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首都高大師橋、今どうなってる? 工事完了間近の進捗を日ごとに追う【5/30~6/6】

2023年5月27日~6月10日 実施

首都高大師橋の工事進捗(写真提供:首都高速道路)

 首都高速道路は、老朽化した高速大師橋の橋梁架け替えのため、1号羽田線の一部通行止めを実施している。期間は5月27日5時~6月10日5時。

 トラベル Watchでは、これまでも架け替え工事前の様子や工事初日の現場状況などをお伝えしているが、10日の工事完了・通行止め解除を控えて、現在の進捗はどうなっているのだろうか。

 工事の大きなステップは次のとおり。
5月27日~28日: 既設橋の切断と撤去
5月29日: 新設橋をスライドして架設
5月30日~6月4日: 端部橋桁の架設・新設橋の固定
6月4日~8日: 舗装、区画線の施工
6月8日~10日: 検査・点検
6月10日: 通行止め解除

 新設橋をスライドして架設するところ(5月29日)までは既報であり、ダイナミックな絵面もあって耳目を集めたが、同社はその後の進捗についても特設サイトで公開している。

5月30日

 実は、工事の全工程で最も日数を要するのは新設橋の位置調整と固定(橋脚の溶接)作業で、まずは東京側と川崎側の既存の橋桁と新設橋を接続するため、既設橋の切断によって生まれた隙間を埋めるための桁を架設する必要がある。

隙間を埋める桁をクレーンで吊って架設していく
隙間が埋まった状態

5月31日

 5月末の東京は時折雨の降る空模様で、そんな状況でも溶接作業が行なえるように、現場では作業箇所をすっぽり覆う防雨設備が使われた。以下の写真では、橋脚の柱と新設橋の梁の溶接が始まった様子を捉えている。溶接の作業量は、距離に置き換えると8.4kmという途方もない数字。

グレーの防音シートで囲まれているのが橋脚

6月1日

 新設橋の梁を無数のボルトで締めてがっちりと固定。下の写真でいうと、防音シートに囲まれた柱の左から突き出す部分のうち、縦に黒っぽく見えるのがボルトで固定した箇所だ。

ボルト締めで橋脚と新設橋の梁を固定した

6月2日

 台風2号の影響で東京でも大雨だった6月2日。引き続き防雨設備のなかで行なっていた柱の溶接が完了。写真でくさび状に凹んで見えるところを約60周して溶接したという。なお、午後は台風のため作業を中断している。

直径5.5mの柱に対して、鋼板の厚みが9.5cm。これを約60周して溶接した

6月3日

 万一の時の車両が飛び出すのを防ぐ欄干(壁高欄)は、スライドして架設する前に大部分を施工してあったが、スライド後でなければ作業できない部分に取りかかった。また、温度変化による橋の伸び縮みに対応する装置の取り付けや、落橋防止装置の設置も行なっている。

落橋防止装置

6月4日

 6月4日~8日は新設橋の舗装と区画線の施工を主に行なっている。舗装は上下2層式で、以下の写真は下の層(基層)の施工の様子。こちらもスライド架設前に作業できる部分は済ませているが、東京側・川崎側との接続部はここで初めて作業できるようになった。

舗装作業のうち、基層を施工している様子

6月5日

 上下2層のうち、上の層(表層)を施工している様子。ちなみにこの橋梁の舗装は、通常舗装より舗装材料同士の隙間の大きい仕様になっており、雨天時に水が浸透しやすく走りやすい作りという。また、タイヤと道路で挟まれる空気がこの隙間に逃げることで、騒音の低減も図られるとのこと。

6月6日

 舗装の完了した道路に区画線をや路面文字を書き込んでいく。この作業は8日まで続き、その後点検・検査を行なって通行止めを解除する。

区画線や路面文字を描いた

写真提供:首都高速道路