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マリオットの最上級ラグジュアリー「JWマリオット・ホテル東京」を見てきた。アート作品のような光のコントラストが美しいホテル

2025年10月23日 実施
ラグジュアリーホテル「JWマリオット・ホテル東京」の客室「アーバンデラックス キング」。ベッドが窓向きに配置されている

 東京高輪の新しい街「TAKANAWA GATEWAY CITY」に、マリオット・インターナショナルのラグジュアリーホテル「JWマリオット・ホテル東京」(東京都港区高輪2-21-2)が10月2日に開業している。そのグランドオープニングイベントと内覧会が10月23日に開催された。

 施設はスイートを含む200室のゲストルームのほか、レストラン、ロビーラウンジ、バー、屋内プール、フィットネス、スパなどを備えており、総支配人はクリストファー・クラーク氏。

「TAKANAWA GATEWAY CITY」の「THE LINKPILLAR 1」の「South」。左下側が高輪ゲートウェイ駅の改札になる
「THE LINKPILLAR 1」の「South」28階から30階に「JWマリオット・ホテル東京」が入る

 所在地は高輪ゲートウェイ駅直結の「TAKANAWA GATEWAY CITY」にある「THE LINKPILLAR 1(ザ・リンクピラー・ワン)」という超高層複合施設「South」側で、28階~30階に入居している。ビル3棟をまたぐ商業施設「ニュウマン高輪(NEWoMan TAKANAWA)」とも隣接する。高輪ゲートウェイ駅が最寄り駅だが、南側の品川駅寄りに位置するため、こちらからも徒歩圏内となっていてアクセスは良好だ。羽田空港からはクルマで約20分。

ビル上部には、ホテル名称が入っている
「South(左)」と「North(右)」で構成される「THE LINKPILLAR 1」

創業者の名を冠するフラグシップ「JWマリオット」

「JWマリオット」は創業者ジョン・ウィラード・マリオットの名を冠し、静寂やウェルネスを重視した洗練された滞在と「心温まるエレガンス」をコンセプトに掲げた、マリオット最上級のブランド。首都圏初進出、国内では2020年開業の「JWマリオット・ホテル奈良」に次ぐ2軒目のフラグシップホテルとなる。

改札口から直結するのは2階になる
見落としてしまいそうな、さりげないエントランス
2階のエントランスホール
2階エレベーターホール。ここからレセプションのある30階まで上がる
各階の案内版
1階のエントランスへの案内。ここには車寄せがある
1階エントランス
奥にはオブジェがある
案内のスタッフが常駐する

 インテリアデザインは世界的なスタジオ「Yabu Pushelberg(ヤブ・プッシェルバーグ)」が手がけており、ホテル内全体がまるでアート作品のよう。ダークで落ち着く空間と外光を取り入れた明るい空間のメリハリが強く、計算された光のコントラストが、気持ちを落ち着かせる場所と心が踊る場所を明確に分けている。江戸時代の名勝として知られる高輪御殿山の情景や、禅の庭園に着想を得たというインテリアが空間を彩っている。

ちょっとした待合スペースになっているホテルアライバル
ここ高輪から見た富士山がモチーフのシャンデリア

 1階もしくは2階のエントランスから入ると、エレベーターで30階のレセプションまで上がる動線となっている。30階には広いロビーラウンジ「JWラウンジ」がある。

エレベーターホールは、異世界のような空間
エレベーターのカゴ内床には、月がさす美しいデザイン
30階ロビーラウンジ「JWラウンジ」
ラウンジ中央には大きな暖炉
レセプションカウンター天井は鳥獣戯画からインスパイアされた鎌倉彫のアート
ラウンジ横に「ツリーハウス」という宙に浮いたフロアの囲われ感のある空間がある
ロビーラウンジの一角にはクロワッサン・バーの「ル・クレス(Le Cres)」
JWマリオットロゴマークのグリフィン像
30階と29階をつなぐらせん階段。陰影が美しい

 スイートを含む全200室のゲストルームは、ハデな装飾はそぎ落とされ、禅から着想を得たという深い藍と琥珀を基調としたデザインが特徴で、心落ち着く空間となっている。

 ゲストルームのうち9室は、ウェルネス体験に特化した「JWマインドフルルーム」としてのプランを用意する。マインドフルネスをテーマにした特別なしつらえや専用プログラムを用意しており、心と身体の調和をサポートするという。

 今回内覧できたのは、もっとも部屋数が多いシティビューの「アーバンデラックス」の2部屋。1キングベッドの「アーバンデラックス キング(64室)」と2ダブルベッドの「アーバンデラックス ツイン(40室)」で、どちらも客室面積は43m2、最大収容人数は3名。チェックインは15時、チェックアウトは12時になっている。「キング」は、ベッドが窓を向くように斜めに配置されているのが特徴的だ。

 宿泊料金は変動するが、参考までに11月平日の宿泊を朝食付きパッケージ料金(大人2名と12歳以下の子供の朝食付き)で検索してみると、「アーバンデラックス」の2部屋は同じ室料で11万5000円。税とサービス料込みで14万5675円だった。

2ダブルベッドの「アーバンデラックス ツイン」
窓も広く、ソファとテーブルもある
1キングベッドの「アーバンデラックス キング」
「アーバンデラックス キング」はベッドが窓を向くように斜めに配置される
洗面とシャワー。浴槽とレインシャワーがある
トイレは別室
ミニバーがある
ネスプレッソとミネラルウォーター
飲料の食器など

付帯施設

 今回は屋内の温水プールが見学できた。宿泊者は無料で利用できる。ほかにもスパ「SPA by JW」、24時間利用可能なフィットネスセンター、日本初の270度可動式LEDウォールを完備した宴会場(バンケット)も完備する。

屋内プール
反対方向から
パノラマビューが楽しめる
ジャグジーもある
ロッカールーム
アメニティ類
ダイソンのドライヤー

 レストランとバーは、本格和食のメインダイニング「華香(Kakō)」とミシュランシェフ2名が監修する割烹「咲(Saki)」、モダン地中海料理の「セフィーノ(Sefiino)」、パノラマビューが楽しめる「JWバー」、ポップアップバー「4-0-3」などがある。

29階の本格和食のメインダイニング「華香(Kakō)」は、30階まで吹き抜けている
中央のスペースには、ラウンジ横の「ツリーハウス」が上に浮かぶ
一部がオープンキッチンになっている
眺望のよいスペースもある
ランチコースメニュー「慶香」(1万2000円)。小鉢(菊菜お浸し 春菊 黄菊 蟹、蓮根金平、秋刀魚山椒煮 大根)、御造り(鰹と天然鯛 妻いろいろ)、焼き物(太刀魚塩焼き 薩摩芋檸檬煮 酢取り野菜)、煮物(黒豚角煮 茸あん 隠元 生姜)、揚げ物(穴子の春巻き 舞茸の香煎 茄子)、食事(新米 味噌汁 香の物)、水菓子(ほうじ茶ゼリー 薩摩芋チップ)

「華香(Kakō)」料理長の豊崎修二郎氏は、「ホテル内の和食店のため、訪れる海外の方々に和食を広めていきたいという気持ちを持っているのですが、和食から離れがちな国内の若い人にも、もっと和食を食べていただいて、文化を継承していけたらとも思っています。それもあり、ランチメニューではマグロのカツを加えるなど、若い人に好まれるメニューも工夫してみています」と語っていた。

 若い人には少し敷居が高く感じるかもしれないが、和食ならテーブルマナーも臆せず楽しめるはず。現在はコースのみの提供になっているが、いずれアラカルトも揃えたいとのことだ。

「華香(Kakō)」料理長 豊崎修二郎氏
一部分が区切られていて割烹「咲(Saki)」となっている
29階のモダン地中海料理「セフィーノ(Sefiino)」
とてもよい眺望。フランス、イタリア、スペインの料理が楽しめる
窓からかすかに富士山が見えた
個室も用意されている
こちらは通路にもなっている暗めのスペース
30階にある「JWバー」
U字形のバーカウンター
カウンターから都内を一望できる
ポップアップバー「4-0-3」
現在はサントリー「響」のポップアップを行なっている

デイヴィッド・マリオット会長「JWマリオットの思いやりに満ちたサービスは祖父母が実践していたもの」

 グランドオープニングイベントでは、マリオット家出身のマリオット・インターナショナル取締役会 会長のデイヴィッド・マリオット氏が登壇し、およそ1世紀前に祖父母にあたるジョン・ウィラード・マリオット氏とアリス・S・マリオット氏が、ワシントン・DCでわずか9席のルートビアスタンドを開業したことから事業が始まったこと、祖父母のシンプルな理念「従業員を大切にすれば、従業員がお客さまを大切にし、お客さまは何度でも戻ってきてくださる」という理念を基盤に事業発展させ、現在では、JWマリオットブランドで136軒を展開するまで成長したという歴史を紹介した。「JWマリオットブランドは、思いやりに満ちたサービスとホスピタリティを目指していて、それはまさに祖父母が実践していたやり方と同じです」と語った。

オープニングは「和太鼓奏者TAKERU~猛~」の和太鼓演奏から
マリオット・インターナショナル取締役会 会長 デイヴィッド・マリオット氏

 続いて、マリオット・インターナショナル 社長兼最高経営責任者のアンソニー・カプアーノ氏が、マリオットが年末までに29都道府県にわたり、22のブランドを展開する予定であることを紹介しつつ、マリオットブランドは、マインドフルネス、ウェルビーイング、そして文化的真正性に根ざした、現代的ラグジュアリーの未来を体験するものであり、この「JWマリオット・ホテル東京」こそが、モダンラグジュアリーを完璧に表現した存在だと語った。

マリオット・インターナショナル 社長兼最高経営責任者 アンソニー・カプアーノ氏

 来賓として登壇した、東日本旅客鉄道 代表取締役社長の喜㔟陽一氏は、この高輪ゲートウェイシティが、およそ150年前に日本で初めて鉄道が走った、近代日本のイノベーションの始まりの地であり、歴史的な系譜を受け継ぎ町の開発を進めていることを説明しつつ、「我々の未来はまさにこの地から始まります。JWマリオットが国内外からこの町に訪れる多くの人々に、この町でしか体験できない高品質な価値を創出していただくことを通じ、高輪の魅力を一層高めていただくことを願います」とあいさつした。

東日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 喜㔟陽一氏

 また、小池百合子都知事から「日本を訪れる外国人旅行者数が過去最多を更新するなか、このような素晴らしいロケーションに世界的なホテルブランドが開業されることは、東京の国際的なプレゼンスをさらに向上させてくれるものと確信しております。江戸から続く伝統と最先端の確信が共存し、多彩な魅力にあふれる東京を世界で1番の観光都市へと飛躍させていくため、今後も全力で取り組んでまいります」との祝電があり、代読された。

 最後には、ユニティ・プランティング・セレモニーとして、一同でじょうろを使って植物に水を加えるセレモニーを行なった。

じょうろを使って植物に水を加えるユニティ・プランティング・セレモニー。写真左から、マリオット・インターナショナル日本・グアム担当マーケットヴァイスプレジデント 田中雄司氏、マリオット・インターナショナルアジア太平洋地域(中国除く)プレジデント ラジーブ・メノン氏、マリオット・インターナショナル 社長兼最高経営責任者 アンソニー・カプアーノ氏、マリオット・インターナショナル取締役会会長 デイヴィッド・マリオット氏、東日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 喜㔟陽一氏、マリオット・インターナショナル 財務・開発担当 ヴァイスプレジデント リーニー・オーバーグ氏、JWマリオット・ホテル東京 総支配人 クリストファー・クラーク氏
JWマリオット・ホテル東京 総支配人 クリストファー・クラーク氏

 現在、オープンを記念して12月19日までの期間「グランドオープン記念ステイ」プランを用意している。朝食が毎日2名分付き、到着時にJWエクスクルーシブ日本酒のウェルカムアメニティを提供する。