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スカイマーク、737 MAXで新デザイン導入。新しいタイプのシート導入も
2025年12月15日 16:03
- 2025年12月15日 実施
スカイマークは12月15日、導入予定の新機材、ボーイング 737-8型機と737-10型機のデザインを公開した。
従来のブルーの尾翼にイエローの星がきらめく意匠はそのままに、そのブルーを機体下部まで貫くように拡張、「最新機種の躍動感とともに、新たなフェーズへ前進する意志を表現」したという。ウイングレットのハートマークは1つから2つに増えている。
737-8型機の初号機は2026年3月に受領予定、2号機は7月ごろ、3号機は年末ごろの見込みで、737-10型機は型式証明の取得に向けて現在もボーイングが調整を進めている(スカイマークは2027年度受領予定)。
737-8型機は現行の737-800型機と全長(39.5m)や席数(177席)は同一ながら、エンジンはCFMの「LEAP-1B」へ更新しており、航続距離は5440kmから6480kmへ伸長、燃費は約15%の削減を達成している。
同日羽田空港の本社で行なった説明会には代表取締役社長執行役員の本橋学氏と取締役専務執行役員の荒牧秀知氏が出席し、新機材では新しいシートを導入することを明らかにした。
なお、737-10型機は最大210席仕様で航続距離は5740km。約19%の燃費を削減する。座席数向上で取りこぼし需要の獲得を目指すという。
一方、現在第3回まで実施している「国内航空のあり方に関する有識者会議」における指摘や意見交換などを経て本邦航空会社の国内線事業を俯瞰すると、2021年ごろから国内旅行需要が急激に高まっている半面、航空券の単価の上昇はわずかで、コストの上昇に見合わない構造的な課題を抱えた状態が長く続いている。
スカイマークの国内旅客収入の割合は97%で、ほか中堅3社(AIRDO、ソラシドエア、スターフライヤー)も同様と見られる。マイル・ライフ事業やEコマース事業など非航空領域の収入が3分の2を占める大手2社(ANA、JAL)と状況は大きく異なり、円安・原油高・海外のインフレなどコストの高騰に対して、それを単純に運賃に転嫁できない市場との板挟みになっているという。
こうした危機の一端について、同社は「大手による幹線も含めた大規模かつ継続的なセールにより単価上昇余地が低下」と指摘しており、セールありきの価格競争が航空ネットワークの持続可能性を毀損しかねないと懸念を表明している(ただし、この指摘は国土交通省 航空局が「期間を限定した販売であり、略奪的運賃には該当しない」との判断を示している)。
もっとも、スカイマークとしてもコロナ禍を経て国内線一本槍では事業リスクが潜在していることを承知しており、大手のマイル事業とは異なる形でポイントサービスの導入を模索しているという。
こうした背景から、運休中のサイパン線など国際線の再開については見通しは明らかではないものの、2025年は神戸~台湾のチャーター便(計7本)を10月に実施してほぼ満席という実績を得ており、特にインバウンド需要の強さを実感したとのこと。サイパンに限らず、しっかりと収益を上げられる路線の選定が必要との方針を示している。
なお、2026年はスカイマークの創業30周年にあたり、同社の就航している神戸空港が開港20周年、新千歳空港が開港100周年で、スカイマークの羽田~神戸線、羽田~新千歳線もともに就航20周年を迎える。本橋氏は現況を一気に好転させる要因はないものの、定時性と顧客満足を追求する「スカイマークらしさ」を堅持したいとコメントしている。
【お詫びと訂正】初出時、登壇者に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。


























