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アコー×大和リゾート、23軒のホテルを「グランドメルキュール」「メルキュール」にリブランド。2024年春に一斉オープン

2023年9月15日 実施

グランドメルキュール、メルキュールとして、大和リゾートが所有する23軒のホテルがリブランドされる。開業は2024年春

 アコーとジャパン・ホテル・リート・アドバイザーズ(JHRA)、大和リゾートは9月15日、「グランドメルキュール/メルキュール ブランド戦略メディア説明会」を開催した。

 日本初上陸となる高級ホテル「グランドメルキュール」を12軒、すでに日本でも展開している「メルキュール」を11軒、合計23軒のホテルを2024年春に開業する。

グランドメルキュールのイメージ
メルキュールのイメージ

アコーは日本市場の強化を2つのブランドで進める

 フランスを拠点とする世界的なホスピタリティグループであるアコーは現在、世界110か国で5400を超えるホテルやレジデンス、1万を超えるレストランやバーを営業しているグローバル企業。ホテルはラグジュアリーからエコノミーまで40以上のブランドを展開している。

 日本法人代表取締役であるディーン・ダニエルズ氏は、現在の日本において今回展開する2つのブランドの認知度はそれほど高くはないとしながらも、グランドメルキュールは12か国において60軒、メルキュールは60か国において900軒を超えており、世界的な知名度は高いことを紹介。また、両ブランドとも地域の魅力を伝えることがコンセプトにあることも説明した。

 パンデミックが落ち着き、各国の往来が復活するなかでアジアは再び注目を集めており、そのなかでも日本は政府の後押しのもとインバウンドが今後も伸長していくことは確実であり、同社も日本におけるプレゼンスを強化したい考えだ。

 2つのブランドのホテル展開については、「地域に根ざした体験を提供することです。日本には定番の観光地でも魅力ある場所が多くあります。地域の魅力の再発見により、お客さまにより豊かな観光体験や宿泊体験を届けるとともに、日本の地方の産業に貢献していきたいと思います」と、コンセプトにある地域とのつながりが重要であることを強調した。

アコー日本法人 代表取締役 ディーン・ダニエルズ氏
世界的なホテルブランドを数多く持ち、ヨーロッパでは3127軒を営業している

リブランドによる相乗効果により分散型旅行の活性化を狙う

 大和リゾートと今回手を組んだ理由の一つとして、所有しているホテルが世界遺産に近いことや自然豊かなロケーションにあり、非常に立地が魅力的であることを担当者が説明した。そして、日本人をはじめ、外国人にも人気の温泉を23軒のうち20軒が有し、残りの3軒も大浴場を備えるなど、設備面でも将来性を感じさせる大きなポテンシャルがあることも解説した。

 現在、インバウンドが回復を見せるなかで大都市や著名観光地への訪問はまだまだ高い比率になっているが、一方でリピート客が地方都市に訪問する比率も高く、地方都市でも魅力を感じてもらえればまだ伸びる余地は大いにあるとしている。最近ではオーバーツーリズムの問題も大きく取り上げられており、地方の集客を強化することで分散させれば一極集中も防ぐことができ、問題解決にも寄与できるという。

 そのためにも地方のパートナー、地方自治体と協議をし、特に閑散期に集中して魅力あるコンテンツ作成も行なっていくとのことだ。アコーが持つグローバルなホスピタリティサービスや運営ノウハウ、大和リゾートの持つ魅力的な施設と地域のつながり、それぞれの強みをリブランドによる相乗効果でホテルの質をさらに高め、分散型旅行活性化の一翼を担っていくとしている。

多くのホテルが世界遺産に近い場所にある
絶景が楽しめるホテルの数も多い
温泉や温浴施設が充実している
再訪する観光客は地方都市にも興味がある
オーバーツーリズムの解決策として分散型旅行の活性化を進める
メルキュールとグランドメルキュールのコンセプト

ホテルはリブランド後に一斉開業し、予約は11月6日より受付開始

 大和リゾートからは代表取締役社長の真柳宏二氏が登壇し、23軒のホテルを一斉にリブランドする3つの理由を説明した。

 最初に挙げたのは、世界的なブランドを冠することで、今後もますます成長が見込めるインバウンド需要を効率的に取り込めるということ。2つ目に挙げたのは、業界全体に広がる人材不足の課題。インターナショナルスタンダードの運営を早期に実現することで既存の社員が成長し、キャリアアップを実現できる機会が増えることで、多くの優秀な人材が生まれるとしている。3つ目は分散型旅行を提案し、オーバーツーリズムを緩和していくことだ。「これらの3つの理由から、23軒を同時に開業するのは今しかないと私どもは考えております」と説明した。

 そして大幅にリノベーションを行なういくつかの施設を紹介した。沖縄県にある「Royal Hotel 沖縄残波岬」は「グランドメルキュール沖縄残波岬リゾート」として生まれ変わるため、客室、レストラン、ラウンジ、温浴施設を作り変え、目玉として沖縄県最大級のプールを設置するとしている。

 山梨県にある「Royal Hotel 八ヶ岳」は「グランドメルキュール八ヶ岳リゾート&スパ」となり、ロビー、レストラン、ラウンジ、温泉、ウェルネスラウンジがリノベーションされる。それ以外のグランドメルキュール、メルキュールはともにパブリックスペースとレスラン、大浴場のリニューアル工事を行なう。また、一部のグランドメルキュールは客室も改修される。

 リブランドを前にアクティビティの強化にも努めており、トレッキングやサイクリング情報といった屋外のフィールドアクティビティをはじめ、SUP、カヤック、シャワークライミングといった水と遊ぶアクティビティ、地元を深掘りする観光系アクティビティなど、地域と連携して増やしてきたと説明。今後も拡充に努め、地域の魅力造成と情報発信を行なっていくと説明した。

 リブランドしたホテルの開業は2024年春で、詳細なオープン日程は後日発表としているが、予約は11月6日から受付を開始する。

大和リゾート株式会社 代表取締役社長 真柳宏二氏
グランドメルキュール沖縄残波岬リゾートのリニューアルイメージ
予約は11月6日開始
握手を交わすディーン・ダニエルズ氏と真柳宏二氏

「グランドメルキュール」へリブランドするホテル(計12軒)

1. Royal Hotel 沖縄残波岬(沖縄県)
2. THE KASHIHARA(奈良県)
3. ロイトン札幌(北海道)
4. THE HAMANAKO(静岡県)
5. Royal Hotel 那須(栃木県)
6. Royal Hotel 八ヶ岳(山梨県)
7. Hotel&Resorts MINAMIAWAJI(兵庫県)
8. Hotel&Resorts ISE-SHIMA(三重県)
9. Hotel&Resorts NAGAHAMA(滋賀県)
10. Hotel&Resorts MINAMIBOSO(千葉県)
11. Hotel&Resorts WAKAYAMA-MINABE(和歌山県)
12. Hotel&Resorts BEPPUWAN(大分県)

「メルキュール」へリブランドするホテル(計11軒)

1. Hotel&Resorts KYOTO-MIYAZU(京都府)
2. Royal Hotel 長野(長野県)
3. Hotel&Resorts WAKAYAMA-KUSHIMOTO(和歌山県)
4. Royal Hotel 富山砺波(富山県)
5. Royal Hotel 土佐(高知県)
6. Active Resorts 宮城蔵王(宮城県)
7. Royal Hotel 大山(鳥取県)
8. Active Resorts 裏磐梯(福島県)
9. Hotel&Resorts SAGA-KARATSU(佐賀県)
10. Royal Hotel 宗像(福岡県)
11. Royal Hotel 能登(石川県)