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ヴァージン・オーストラリア、羽田~ケアンズに2023年6月就航。737-8でビジネス含む3クラス制。日本就航担当ニック・ローラック氏「市場を刺激して大きく育てたい」

2022年12月14日 実施

ヴァージン・オーストラリア航空 マイレージプログラムのCEOで日本就航担当のニック・ローラック氏(左)と営業担当ゼネラルマネージャーのダレン・マクダーモット氏(右)がインタビューに応じた

 ヴァージン・オーストラリア航空は、羽田~ケアンズ線を2023年6月28日に就航することを発表した。

 1日1往復で機材はボーイング 737-8型機で、シートはビジネス、足元の広いエコノミーX、エコノミーの3クラス制。航空券については、オーストラリア発については今日から、日本発は1月から販売する予定。

 就航にあたって、すでにオーストラリア国内でコードシェアを実施しているANAとの提携を強化し、国際線の本路線でもコードシェアを行なうほか、同社のマイレージプログラム「ベロシティ(Velocity)」とANAマイルの特典の相互利用も可能になる。

ヴァージン・オーストラリア航空の羽田~ケアンズ線(2023年6月28日~)

VA78便: 羽田(21時45分)発~ケアンズ(翌06時15分)着、毎日運航
VA77便: ケアンズ(13時15分)発~羽田(20時00分)着、毎日運航

 マイレージプログラムのCEOで日本就航担当のニック・ローラック氏はケアンズについて、グレートバリアリーフや世界最古の熱帯雨林があることで知られる観光地であり、オーストラリアの北の玄関口としてヴァージン・オーストラリアの国内線がケアンズからシドニー、メルボルン、ブリスベンへ1日複数便飛んでいるほか、南のアデレード、西のパースへも1日1便のフライトがあると説明。ケアンズだけでなく、オーストラリア国内の旅行にも便利だと話す。

 もともとオーストラリアは日本から人気のある観光地であり、コロナ前は2017年にJALがメルボルン、2019年にはANAがパースにそれぞれ直行便を就航している。

 ローラック氏は、日本初就航の路線にケアンズを選んだ理由として、ビジネスより観光ニーズの方が先に回復していること、前述したケアンズから国内の接続性の高さを挙げており、一方で羽田はオーストラリア人にとっても非常に便利な立地で、パートナーのANAの国内線の接続がよいことを挙げた。羽田なら北海道や九州など地方に行きやすく、さらに言えば日本の地方在住者がケアンズに行くのにも羽田は都合がよい。オーストラリアの旅行者は日本を2都市程度しか周遊しないため、もっといろいろな地域を発見してほしいという。

ヴァージン・オーストラリア航空のボーイング 737-800型機

 同社は2023年に8機の737-8型機の導入を予定しており、機材数は現在88機。さらに来年以降に25機の737-10型機を導入する計画があるという。その機内の詳細は来年公開するとのことで、料金レンジやシートの仕様、シートごとの電源まわりなどは明らかにされなかったが、全クラスでお茶・コーヒー・水(ボトル)を無償提供するほか、ビジネスクラスは機内食付き、エコノミークラスでも機内で食事を選んで購入できるという。機内Wi-Fiは有料(ビジネスクラス利用者とベロシティのプラチナ会員は無料)で、機内エンタテイメントは日本語字幕付きの映画などを幅広いコンテンツを予定しているとのこと。

 コロナ禍を経て日本~オーストラリア路線の需要も回復期に向かうとみられるが、ローラック氏は「競合と戦うのではなく、一緒にパイを大きくしたい。まずは市場を刺激することが必要」だと見通しを説明した。