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NEXCO東日本、定例会見にて外環道工事現場での杭打ち機転倒を陳謝

開通時期への影響は調査中

2015年12月2日 実施

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は12月2日、2015年度7回目となる定例記者会見を開催。冒頭、NEXCO東日本 代表取締役社長 廣瀨博氏が、11月21日に発生した外環道の大泉JCT(ジャンクション)内で発生した、杭打ち機の転倒事故に関して陳謝した。この事故で外環道 内回り 和光IC(インターチェンジ)~大泉JCT間が10時10分~21時45分に通行止めとなったが、事故による死傷者は発生していない。詳しい事故原因は調査中とのことだが、脆弱地盤による地盤沈下により転倒が発生したとみられている。

 さらに、10月31日に開通した圏央道 桶川北本IC~白岡菖蒲IC間のうち、桶川加納IC~白岡菖蒲ICの1日平均の交通量の速報値や、年末年始の渋滞予測についても説明が行なわれた。

東日本高速道路株式会社 代表取締役社長 廣瀨博氏

 廣瀨氏は事故の再発防止と工事の安全確保を改めて取り組むとし、次のように述べた。「11月21日9時50分頃、外環道 大泉JCT内におきまして、杭打ち機の転倒により、外環道 内回りのランプを塞ぎ長時間通行止めになる状況が生じました。通行されるお客様や周辺住民の方々など、多くの皆様に大変なご迷惑をお掛けいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。

 今回の事故は、外環道を関越道から東名高速まで延伸する事業の一環で実施している大泉JCT内の工事において発生したものです。事故が発生した際の状況としては次のようなものです。シールドトンネルを掘削するシールドマシンの組み立て設備の基礎を施工中に発生したものです。施工場所は非常に狭くなっているため、基礎の工事には杭打ち機を使用しておりました。この杭打ち機を施工箇所まで移動し、位置を調整していたところ、杭打ち機がバランスを崩して転倒いたしました。92本の杭を打つ予定となっており、50本目の杭を打ち込むべく作業を開始したところ本事故が発生いたしました。この事故に伴う負傷者は誠に幸いなことに1人も出ませんでした。これは誠に不幸中の幸いなことでした。杭打ち機が転倒した際に仮設の工事現場の目隠し板の支柱が停車中の乗用車1台に接触するという物損が発生しましたが、被害はそれに留まっております。

シールドマシンの組み立て設備の概念図
転倒した杭打ち機に関して

 事故の原因については、現地で調査を行なっている段階のため、最終的な結論は出ておりませんが、現時点での推測として、杭打ち機の地盤の一部、左前側が沈下したことにより、杭打ち機がバランスを崩して転倒したのではないかと考えております。現地では、ボーリングやサウンディングの調査を行なっておりますが、その調査結果を踏まえて今後このような事故を2度と起こさないように再発防止に努めて参りたいと思います」

 この事故に関して、外環道の工期への影響に関して報道陣より質問された廣瀨氏は「現在調査中のため工期への影響についても不明」としながらも「1日も早く完成させるよう工事の安全に配慮しつつ取り組んで行く」と語った。

 次に圏央道 桶川北本IC~白岡菖蒲ICの開通3週間後の交通量について次のように説明を行なった。「10月31日に圏央道の桶川北本IC~白岡菖蒲ICが開通し、日本経済の大動脈である東名、中央、関越、東北道が直結して新たなネットワークが完成いたしました。開通区間の中間地点である桶川加納IC~白岡菖蒲IC間の交通量の速報値は、3週間で1日平均約3万3400台となっております。今回の開通で東北道の久喜白岡JCTから東名の海老名JCTへの所要時間が約60分短縮されています。観光や物流に大きく寄与していくものと思います」。

 続いて、10月の営業概要について、取締役兼常務執行役員 管理事業本部長 山内泰次氏と取締役兼常務執行役員 事業開発本部長 萩原隆一氏より以下のように解説があった。

東日本高速道路株式会社 取締役兼常務執行役員 管理事業本部長 山内泰次氏

 10月の通行台数、料金収入の速報値は、通行台数が1日平均約289万台(対前年比4.3%増)で、料金収入が713億2000万円(同3.8%増)となった。通行台数の要因として、山内泰氏は「圏央道の新規開通や常磐道の全線開通によるもののほか、2014年は10月に台風があり、この影響で2014年は通行台数が落ち込んでおりました。その反動として2015年は増加となっております。料金収入につきましては、通行台数の増加により連動して増加したものと考えます」と解説した。

東日本高速道路株式会社 取締役兼常務執行役員 事業開発本部長 萩原隆一氏

 SA/PAの売上高は約122億9100万円(対前年比同額)。分野別では、飲食・商品販売が約91億円で対前年比4.4%の増加、ガソリンスタンド部門は約31億9000万円で同10.7%の減少となっている。この要因として、萩原隆一氏は「飲食や商品販売では、2014年に比べて休日が1日多かったこと、天候に恵まれたことが要因となっていると考えます。ガソリンスタンドは給油数量は増加しているものの、リッター単価が30円ほど低下しているため、売上高は2014年を下回っています」と解説した。

 続いて、年末年始の渋滞について山内氏から説明が行なわれ、次のように述べた。「年末年始の渋滞予測は11月27日付けで発表(高速道路各社、年末年始の高速道路は1月2日~3日に渋滞が多く発生を参照)しております。12月26日~2016年1月4日の10日間で10km以上の渋滞は34回発生で、上りの渋滞のピークは1月2日と1月3日、下りは12月29日、30日となっています。上りの最大の渋滞は、1月2日の関越道 高坂SA(サービスエリア)付近を先頭に40km前後に達するのではないかと予測しています。同じく下りの最大の渋滞は、12月29日、30日の関越道 高坂SA付近で15km前後、1月2日、3日の東京湾アクアライン 木更津金田ICを先頭にして15km前後の渋滞が発生すると予測します。なお、この予測は天候や突発的な事故や故障車による影響は考慮していません。お出かけの際には、NEXCO東日本のWebサイトやハイウエイテレホン、ラジオなどリアルタイムの情報をご確認頂いて、できるだけ渋滞を避けてご利用頂ければと思います。特にこの期間は、降雪に見舞われることがありますので、雪道に備えて冬用タイヤの装着やタイヤチェーンの携行を行なって頂いて、急ハンドルや急ブレーキとならないように速度を控えめにし、十分な車間距離をとって安全運転をお願いいたします。なお『渋滞予報ガイド』がNEXCO東日本のWebサイトからダウンロードできますので、ご参照頂いてから渋滞のピークを避けるようルートや出発時間の選定をお願いいたします」。

(編集部:柴田 進)