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JALの「2016 初日の出・初富士フライト」で高度8000mからいち早く初日の出を拝む
朝日に輝く富士山も観賞
(2016/1/1 17:46)
- 2016年1月1日 実施
JAL(日本航空)は1月1日、初日の出と初富士を飛行機から鑑賞するツアー「2016 初日の出・初富士フライト」を開催した。羽田空港発と成田空港発の2つの周遊ツアーが設定されており、2016年で8年目となる成田空港発のツアーに同行したのでレポートする。
成田空港発のツアーは、成田国際空港とジャルパックの共催で実施された。ルートは成田空港を6時に離陸し、館山沖から日本で初日の出を鑑賞。高度を下げつつ下田方向へ旋回し、朝日に輝く富士山を楽しんだあと、浜松の手前で東に転回、大島、三宅島の上空を通り、東側から成田に着陸する周遊ルート。2015年に実施されたツアーから経路を変更し「初日の出と照らされた富士山を左右から楽しめるようにした」(JALの広報担当者)とのこと。
便名は平成28年1月1日にちなんで「JL2811便」。国際線仕様のボーイング 777-300ER「JAL SKY SUITE 777」を使用して運行された。旅行代金はエコノミークラスで窓側から2席で7万1000円(2名代金)、ファーストクラスでは16万円(2名代金)。例年人気のツアーとなっており、2016年分は販売開始から20~30分で窓際の席が完売したという。
出発前には、2015年12月17日に運用が開始されたばかりの第2ターミナルの新搭乗口前のスペースで、成田国際空港のイメージキャラクター「クウタン」と成田市観光キャラクター「うなりくん」がお出迎え。獅子舞によるパフォーマンスが披露された。出発前に挨拶したJALの代表取締役副社長 佐藤信博氏は「初日の出フライトを多数のお客様にご利用頂けることを本当にありがたく思っています。世界一愛され、信頼される航空会社になるべく、全社員一致団結して努力をしてゆく所存でございます」と抱負を表明した。
JL2811便は参加者228名(うち幼児2名)を乗せ、定刻の6時ちょうどに離陸。シートベルトサインの消灯後、ジャルパックの藤田克己社長が挨拶。藤田氏は「成田空港は6時から離陸できる空港となりますので、本機がまさに2016年の第1便となります。とても記念になるフライトではないかと思います。この機材は国際線で使用しております、一番新しい機材となります。最新鋭の機材を皆様方にご堪能頂ければと思います。すべての皆様方に今年一年、また、幸多いことをお祈り申し上げております」と述べた。その後、参加者全員にJALの佐藤副社長とジャルパックの藤田社長より搭乗証明書が手渡された。
6時10分頃には藤岡誠司機長のアナウンスにより、高度8000m(2万6000フィート)の地点に到達したことが案内された。高度によって日の出の時刻が変わり、この日の日の出の時刻は高度8000m地点で6時30分となり、日本では誰よりも早く初日の出を拝むことができるという。初日の出フライトの飛行機は、6時34分の日の出に合わせて4000mまで高度を下げ、日の出の瞬間をより長く楽しめるように飛行した。
藤田社長から挨拶があった6時5分頃から空には曙光が射し始め、6時20分頃には翼の下に見える雲海全体が朝焼けに染まった。6時38分頃、右側の空から太陽がその姿を現すと機内はオレンジ色に染まり、乗客達は座席から乗り出すように右側の空を眺めていた。
6時40分頃、飛行機は東に向けて旋回し、静岡の方向を目指した。眼下には三浦半島が姿を見せた。この日の天気は晴れということで、雲は少なく半島の形状がはっきりと確認できた。
7時前には富士山の南方の駿河湾海上に到達。乗客達は初日の出に照らされて赤く染まった富士を楽しんだ。
富士山を過ぎて浜松手前で飛行機は進路を反転、大島、三宅島上空を経由して成田空港を目指した。機内ではプレゼント大会が開催された。商品は1等から13等まで。1等(JALPAK国内旅行券3万円分)、2等(ザ・プリンス さくらタワー東京 ペア宿泊券)、3等(東京ディズニーリゾート ワンデーパスポート2枚)を当てた乗客には佐藤副社長から賞品が手渡された。
乗客向けに配られた弁当は特製の祝い膳。紅白なますのイクラ添えや海老芝煮、伊達巻や数の子、栗きんとんなどが盛り込まれ、飾り寿司には大根で作られた鶴が舞っていた。また、成田空港とJALのロゴが焼き印された紅白まんじゅうも配られた。
7時半頃シートベルトサインが点灯。飛行機は成田空港に向けて降下を開始した。すっかり明るくなった成田空港に7時45分に着陸。成田空港を離陸して1時間45分、乗客は再び成田空港の66番搭乗口へ降り立った。
着陸後の囲み取材でJALの佐藤副社長は、「天候の恵まれたフライトになりました。到着後にご挨拶をしたときに、お客様から温かいお声掛け頂いて、こんなにうれしいことはありません」と、明るい顔で語った。2016年をどんな年にしたいか問われると「中期経営計画の最終年度となる大切な年、2016年を乗り切れば、2020年、2030年に向けてJALグループの明るい未来が見えてくるのではないかと思います。とにかく、今年が勝負ですね」と決意を示した。
【お詫びと訂正】記事初出時、日本航空のスタッフのお名前に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。