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森トラスト、ホテル事業で2030年までに2000室を追加

新中長期ビジョン「Advance2030」を策定し、1兆2000億円を投資

2023年11月7日 発表

5つのEを掲げてホテル事業を拡大する

 森トラストは、新中長期ビジョン「Advance2030」を策定し、2030年度までに新たに1兆2000億円の投資を行なっていくと発表した。

 同社では、2016年にAdvance2027を策定し、2027年度に売上2300億円、営業利益500億円を目標に掲げていたが、2019年度から4期連続っで目標を達成しており、2030年度に向けた新たな目標を設定した。売上高では3300億円、営業利益では700億円を目指す。

 2023年度の売上高の見込みは、賃貸関係事業が900億円、ホテル関係事業が630億円、不動産販売事業が1020億円となっているが、2030年度には各1000億円が目標に設定されている。

Advance2027の進捗
Advance2030の計画

 ホテル関係事業について、代表取締役社長の伊達美和子氏は「2016年~2023年の間に既存のホテルのリノベーション、リブランドで900室、新規のホテル開業で700室、さらに新規で取得したものを含めると合計2000室の投資を行なってきた」ことを紹介。

森トラスト 代表取締役社長の伊達美和子氏

 同氏は、「インバウンドは今年に入り急回復し、2019年の水準に近づきつつある。国連世界観光機構の発表によると、2018年に14億人だった旅行者は、2030年には18億人にまで増加すると見込まれている」として、市場拡大に期待を寄せる。

 その上で「世界の旅行者に選ばれる観光地に求められるエンターテインメント、エデュケーション、エステティック、エスケープの4つのEに、エモーショナルを加えた5Eが必要要素」だと指摘。同社としては、「かねてよりラグジュアリーデスティネーションネットワークの取り組みを推進し、既存の30のホテルに加え、25のホテル用地を取得している」とする。

 また、インターナショナルホテルの誘致についても積極的に取り組んでいるが、「単に海外に向けたチャネルを備えるだけでなく、その地にあわせたストーリー性をもって開発を進めてきた」として、旧奈良県知事公舎をホテルにリニューアルし、今年8月に開業した「紫翠ラグジュアリーコレクションホテル奈良」を紹介。

 同社初の九州ホテル計画として、明治末期の建物を活用した「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」(2024年~2025年冬開業予定)の開発に加え、来年130周年を迎える軽井沢「万平ホテル」(2024年夏開業予定)の改修・改築事業を推進しており、そのほかのプロジェクトとあわせ、2030年に2000室の追加を目指すとしている。

 直近ではこのほかに、「東京エディション銀座」(2023年内開業予定)、「ラフォーレ箱根強羅 湯の棲 綾館」(2024年1月19日開業予定)の開業が予定されている。