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日本最古の遊園地「浅草花やしき」に新エリアオープン。お化け屋敷など3つのアトラクション誕生。名物“パンダカー焼き”も復活

レトロを超えて“カオス”になった170周年の進化を楽しんで

2023年7月20日 オープン

8月7日に開園170年を迎える「浅草花やしき」に新エリア誕生!

 花やしきは、日本最古の遊園地「浅草花やしき」(東京都台東区浅草2-28-1)が開園170周年を迎えるにあたり、7月20日に新エリアをオープンする。

 今回は猛暑や雨のなかでも楽しめるよう“屋内施設”を強化し、完全リニューアルしたお化け屋敷、浅草の街並みを一望できる映像型アトラクション、8年ぶりに復活の名物「パンダカー焼き」が味わえる和カフェなどを新設。

 また、NAKED(ネイキッド)との初コラボによるデジタルアート空間「NAKED 花景色」も見どころとなっている。

 本稿ではオープン直前に報道公開された3つの新アトラクションをはじめ、楽しみポイントをネタバレなしで紹介していく。

園内マップ。新エリアは、左奥の屋内施設1~2階にオープン

新アトラクション「お化け屋敷~江戸の肝試し~」

 歌舞伎や落語、講談などさまざまな形で現代にも伝わる江戸四大怪談をモチーフにしたお化け屋敷。

 花やしきにはもう1つ、コースター型「お化けやしき スリラーカー」があるが、こちらは昔ながらのウォークスルー型。以前あったお化け屋敷よりも少しマイルドな仕上がりになっているという。

新アトラクション「お化け屋敷~江戸の肝試し~」
こちらは平成時代の旧お化け屋敷

 遊園地デビューする小さな子供も多い花やしきで、世代を超えて楽しめるようにと既存施設のリニューアルが行なわれた。

全長: 約70m
所要時間: 5~6分
条件: 0歳から利用可能、4歳以下の子供には中学生以上の付き添いが必要
料金: のりもの券4枚、フリーパス可

アトラクションスタート前のプレショーでは「累ケ淵」「牡丹灯篭」「番町皿屋敷」「四谷怪談」について説明も
一番奥の「鬼の祠(ほこら)」へ行き、水晶玉で除霊してくるのがミッション
無事に帰ってこられたら「除霊できた強者たち」に映る自分の写真も要チェック!
新エリアのトイレは、お化け屋敷の前にある「厠」のみ。妖怪を封じ込めるためのお札だらけ

新アトラクション「パノラマ時間旅行」

 4面マルチ映像によって、浅草の今と昔をめぐる映像型アトラクション。2016年に惜しまれながら引退したアトラクション「Beeタワー」に乗って空から浅草の町並みを楽しめるほか、ちょっとスリリングなサプライズが起こり、浅草らしさ満載のタイムトラベルを体験できる。

収容人数: 24人
所要時間: 約5分
条件: 0歳から利用可能、4歳以下の子供には中学生以上の付き添いが必要
料金: のりもの券4枚、フリーパス可

新アトラクション「パノラマ時間旅行」
列を待つあいだは昔の写真を鑑賞
4面マルチ映像が動き出すと、まるで本物のアトラクションに乗っているかのようにスリル満点
こちらの映像はほんの一部。時空を超えた浅草観光は、体験してからのお楽しみ
今はなき「Beeタワー」がデジタル技術を駆使して現代に復活

新アトラクション「摩訶不思議!君もスクープカメラマン」

 新聞記者のカメラをモチーフにした専用デバイスを使い、ARで現れる妖怪たちを見つけ出す園内周遊型アトラクション。

 ゲストはまず、新エリアにある「マルハナ新聞社」で任務を受けて出発し、新聞記者として園内の至るところに潜む妖怪たちを探し撮影する。

 妖怪は、一反もめんや河童、座敷わらし、のっぺらぼうなど全22種類。マルハナ新聞の一面を飾れるよう、制限時間内にクリアを目指す。

制限時間: 約15分
条件: 2歳から利用可能、4歳以下の子供には中学生以上の付き添いが必要
料金: のりもの券4枚、フリーパス可

新アトラクション「摩訶不思議!君もスクープカメラマン」
アトラクション参加者にはカメラ風の専用デバイスが渡される
はじめに新聞記者になる参加者の顔写真を撮影
プレショーではルール説明を受ける
花やしきで起こる不思議な現象のうわさに“そんな事実はない”と言い張る支配人
妖怪は全部で22種類。レア妖怪の「寸足らず」と「水やりすぎ」も隠れている
園内をまわって「妖怪出没看板」を探し、12枚撮影できたら新聞社の報告所へ
最後はマルハナ新聞の一面を飾ってゴール

デジタルアート空間「NAKED 花景色」と和スイーツを味わえる「お花見茶屋」

 屋内施設1階では、NAKEDが空間プロデュースした「NAKED 花景色」を楽しめる。四季折々の風景がプロジェクションマッピングによって映し出され、まるで花やしきの原点である花園が蘇ったかのような美しい世界が広がる。

デジタルアート空間「NAKED 花景色」
春、夏、秋、冬とプロジェクションマッピングで季節の移ろいを投影

 また併設する飲食施設「お花見茶屋」では、8年ぶりの復活となる名物「パンダカー焼き」、具だくさんの「花むすび」、十勝あずきやフルーツ、団子を添えた「デセールもなか」などのメニューを販売。

 見た目もかわいらしいワンハンドフードを食べながら、1年じゅうお花見気分が味わえる。

浅草花やしきを象徴する「パンダカー」を模した人形焼き。味はあんこ入りとカスタード入りの全2種類(1個100円、5個セット400円)
彩り豊かな「花むすび」は、大エビマヨ(360円)、あさりと玉子(340円)、チキンと梅(360円)、ソーセージとコーン(340円)、ドライカレーとチーズ(340)円の全5種類
北海道産小豆を使用した手作り粒あんを敷き詰めたスティック状の「デセールもなか」。イチゴ、十勝あずき、きゃらめるマンゴーの全3種類(1本360円)
お花見茶屋
花みくじも
美しい花景色を眺めながら、ワンハンドフードで手軽に小腹を満たせる

170年の歩みを振り返る新エリアのメインストリート「ご利益横丁」

 浅草花やしきは江戸時代末期の嘉永6年(1853年)、造園師・森田六三郎が牡丹と菊細工を観賞できる花園(かえん)として設立したのがはじまり。

 震災や戦禍により閉園を余儀なくされた時代を経て、昭和24年(1949年)に遊園地として再建したのち、昭和28年(1953年)には日本現存最古のコースター「ローラーコースター」が、昭和35年(1960年)には「人工衛星塔」(のちの「Beeタワー」)が置かれ、浅草の名物となった。

こちらは昭和40年~60年の写真。明治5年ごろには遊戯施設が置かれ、珍鳥や猛獣の飼育、西洋あやつり大写真や山雀の芸が評判に。大正天皇もお忍びで来園するほど人気を博したという

 また2019年4月には、引退した「Beeタワー」跡地に新ホール「浅草花劇場」がオープン。現在はアトラクションのみならず、縁日や飲食店舗、エンタメが集まる浅草随一のプレイスポットとして親しまれている。

 今回オープンする新エリアは、そんな浅草花やしきの歴史を懐かしむのも1つのテーマになっており、3つのアトラクションが並ぶメインストリート「ご利益横丁」には、2階へ上がる階段に昔の風景写真が飾られ、変遷を振り返ることができる。

ゲストを現代から過去へと誘う「時空階段」を上がった先に、新エリアのメインストリート「ご利益横丁」がある

 さらに、原点の“花園”を彷彿させるように花の装飾や縁日のようにたくさんの提灯が吊るされたレトロな空間が広がり、懐かしいゲームコーナーや休憩できるテーブルとイスも用意されている。

縁日のような空間にゲームコーナーも

 花やしき 営業推進部 マーケティング課で広報を担当する髙知尾有美さんは、「皆さんによく“レトロ”って言っていただくのですが、狙ってできたワケではないんです。ちょうど70周年を迎えるローラーコースターをはじめ、本当の古さが積み重なったゆえのカオス、歴史のなかに新しい施設が加わっていく花やしきならではの不思議な空間を楽しんでいただけたらうれしい」と語ってくれた。

株式会社花やしき 営業推進部 マーケティング課 広報担当の髙知尾有美さん
夏は涼しいミスト噴射スポットも
花やしき通りに面する入園口
フリーパスやのりもの券は園内で購入できる
のりもの券はアトラクションごとに必要枚数が異なる
フリーパスを購入した人は腕に虹色のリボンを巻く
新エリアがオープンし、アトラクションは全21施設に

浅草花やしき

入園料: 大人(中学生以上~64歳)1200円、小人(5歳~小学生)600円
のりもの券: 普通券1枚100円、回数券11枚綴り1000円
フリーパス: 大人2800円、小人2400円※入園料別途
営業時間: 10時~18時(最終入園は閉園30分前)※季節・天候で変更あり

浅草寺 本堂の西側に位置する「花やしき通り」に入園口がある。雷門からは徒歩約10分