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ジョン・レノンも愛した軽井沢「万平ホテル」が大規模改修・改築完了! この先100年も“ホテルは人なり”を目指す老舗ホテルのリニューアルを見てきた

2024年10月2日 再開

万平ホテルの顔ともいえる「アルプス館」は国の登録有形文化財

 長野県軽井沢町の別荘地にたたずむ「万平ホテル」(長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢925)が、約1年半の大規模改修・改築工事を終えて10月2日から営業再開しました。その前日、報道向けに開催された全館内覧会に行ってきたので、たっぷりの写真で紹介します!

創業当時から掲げられている「MAMPEI HOTEL」の看板が出迎えてくれる

万平ホテルの「万平」は創業者の名前

 万平ホテルの創業は今から130年前の1894年。日本有数の高原リゾート・軽井沢で、数々の文化人、政界人などに愛されてきたクラシックホテルです。なかでもジョン・レノンが1970年代に夏の定宿にしていたのは有名は話。「おもてなしは心なり ホテルは人なり」という創業者・佐藤万平さんの言葉が、1世紀を超えて脈々と受け継がれている老舗ホテルです。

フロント
ロビーに置かれた家具などは以前のままだが、紅い絨毯は従来の色をもとにリニューアル
アルプス館の階段上には前身の亀屋旅館にちなんだデザインのステンドグラス

カフェテラス、バー、ダイニングレストラン

 まずは“万平ホテルといえば!”の「カフェテラス」から紹介しましょう。こちらは宿泊者以外も利用できるのですが、なんと9割が外来ゲストとのこと。ちなみに長野市出身の私も、このカフェテラスでお茶をするのが長年の夢でした(そしてまだかなっておりません)。

全102席。ペット連れも可能なテラス席も

 従前の雰囲気を残しつつ、明るい感じにリニューアルされたというカフェテラスでは、人気メニューの「伝統のアップルパイ」をはじめ、ホテルメイドのアイスクリームや季節のタルトなどを、軽井沢らしい景色を見ながら食べることができます。

一番奥がジョン・レノンのお気に入りの席だったそう

 なかでもクラシカルなロイヤルミルクティーは、ジョン・レノンが当時のスタッフに作り方を教えたという定番メニュー。寒くなってくるこれからの季節にぴったりです。

カフェテラスの人気商品、伝統のアップルパイ(1725円)とロイヤルミルクティー(1495円)

 カフェテラスの横には、万平ホテルのオリジナル商品などを揃える「ショップ」があります。今回のリニューアルオープンでは、「万平ホテルプレミアムクッキー缶」など新商品も登場。ホテル伝統のアップルパイもお土産用として販売されています。カフェで提供しているアップルパイとはりんごの種類が違うそうですよ。

スーベニアショップ
ホテルメイドのカレーパンは550円
レトロデザインのステッカー
木製キーホルダーは1500円
万平ホテルプレミアムクッキー缶は6800円

 絨毯をリニューアルし、ワインセラーを新設するなどして生まれ変わったメインダイニングルームでは、アメリカンスタイルのブレックファスト(5750円~)、クラシックランチ(9200円~)、フレンチディナー(18975円~)を伝統の味で堪能することができます。ちょっぴりオシャレして、クラシカルな雰囲気を楽しみたいものですね。ちなみにドレスコードはスマートカジュアルとなっています。

126席あるメインダイニングルームは圧巻の雰囲気。2面のステンドグラスも有名です
ランチ・ディナーの前には、この鉄琴のチャイムが鳴らして食事時間をお知らせするのが万平ホテルの名物
格天井からぶら下がっているのは、スタッフさんたちが“土星”と呼んでいるランプで、昭和11年の建築時からあるものだそう
ダイニングテラス席は42席
「MH」の文字をデザインしたオリジナルのプレート
シグネチャーコースの一例
個室は2室(個室料金別途)
中庭でウェディングも

「ザ・バー」に一歩足を踏み入れると、まるでタイムトリップしたかのような感覚に。ここも以前の造りをなるべく残しつつ、家具やカーペットなどを入れ替えしてリニューアルされました。ウォッカベースの「霧の軽井沢」とジンベースの「軽井沢の夕焼け」というシグネチャーカクテルがあります。

“非日常のくつろぎ”をコンセプトとする「ザ・バー」へ
カウンター席7席、テーブル席7席
奥にはカーテンで仕切ることができる席も
万平ホテルのオリジナルワインなども
新築したバンケット「桜」の横にはくつろぎのテラスも

アルプス館・愛宕館・碓氷館の客室を見てきた

 ここからは、内見してきた客室を紹介します。万平ホテルには「アルプス館」「愛宕館」「碓氷館」の3つの宿泊棟があります。「愛宕館」は先行して8月からソフトオープンしていましたが、内覧会では、リピーター待望のアルプス館と、碓氷館の客室も見ることができました。客室数は全86室となっています。

歳月を重ねたクラシックホテルだけが醸し出すことのできる趣があちこちに

アルプス館「クラシックプレミア」

従来の内装をできる限り踏襲したクラシックプレミア(48m2

 ジョン・レノン一家が泊まっていたのが昭和11年に建てられた「アルプス館」です。ガラス障子や猫足のバスタブ、軽井沢彫の家具など、万平ホテルの象徴ともいえる和洋折衷のインテリアを受け継いだザ・クラシックな空間は、リピーターも納得のリニューアルなのでは?

 ちなみにベッドサイドには、令和の時代に必要不可欠なUSBポートが備わっていて、無料Wi-Fiも完備です。

ツインベッド
USB Type-AポートとType-Cポートを備える
重厚な軽井沢彫の家具がなじむ和洋折衷な客室
猫足のバスタブ
バスアメニティは共通でイギリスのモルトンブラウン

アルプス館「グランドクラシック」

温かみのあるペンダント照明
ライトの光で夜はさらに素敵に見えそうなガラス障子
1室のみのグランドクラシックは57m2
バスルームはダブルシンク
こちらも猫足のバスタブ
アルプス館から愛宕館へ
廊下にはアートの数々

愛宕館「プレミア(温泉付)」

17室ある愛宕館プレミア(温泉付)は45m2

 今回の大規模改修・改築工事で、建物を完全に取り壊し、新しく生まれ変わったのが愛宕館です。“万平ホテルのDNAを受け継ぐクラシカルモダン”をコンセプトに、全室に天然温泉の内風呂を備えたのが一番の目玉となっています。

温泉を楽しめる華やかな雰囲気のバスルーム。地元「塩沢温泉」のお湯を運んできているそう
万平格子とも呼ばれる装飾が随所に
客室のミニバーはスイート以外は共通

愛宕館「万平スイート(温泉付)」

万平ホテルの客室のなかで一番広い91m2
エキストラベッド対応で3名まで可能
パジャマは全室共通
広々したダブルシンクのバスルーム
こちらも内風呂には天然温泉の湯

碓氷館「クラシック」

 窓の外の自然豊かな景観がウリの碓氷館は、アースカラーを取り込んで上品な雰囲気が魅力です。ユニークなのは「スタンダード」と「クラシック」というデザインが異なる2タイプの客室があること。クラシックタイプはアルプス館の雰囲気を感じられる造りになっています。

碓氷館のクラシック(45m2)は最大定員2名
窓いっぱいの緑が美しい!
バスルームにある歯ブラシやコームなどが入ったボックスは全室共通
ハンドシャワーのほかにレインシャワーも備わっています

碓氷館「スタンダード」

碓氷館のスタンダード(45m2)はソファベッド対応で最大3名まで可能
仕切りがない分、広く見える

碓氷館「碓氷スイート(テラス付)」

2~3名定員で、面積は90m2+テラス

 ホテルエントランスから一番遠いエリア、碓氷館の3階に一室のみあるのが「碓氷スイート(テラス付)」です。この静かな空間では、三島由紀夫や川端康成といった万平ホテルゆかりの文豪作品や、軽井沢が舞台の本などを持ち込んで、読書にふける休日もよさそうです。

ダイニング
リビング
ベッドルームにはPCを広げられそうなデスクも
バスルームはダブルシンク
軽井沢は空気が澄んでいる!を実感した一日でした
空室・料金チェック