ニュース

年頭所感:JTB 山北栄二郎社長

2025年1月6日

旅路を超えて培った知見と経験で『交わる先に、新たな未来。』へ

株式会社JTB
代表取締役 社長執行役員
山北栄二郎

 新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年は、日本代表のメダルラッシュに沸いたパリでのオリンピック、パラリンピック競技大会や、米大リーグでの大谷選手の活躍など、スポーツによってもたらされる感動に心が打ち震えた方も多かったことと存じます。訪日旅行は過去最高の訪日外客数を記録、国内の主要観光地は国内外からの観光客で大いに賑わいをみせ、新しい交流の世界を改めて実感する1年でありました。サステナビリティの観点では、持続可能な旅行と観光のための国際標準を策定・管理するグローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(The Global Sustainable Tourism Council、以下「GSTC」)が認定した第三者国際認証機関の1つBureau Veritas(本社:フランス)より、国内ツアーにおいてGSTCツアーオペレーター認証を取得しました。私たちの現状の取り組みを客観的に評価いただいた結果であり、この認証は大変価値があるものとして受け止めています。

 さて、IMF世界経済見通しによると、世界全体のGDP成長率は昨年よりは上向くことから、今年もグローバルな交流は成長を続けると捉えています。当社は本年も引き続き「未来から現在(いま)を創る」をテーマに掲げ、交流創造を通じてお客様の実感価値向上と地域の持続的な発展に貢献すべく、多様なステークホルダーとの共創やビジネスモデルの進化を進めてまいります。当年は「汽車時間表」として創刊したJTB時刻表が100周年という大きな節目を迎え、4月にはいよいよ「大阪・関西万博」が開幕します。観光をはじめ、教育、文化、スポーツ、学術、ビジネスなど様々な目的で国内外から多くの人々が来訪することで交流人口の拡大が期待され、大阪を起点とした日本全国への回遊は訪日客の地方分散の機会にもなります。地域観光資源の掘り起こしや磨き上げ、一部地域のオーバーツーリズム課題に対する旅行消費額の拡大、地方誘客、持続可能な地域づくりの加速を進めてまいります。世界旅客数は前年比10%増の95億人に達すると予想されています。グローバルでの人流も著しい伸長が見込まれ、当社も企業イベントや国際会議などを通じ、世界各国のお客様の課題解決プロセスに寄り添いながら、顧客のエンゲージメント向上に貢献してまいります。またMLBの国際的な人気が高まる中、米国以外の様々な国のファンに野球観戦が楽しめるよう、MLBワールドツアーのオフィシャルパートナーとして、東京シリーズを含むワールドツアーの「ホスピタリティ・パッケージ」を米国以外の世界中のファンに提供してまいります。

 JTBの事業ドメインは、「交流創造」です。デジタル基盤の上に人の力を活かし、地域と組織の価値を共創し、人流や情報流、物流を生み出すことで、人と人、人と地域、人と組織の出会いと共感をサステナブルにつくり続けることでお客様の実感価値を向上してまいります。その担い手となる社員がその力を十分に発揮できるよう、コンプライアンスの遵守とDEIBを基本に据え人的資本を強化してまいります。

『交わる先に、新たな未来。』 1912年の創立以来、JTBは旅を通して、心が動く瞬間をつむいできました。旅路を超えて培った知見と経験で、私たちにしかできない「交流創造」を通じてサステナブルな社会の発展に向け努力を続けていくことをお約束し、年頭のご挨拶といたします。