの木から何杯のコーヒーが淹れられるか書いてあり、その数字に驚いてしまった。学びである
「Studio焙煎体験ルーム」。自分で焙煎をしてみたいという方はここで学んでみてはいかが?
UCCヒストリーエリア。通路の両脇にはUCCの創業から現在までの商品がズラリと並ぶ
「3. 鑑定」
コーヒー鑑定士が厳しく品質チェックを行なう様子を紹介
「4. 焙煎」
コーヒーの味を決める工程「焙煎(ロースト)」の紹介。その種類や特徴、どういった飲み方に適しているかを知ることができる。この通路を歩くと、焙煎機のなかで豆が爆ぜるパチパチという音が聞こえてくる
焙煎機のカットモデルでその仕組みを展示
「5. 抽出」
ペーパーフィルター、パーコレーター、エスプレッソ、サイフォンなど、コーヒーの味わいを決めるさまざまな淹れ方や、そのための道具などの展示
古今東西のさまざまな器具が並ぶ。中央の小さなものは第一次世界大戦のドイツ軍の携帯用コーヒーミル。戦時下ではコーヒー豆は希少で、ほかの豆類などを焙煎した代用コーヒーも盛んに飲まれた
コーヒーメーカーにも驚くほど種類があるのを知ることができる
「6. 文化」。いつの時代も人々に愛され、生活を彩ってきたコーヒーの文化を学ぶ
コーヒーカップの歴史がひと目で分かるコーナー。背景がオレンジのものは約300年前の有田焼など日本から輸出されたコーヒーカップ。青い背景のものは約250年前のマイセンなど、ようやくヨーロッパで磁器が製造できるになった頃のものだそう
コーヒーが登場する書籍や絵画など、コーヒーが育んできた文化の一端に触れるコーナー。休憩スポットとしても利用できる
「7. 未来」
コーヒー産業が抱える課題を知り、「コーヒーのあるあたり前の未来」を考えるきっかけとなる展示や、新しいコーヒーの楽しみ方など、未来を予感させる展示も
子供など、普段コーヒーを飲まない人でも楽しめる「コーヒータイプ診断コーナー」。いくつかの質問にマークシート形式で答えると、自分の好みの“コーヒーモンスター”が登場する
筆者もやってみた。結果は「ブラジジル」で、苦み、酸味、コク、まろやかさのバランスが取れている味。確かに好みどおりで、また予想どおりだった。結果のスタンプを押して持ち帰ろう。なお、カード裏面のQRからもっと具体的な説明にアクセスできる

コーヒーラウンジでペアリングを体験!(要予約、有料)

 1階コーヒーラウンジ(Lounge by UCC COFFEE ACADEMY)では、UCCグループのコーヒーのプロフェッショナルによる、コーヒーとフード・スイーツのペアリングを体験できる。

イントロダクションコース(2200円、約25分)

 複数の産地のコーヒー豆を配合する「ブレンド」は身近で奥深いもの。このコースでは、ブレンドとそれを構成する3種類の産地のコーヒーそれぞれの香りと味の違いを知り、次に3種類それぞれの美味しさを引き立てるフードやスイーツとペアリングし、味わいの変化や広がりを確かめる。最後に、ブレンドコーヒーに最適なスイーツとのペアリングを楽しみながら、完成したブレンドコーヒーの味の重なりや奥深さを実感できる。

ディスカバリーコース(3300円、約45分)

 コーヒーは産地や品種、精製方法の違いによって、フルーツのような香りややさしい甘みなど、非常に多彩な個性を持っている。そんな多様な香りと味わいをテイスティングし、自分好みのコーヒーとの出会いを体験。正解はなく、自分の「好き」を見つけることで日常のコーヒーの楽しみがさらに増える。また、それぞれのコーヒーと、フード・スイーツのペアリング体験もできる。

Lounge by UCC COFFEE ACADEMY(コーヒーラウンジ)。お酒でも出てきそうな雰囲気だが、静かにじっくりと味と香りに集中することができる
筆者も「イントロダクションコース」を体験!
左から「COFFEE MUSEUM BLEND」と、それを構成する「エチオピア」「コロンビア」「ブラジル」。それぞれの香りと味を確かめ、フード・スイーツとのペアリングを体験。コーヒーの新たな発見がある、記憶に残る時間となった

ペーパードリップ・ブレンドづくり・3Dラテアート体験!(要予約、有料)

 初心者からコーヒーを仕事にしたい人までが体系的に学べるコーヒー専門教育機関「UCCコーヒーアカデミー」の一部機能を体験できる場として、Cube by UCC COFFEE ACADEMY(ワークショップ)を実施する。ペーパードリップ体験、オリジナルブレンドを見つけだすブレンドづくり体験、キュートな見た目で子供も熱中できる3Dラテアート体験を用意しており、コーヒー好きの大人はもちろん、コーヒーが飲めない子供まで、誰もが楽しめるラインアップだ。

Cube by UCC COFFEE ACADEMY(ワークショップ)。「ペーパードリップ体験」「ブレンドづくり体験」「3Dラテアート体験」(料金1650円~)ができる
3つの体験すべてにそれぞれ講師がついて丁寧に教えてくれる
「ペーパードリップ体験」のに使う器具。ハンドドリップの正しい手順や知識を習得して、家でのコーヒーの味わいを高めたい!という方も多いはず
「オリジナルブレンドづくり体験」は、5種類のコーヒーの配合をかえて自分の好みのブレンドを探すというもの。家ではなかなかできない貴重な体験だ
このなかからスプーン計5杯分の豆を選び、ミルで挽いてコーヒーを淹れる。配合を変えて好みの味に近づけていく
「3Dラテアート体験」の器具。お母さんも子供も楽しめる体験だ
ミルクを泡立てるのは、UCC COFFEE MUSEUM館員の水川佐保さん
60℃のミルクをしっかり泡立てるとご覧のようにメレンゲ状になる。コーヒーの上に乗せた泡の上に慎重に乗せていく
小さなスプーンを使えば、かなりこまやかなデコレーションもOK
形ができたら、濃く淹れたコーヒーを竹串に付けちょんちょんと付けていく
水川先生のお手本。ちなみに筆者もマネしてみたが、溶けかけた雪だるまのようになってしまったので写真は撮らなかった。牛乳を泡立てる器具さえあれば家庭でもチャレンジできるのでしっかり学ぼう

多彩なアイテムが揃うミュージアムショップ(入館予約不要)

 ミュージアムショップは、セレクトされたコーヒーやコーヒーの木、コーヒーを楽しむための道具、UCCオリジナル商品など多彩なアイテムを揃える。UCCコーヒー博物館を訪れて体験し、学んだ記憶を、形にして持ち帰ることができる。また、ここのみ、来館予約が不要で、誰でもいつでも買い物ができる。

 なお、オススメのオリジナルグッズは「COFFEE MUSEUM BLEND」(豆・粉・ワンドリップ)と、コーヒーラウンジでブレンドとペアリング体験した「UCCコーヒー博物館リーフクッキー」、UCCミルクコーヒーデザインのオリジナルグッス(巨大抱き枕、マイボトル、コーヒースプーン、エコバッグ、ペンポーチ、靴下など)、そしてコーヒーの苗木とのこと。ちなみに筆者はUCCミルクコーヒーデザインのエコバッグと、コーヒーの苗木を1本買った。苗木は、順調に育てば4年目くらいで最初の実をつけるという。

UCCオリジナルグッズなどが並ぶミュージアムショップ
COFFEE MUSEUM BLEND(豆・粉・ワンドリップ)と、神戸発の老舗洋菓子ブランド「モロゾフ」のスイーツ。コーヒーラウンジでペアリングした組み合わせを自宅でそのまま楽しめる
誰もが飲んだことがある「UCCオリジナル缶コーヒー」の抱き枕やペンケース、ポットなどのグッズも。筆者もエコバッグを購入
コーヒービュッフェ。日常のさまざまなシーンに合うコーヒーを小さなパッケージにまとめた。お土産にも喜ばれそうだ
「コーヒーの木」の苗。育てるのは難しいか尋ねたところ、サルでも育てられる(意訳)とのことだったので筆者も1本購入。家のなかで、直射日光を当てないように寒過ぎないように育てると4~5年くらいでコーヒーチェリーが実るという。元気のよさそうな1本を連れて帰ろう
UCCオリジナルグッズや、ワークショップでつかったミルクを泡立てる「クリーマーキュート」なども売っている

UCCコーヒー博物館 リニューアルオープンについて

 6月25日の内覧会では、UCC上島珈琲 代表取締役社長の上島昌佐郎氏が主催あいさつ、次いでサステナビリティ経営推進本部 本部長の里見陵氏と、UCCコーヒー博物館 館長の栄秀文氏がリニューアル概要説明を行なった。

 上島社長は冒頭、今回のリニューアルについて「コーヒー好きの方はもちろん、お子様も含めたすべての方が学び・楽しめるコーヒーのテーマパークをコンセプトにしました」と述べ、従来からあった「農園からカップまで」の一連のプロセスを学べる専門性のある展示内容に加えて、コーヒーの未来や科学を楽しく学べるコーナーなどの新設のほか、多彩な体験コンテンツを用意していると話した。

 また、今回のUCCコーヒー博物館のリニューアルに加えて、隣接した「UCCイノベーションセンター」「UCCコーヒーアカデミー」「UCC神戸本社」という、UCCグループのノウハウ、技術、人材が集積しているこの地をまとめて「UCCコーヒービレッジ」と名付けたと発表した。

「世界中を見ても、このようにコーヒーにのみ特化した施設が隣接して、コーヒーに関するすべてのことが1か所で学べて、体験できて、楽しめて、かつコーヒーの新たなイノベーションが想像できる場所はないのではないかと自負しています」と上島社長。この神戸コーヒービレッジで、国内外のあらゆる人に、コーヒーの美味しさ、楽しさ、素晴らしさ、そしてコーヒーの持つ可能性を感じてもらい、少しでも多くの人にコーヒーファンになってほしいと語った。

UCC上島珈琲株式会社 代表取締役社長 上島昌佐郎氏

 続いて、里見本部長がリニューアルの概要を説明した。里見氏によると、UCCコーヒー博物館はコロナ禍を受けて2020年3月にいったん休館していたが、その後もずっと、どう再開するかについて悩んでいたという。「開設から39年経ち、老朽化し、外観も特徴的。コーヒーの歴史を中心とした展示内容は、格式はあるものの重さや冷たさもあったのではないかと思いました」。リニューアルの責任者として、変えない部分と変える部分をどう選り分け、どう融合させるか、“継承と創造”について悩んだという。

「コーヒー好きなら(UCCコーヒー博物館に)行ってないとムリやろ」という場所にしたいと思った里見氏。その後、リニューアルプロジェクトの20代女性メンバーから出た「コーヒーのテーマパークにしよう」という意見を議論していくうちに構想がまとまりはじめ、コーヒー好きと、これからコーヒー好きになるすべての人に楽しんでもらえるような場所にしようと考えて具体化していったという。

サステナビリティ経営推進本部 本部長 里見陵氏。UCCコーヒー博物館リニューアルの背景やコンセプトなどを説明

 栄秀文館長は、リニューアル後のUCCコーヒー博物館の見どころを説明。「一つは、コーヒーの科学と未来が分かる体験ラボの新設です。そしてもう一つは、最高峰のコーヒー体験からお子様でも楽しめる体験コンテンツです」。前者のポイントは、UCCの研究開発の知見を活かしたコーヒーのサイエンス、そしてサステナビリティを紐解いたような体験ができること、そして後者のポイントは、コーヒーの価値観が変わるフードペアリング、ドリップ体験、ブレンドづくり体験、3Dラテアート体験といった多彩なコンテンツを用意していることだと述べた。

 さらに「外観についても、温かみが感じられるようなものに改修しておりますし、ミュージアムショップの売場面積も3倍に増床し、ここでしか変えないようなオリジナルグッズもたくさん用意しました」とのこと。最後に、ぜひ新しい博物館を楽しんでほしいと話した。

館長の栄秀文氏は、新しくなったUCCコーヒー博物館の見どころやポイントなどを説明した
外構の変更点についての質問には、「建物そのものは大きく変えられないが、のぼりを立てたり、コーヒーの産地付近の植物を取り入れた植栽に変更したりして雰囲気を大きく変えた」と回答した