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黒部宇奈月キャニオンルート、10月から一般公開。見学ツアーの造成開始、黒部峡谷トロッコ電車の復旧工事が本格スタート

7月上旬までに正式発表

2026年5月14日 発表
富山県が「黒部宇奈月キャニオンルート」の現状について定例記者会見で説明

 富山県は、黒部峡谷の欅平から黒部ダムを結ぶ新観光ルート「黒部宇奈月キャニオンルート」について、2026年10月の一般開放を目指すと発表した。

 鍵となる黒部峡谷鉄道・トロッコ電車の全線開通見通しは7月上旬までに公表予定としているが、「鐘釣橋」復旧のめどが立っているとのこと。正式な全線開通時期が公表され次第、旅行商品(見学ツアー)の販売も一斉に開始する。

度重なる公開延期とこれまでの経緯

 当初、黒部宇奈月キャニオンルートは2024年6月30日の一般開放を予定しており、同年1月末に旅行商品の販売が開始される予定だった。しかし、直前に発生した能登半島地震における落石で、すでに観光客向けに営業運転を行なっていた黒部峡谷鉄道の「鐘釣橋」が損傷。新ルートの出発点となる欅平駅へのアクセスが絶たれたことで、何度も公開延期となっている。詳細な時系列は以下のとおり。

2024年1月

 能登半島地震が発生。鐘釣橋への落石被害により、一般開放をまずは6月開始予定から10月へと延期した。

2024年5月

 雪解け後の詳細な現地調査で、東鐘釣山斜面などの損傷が想定以上に深刻であることが判明。復旧に時間を要するため、2024年度内の一般開放を断念した。

2024年12月

 東鐘釣山周辺で、抜本的な落石防止対策工事が必要と判断。2025年中の開放も見送り、2026年以降への延期が決定した。

 その後、2025年春にも雪崩の影響とみられる斜面崩落等が確認されるなど、困難な復旧作業が続いていた。

 しかし2026年5月から、関西電力と黒部峡谷鉄道が本格的な復旧工事を進めており、順調に進めば2026年中(10月ごろ)に宇奈月〜欅平間の全線開通が実現する見込み。JTB富山支店などが旅行商品の造成を開始している。

黒部宇奈月キャニオンルートの位置図

黒部宇奈月キャニオンルートはどんな観光スポット?

 黒部宇奈月キャニオンルートとは、欅平から黒部ダムまでを結ぶ約18kmの新たな観光周遊ルートのこと。電源開発施設の保守・管理のため、昭和初期から関係者のみが利用してきた工事用ルートを一般開放する。

 ツアーの参加者は、工事用トロッコや「竪坑エレベーター」「インクライン」などの重機を乗り継いで進む。現在でも約40℃を保つ「高熱隧道」などの地底の電源施設を見学できるほか、「裏剱(剱岳)」の絶景を望めるという。

 安全対策として、全行程に専門ガイド、安全添乗員、警備員が同行するほか、参加者は工事用ヘルメットの着用が義務付けられる。工事用ヘルメットは新モデルを導入し、以前の白一色のものから「難工事の頃の色・デザイン」を忠実に復刻しているとのこと。

黒部宇奈月キャニオンルートの見どころ

旅行商品 全4コースの行程と販売価格

 ツアーは全4コース(1泊2日)を設定予定。初年度の販売枠は約2700人に限定する。

コース名(発着地)宿泊パターン主な行程催行頻度と定員
Aコース(宇奈月発・第1便)前日:宇奈月温泉泊宇奈月→欅平→キャニオンルート→黒部ダム週2回・30人
Bコース(宇奈月発・第2便)前日:富山駅周辺泊富山→宇奈月→キャニオンルート→黒部ダム毎日・20人
Cコース(黒部ダム発・第1便)前日:大町温泉郷泊扇沢→黒部ダム→キャニオンルート→欅平→宇奈月(解散)週2回・30人
Dコース(黒部ダム発・第2便)当日:宇奈月温泉泊立山駅→アルペンルート→黒部ダム→キャニオンルート→欅平→宇奈月(宿泊)毎日・20人

※Bコースは、富山地方鉄道立山線の観光列車「アルプスエキスプレス」などを利用した地域連携オプションを設定

 料金例として、Dコースを平日2名1室で利用した場合、1人あたり13万円台からとなる見込み。この料金には、宿泊費、各公共交通機関の運賃、キャニオンルート内の移動経費、専門ガイド料、食事、事前学習会費用が含まれるオールインクルーシブ方式となっている。

旅行商品の詳細(定例記者会見資料より)※画像を開いてからクリックで拡大