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レインボーブリッジ開通30年、高倍率の主塔登頂ツアーに同行。てっぺんには東京湾一望の超絶景が待っていた!
2023年8月28日 12:38
- 2023年8月26日 実施
首都高速道路は8月26日、レインボーブリッジ芝浦側主塔(東京都港区)において「レインボーブリッジ開通30周年記念主塔登頂ツアー」を実施した。
これは同社の「レインボーブリッジ開通30周年特設サイト」などで募集したもので、1週間と短い募集期間ながら、定員24名に対して応募総数は1166組1753名におよんだ。
レインボーブリッジ(東京港連絡橋)は東京都心部とベイエリアをつなぐ橋長798mの吊橋。東京港を利用する船舶のために高さ50m、幅500mの航路用空間を必要とするとともに、羽田空港があることから高さの点でも155mの制限があった。さらに両端の道路をカーブさせる必要があったことから、主塔からアンカレイジ(吊り橋のメインケーブル固定用ブロック)までの長さを十分に確保できないといった制約もあった。
これらを踏まえたうえで経済性、技術面も鑑みた結果、吊橋形式を選択。上層を首都高速11号台場線、下層は一般道&遊歩道、中央部に新交通システム「ゆりかもめ」が利用する複合交通システム対応の吊橋となった。1987年1月に着工、1993年8月26日に首都高速11号台場線開通、追って1995年11月にゆりかもめが開通している。
レインボーブリッジ
橋長: 798m
中央径間: 570m
側径間: 114m(主塔からアンカレイジの距離)
主塔高さ: 126m
同橋の開通により周辺の首都高速道路において渋滞が大幅に改善。半年後のデータでは都心環状線(C1)で約35~40%、9号深川線で約55%と劇的に減少、現在では1日あたり約5.8万台(2015年度)が利用している。
ツアーは午前、午後とそれぞれ12組分けて実施され、報道関係者は午前組に帯同して取材を行なうことになった。73倍というプラチナチケットに当選した参加者たちは、まず芝浦側アンカレイジにある展示室において概要説明と模型などの見学を実施。その後、芝浦南ふ頭公園内にある芝浦側主塔へと移動。主塔上のスペースが狭いことから2名から3名ほどに班分け、さらに左右の主塔に振り分けられ順次登頂していくことになった。
ヘルメットや安全帯が用意され少し物々しい雰囲気に押され気味だった参加者だったが、降りてくると皆一様に笑顔を見せていた。東京から参加したという40代男性は、「天気が晴れてよかった。73倍という倍率のなか、当選させていただいたものの高所恐怖症なので、この1週間ほど割とブルーな感じでした。でも、上にあがったら東京湾の景色がよく、なかなかできない経験でよい思い出になった」とコメントしてくれた。
参加者たちはその後レインボーブリッジを背景に記念撮影を行ない、記念品となるマグカップを受け取ってそれぞれ帰路についた。
その後、報道関係者が順次登頂。取り付け部の階段から普段は立ち入ることのできない主塔内部に入り、作業用エレベーターに揺られることおよそ2分半、狭い通路と階段を抜けると目的地の主塔上に到着することになる。
この間は撮影禁止となっていたため紹介できないのが残念だが、手で閉める扉がついた4人乗れば満員のエレベーター、ハッチが付いた通路など、いかにも作業用の空間といったイメージ。真夏ということもあってエレベーターのなかは蒸し風呂で、作業される方たちの苦労が思い浮かんだ。
が、主塔上に出てしまえば絶景に息をのんでしまうほど。126mの高さで体がむき出しになる空間と思うと恐怖を感じるかもしれないが、高層ビルの上層部のように揺れることはまったくなく、素晴らしい景色を堪能することができた。
主塔上に登るツアーは今回が初めてではないため、今後もイベントなどなんらかの形で実現する可能性はゼロではない。次回、こうしたツアーが実施されたら、ぜひ申し込むことをオススメしたい。