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機体登録不要なカメラドローン「HOVERAir X1 Smart」

価格:5万9800円~

HOVERAir X1 Smart

 Zero Zero Roboticsは、100g未満のカメラドローン「HOVERAir X1 Smart」を2024年前半に発売する。一足早く実機を試す機会があったので、ファーストインプレッションをお届けする。

 日本では2015年に航空法が一部改正され、ドローンのような無人航空機に関するルールが導入されている。飛行禁止区域が設定され、都市部の上空や空港の周辺などでは飛行許可が必要となっているほか、2022年からは100g以上の機体が登録制度の対象となっている。

 Zero Zero Roboticsでは、125gのHOVERAir X1という製品を海外で販売してきたが、日本の法律では機体登録が必要となるため、手軽に利用できるという状況ではなかった。今回登場したHOVERAir X1 Smartの重さはバッテリーを含めて公称99gで100gを切っており、飛行禁止区域の制約は残るものの、手数料を支払って機体登録する必要がない。

 HOVERAir X1 Smartの場合、ドローンと言っても、ラジコンのようにプロポ(コントローラー)を使ってリモートコントロールするわけではなく、あらかじめ搭載されたいくつかのフライトモードを選択すると、カメラでユーザーの姿を認識して撮影してくれるというタイプの製品となる。そういう意味では、“空飛ぶ自撮り棒”という表現がぴったりかもしれない。

 利用にあたってはスマートフォン(iOS 12.1以上/Android 9.0以上)とペアリングする必要があり、専用アプリ上で細かな設定を行なったり、撮影したデータを再生したりする形だ。

実際に計量してみると97gだった
スマホとペアリングして利用する

 機体の大きさは142×114×27mmと手のひらサイズで、パスポートよりも一回り大きいといったサイズ感だ。4つのプロペラ部はケージ状のボディでガードされており、怪我を防ぎ、万が一の落下時の衝撃を和らげる構造になっている。

 機体上部には電源ボタンとフライトモードの切り替えボタンが用意されており、電源を入れ、フライトモードを選択し、再び電源ボタンを押すとフライトがスタートするという流れとなる。

5つのプリセットモードとカスタムモードが利用できる
撮影用のカメラのほかに、着陸用とみられるセンサーが搭載されている

 フライトモードは、同じ場所でホバリングし、ユーザーの動きにあわせてカメラで追う「ホバリング」、ユーザーを追いかけて撮影する「フォロー」、斜め上方から撮影する「ズームアウト」、ユーザーの周囲をぐるっと回りながら撮影する「オービット」、ユーザーの真上に上昇しながら撮影する「俯瞰撮影」の5つのモードが用意されているほか、細かく設定を変更できるカスタムモードが利用できる。

ホバリング(縦)
俯瞰撮影(縦・15m)
フォロー
ズームアウト
オービット

 いずれのモードも機体の真下20cmほどのところに手をかざすと、手のひらに着陸してくる。

HOVERAir X1 Smartの離着陸

 実際に利用してみると、トイドローンのような小さな機体でありながらも、安定して飛行し、自撮り棒では不可能な迫力のあるアングルで撮影できるのが楽しい。また、小さく軽い機体は持ち運びも楽で、旅先にもかさばらずに持っていけるのが嬉しい。

 バッテリーの充電は本体のUSB Type-Cポートで行なえるようになっており、スマホのACアダプターやモバイルバッテリーを流用でき、専用の充電器を持ち歩く必要もないので、旅先にも気軽に持っていけるだろう。

USB Type-Cポートで充電できる
バッテリーは交換可能

 国が定めた飛行禁止区域外であっても施設の管理者の許可を得た上で安全に注意を払って飛行させる必要があるのは当然のことだが、機体登録が不要で、軽量・コンパクトというメリットは大きい。ルールを守りながら、ほかの人にはマネができない映える映像にチャレンジしよう。