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JAL、電動キック/シートボード「Lime」と協業。サービスの利用でマイル貯まる、提携ホテルでのレンタルサービスも検討
2024年11月6日 13:58
- 2024年11月6日 発表
電動マイクロモビリティのシェアリングサービスを提供するLime(ライム)は11月6日、JALと業務提携を行なうと発表した。日本国内では、三井住友海上火災保険に続き、第2のパートナー企業となる。
同日に説明会を実施し、Limeの利用動向や両社による今後の取り組み、国内2都市目のサービス開始について説明した。登壇者は、Lime カントリーマネージャー 兼 アジア太平洋地域統括責任者のテリー・サイ氏と、JAL イノベーション本部 事業開発部 部長の飯山高広氏。
「Lime」は、街中に設置されたポート(駐輪場)にある電動マイクロモビリティを、専用のアプリから予約して乗車し、目的地の近くにあるポートに返すことができるシェアリングサービス。世界280都市で20万台以上を提供している。
日本では8月19日にサービスを開始し、東京都内の10区に120ポートを展開。車両は、電動キックボードと電動シートボードの2種類で、着座式であるシートボードの利用者が全体の7割を占める。
渋谷~三軒茶屋の場合は、バスの運賃と同程度の料金設定で、13分以上乗るとお得な「30分1日パス」が通勤通学利用を中心に人気とのこと。
協業を行なう背景として、サイ氏によると、日本では都市部での交通渋滞や観光客の増加に伴う移動手段の供給不足、地方では公共交通機関が十分に行き届かないラストワンマイルの課題が顕在化しているとのこと。
そこで、地域住民や旅行者の地域間移動を支援するため、広域移動を担う航空会社のJALと、ラストワンマイルの移動を担うLimeが包括的なパートナーシップを締結するに至ったという。
続いてJALの飯山氏が、Limeでのマイル連携について説明した。国内航空会社で初となる、電動マイクロモビリティの利用でマイルが貯まるサービス。Limeの利用料金100円(税別)につき1マイルを付与する。
併せて、JALの支社などのネットワークを活用し、日本各地のポート設置を支援するとのこと。11月7日には第2の都市として、新たに沖縄県那覇市でLimeのサービスを開始する。提供数は40ポート・合計180台で、車両タイプは東京と同じ2種類。
ヘルメット着用を確認できた場合は、通常料金から10%引きとなる「ヘルメットセルフィ」機能も提供するほか、自賠責保険と対物・対人賠償事故を補償する自動車保険を導入。利用者は年齢確認や安全教育の受講、12問の安全クイズにすべて正解してから利用が可能となる。
さらに、Lime初となる車両レンタルサービス事業を、自治体・企業・観光地向けに展開する。通常のサービスとは異なり、例えばJAL提携ホテルのサービスとして、宿泊客に車両を貸し出し、同じ場所(ホテル)で返却してもらう仕組み。車両のメンテナンスは従来どおりLimeが担うが、料金設定は検討中としている。
飯山氏は「空港周辺だけでなく、全国各地にあるショッピングモール、コンビニ、駐車場、飲食店など地域のニーズに合った拠点を連携して開拓していきたい」と展望を語った。
なおJALは、中距離の移動手段として、空港を中心に前後の移動の検索や、地上交通の予約・手配をワンストップで行なえるサービス「JAL Maas」も引き続き提供するとのこと。