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西武鉄道、生ビール2時間飲み放題の「ヱビスビール特急」を運行

ヱビスガールも同乗し、ミステリートレイン仕立てに

2015年8月25日 開催

「ヱビスビール特急」に華を添えた西武プリンスドームで活躍中のヱビスガール。近藤志穂さん(左)と貫井奈美子さん(右)

 西武鉄道は8月25日、「ヱビスビール」とコラボして車内に特設のバーカウンターと生ビールサーバーを設置し、ヱビスビール(生ビール)が約2時間飲み放題となる「ヱビスビール特急」を運行した。その模様をレポートする。

 乗車駅は西武新宿駅を19時30分、もしくは東伏見駅を20時20分に乗車。降車駅は、東伏見22時02分、西武新宿駅22時41分、上石神井駅23時03分、東伏見駅23時09分、小平駅23時27分、東村山駅23時32分となる。

 8月27日には西武池袋線で「ヱビスビール特急」も運行される。こちらは西武池袋駅を19時25分、もしくは保谷駅を19時55分に乗車。降車駅は、西武池袋駅22時09分、東長崎駅22時19分、保谷駅22時36分、清瀬駅22時51分、所沢駅23時01分。

 チケットは前売りで、参加費用は4500円。両日ともほぼ完売したとのこと。西武新宿駅の入場受付は、改札前の少し離れた場所に集合し長い列ができていた。

出発は西武新宿駅。帰宅する通勤客でごった返している
改札から少し離れた場所で、列を作って待機
改札での入場口案内
駅員の先導でホームを進み待機。周囲は一般客で混雑している

 使用された車両は10000系“レッドアロークラシック”。外装の装飾などは行なわれておらず、列車名の部分は「臨時」と掲出されていた。また、本列車は途中経路を公表しない「ミステリートレイン」として運行された。

 車内には特製のお弁当が各席に準備されていた。これは「西武園ゆうえんち」に近い「中国割烹旅館 掬水亭」のもの。海老のチリソース、豚肉のオイスターソース炒め、広東風チマキ、点心三種盛りなど、ビールに良く合いそうな内容となっていた。

 西武新宿駅を19時44分に発車。まずは乾杯用のビールが配られる。発車してすぐに通常の特急レッドアロー号では停車する高田馬場駅を通過するが、その際「高田馬場の駅、“通過”をいたしております。ラッシュのさなかに高田馬場を通過する優越感。ヱビスビールを味わいながらご堪能ください」とアナウンスがあると、車内は沸き立っていた。

 車内放送にてヱビスガールの貫井奈美子さんの「ヱビスビール特急を目一杯楽しみましょう!」の発声とともに乾杯。以後おかわりのビールは、巡回するヱビスガールやスタッフに声をかけるとすぐに持ってきてくれる。

 ヱビスガールは各席をくまなく回ってくれていて、記念撮影にも気軽に応じてくれていた。貫井奈美子さんと近藤志穂さんの2人は、普段は西武プリンスドームにてビール販売で活躍している。

2番線に入線。車両は10000系レッドアロークラシック。すぐに乗車が始まる
乗車前の車内
座席には特製弁当とウチワなどが置かれていた
お弁当の中身。ヱビスガールのブロマイド付き
お弁当のお品書き
途中、東伏見駅にて停車
東伏見駅では追加の乗客を乗せる。西武池袋駅乗車とは車両が分かれている
車内ではヱビスビールが配られる。狭い車内では大変だ
車内放送に合わせて一斉に「乾杯!!」
もちろんグループでも乾杯
あっという間に飲み干して、おかわりを提供
忙しい合間にも、記念写真に気軽に応じてくれる
なんと、マイヱビスグラスとツマミを持参する強者も
帰宅通勤ラッシュを車窓に眺めながらの一杯で、ちょっとした優越感にひたる

 バーカウンターと生ビールサーバーは4号車に設置されていて、基本的にスタッフが客席に持っていくというスタイル。

 4号車には乗客はおらず、車両半分の座席が取り払われてカウンターが設置されている。カウンター上には、サーバーが複数設置されていて、そのうち2台は10000系レッドアロークラシックと9000系の車両を模したオリジナルの西武鉄道車両バージョンになっていた。

生ビールサーバーは4号車に設置されている
車両半分、横6列分の座席が取り払われ、カウンターが設置されている
オリジナルの西武鉄道車両ビールサーバー。10000系レッドアロークラシックと9000系の黄色い車両
9000系はヱビス様が運転手
背面側もちゃんと作り込まれている
カウンター内には流しも設置されていた
持ち込まれていた生ビールの樽群
手前の小さめの樽は球場で売り子さんが担いでいるサイズ
スタッフ総出でビールを提供

 途中、サプライズでサッポロビール 首都圏本部 広域外食統括部 担当部長 松田正哉氏とヱビスガールによるジャンケン大会が車両を回って行なわれ、勝者には缶ビールや景品が贈られた。同時に松田部長直伝のビール正しいグラスへの注ぎ方講座も披露され、「グラスは傾けない」「最初に泡をたくさん出して注ぎ、ゆっくり待ちながら注ぎ足していく」などといったテクニックも楽しく披露された。

 経路が公表されないミステリートレインは、西武新宿線を下り、小平駅~萩山駅を通り西武多摩湖線に入っていく。アナウンスで「西武多摩湖線を特急が走るのは、たいへん珍しいことです。滅多に見ることのできない風景をお楽しみください」と言われると、乗客は驚いた様子。その後しばらくして、ミステリー停車駅とされていた西武遊園地駅に21時17分に停車。西武遊園地駅も、もちろん普段特急が停車する駅ではない。ここでは、トイレ休憩とヱビスガールとの記念写真ができる時間が設けられた。ヱビスガールとの2ショット撮影は人気を博していた。

サッポロビール 松田部長による正しいビールの注ぎ方講座。ヱビスガールもさすがプロ。なかなかキレイな泡
使われたのは、9月1日から限定発売される「琥珀ヱビス クリスタルアンバー」
ヱビスの缶ビールや景品をかけてジャンケン大会
ヱビスガールとジャンケン
西武遊園地駅に停車。一時休憩で乗客は下車
西武遊園地駅の駅名標。ここからはそのまま同じルートの上りとなり西武新宿駅に向かって走行する
ヱビスガールとの記念写真。近藤さん(左)と貫井さん(右)
ヱビスガールとレオライナー(西武遊園地駅と西武球場前駅間を運行する電車)の写真撮影スペースでのサービスショット

 列車は、21時39分に西武遊園地駅を出ると、来た路線をそのままのルートで西武新宿駅まで戻る。上り途中の東伏見駅からは降車が可能になり、西武新宿駅まで戻ったあとは再度下りになり、終点は東村山駅になる。この際に「高田馬場を三度目の通過をしています」とアナウンスがあり、車内は笑いに包まれる。

 東伏見駅が近くなる22時頃に、生ビールがすべて完売したアナウンスが入った。車内は大きな拍手が起こったが、飲み足りないという声も。その後は、おのおの降車して帰路についた。

 終始ヱビスガールが笑顔でビールを提供しているせいもあるかと思うが、乾杯後の車内では居酒屋やバーとは異なる妙な一体感があり、おおいに盛り上がっていた。西武線沿線で通勤するビール好きにはたまらない、楽しい夏のイベントとなったようだ。

西武新宿線を下り、終点の東村山までで都合のよい駅で下車する
西武新宿駅に戻ってきた
多くの人がほろ酔い気分で帰路につく
終点の東村山駅着に到着
本日の「ヱビスビール特急」はこれにて終了。おつかれさまでした

(村上俊一)