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ドイツ観光局、持続可能性のため旅行消費額の向上・長期滞在がテーマに。現地は室内もマスクなしが定着、すでに“ポストコロナ”
2022年11月17日 12:10
- 2022年11月8日 実施
ドイツ観光局は11月8日、都内でメディア・旅行関係者向けに「Meet Germany2022」と題したイベントを開催した。この日はドイツ各地からデスティネーションおよび観光サプライヤが3年ぶりに来日。それぞれプレゼンテーションを行なった。
いかに持続可能な観光業を発展していけるかという課題にいち早く取り組むドイツ
イベントではまず、ドイツ観光局 アジア・オーストラリア地区統括局長 日本支局長の西山晃氏が登壇し、「この夏すでにコロナ禍前に問題となっていたオーバーツーリズムに直面したデスティネーションもあった」と欧州の一部の観光地の例を挙げ、「今後ドイツでも起こり得るであろうオーバーツーリズムを克服する手立てとして、かつてのような大量送客は見直しを迫られている。一方でいかに収益を確保するかが課題で、旅行者1人あたりの消費金額のアップや旅行期間の長期化が解決策であると考えている」と述べた。
続いてドイツの現状報告。ドイツはすでに入国制限はなく、公共交通機関ではマスク着用義務はあるものの基本的に室内でもマスクなしが定着し、完全に“ポストコロナ”に入っている状況だという。
日本人以外のインバウンドリカバリー状況を宿泊数で表わすと、今年7月の段階で2019年と比較して68%まで回復。日本人旅行者も6~7月ですでに2019年水準の30%以上まで追いついてきており、これは日本政府観光局が発表している「日本から外国への出国数」の統計と比較しても、日本の出国の回復率を大幅に上回るペースになっているという。
現状コロナは規制がなくなりつつあるが、ウクライナ問題、円安、燃油料高騰、欧州インフラ、賃金停滞という5項目が現状のヨーロッパ旅行に対して高いハードルになっていると分析する西山氏。そこでこれらの要因にあまり影響を受けないターゲット層(=富裕層)に絞ったプロモーションイベントが今秋の「サステナビリティ」と「ラグジュアリー」であると説明した。
後半は、今回ドイツから来日したデスティネーション及び観光サプライヤのプレゼンの様子をお伝えする。
バーデンバーデン観光局
フランス、スイスとの国境に近い街バーデン・バーデンの観光局からはグローバル・マーケティング・マネージャーのKatjaさんが来日。2000年の歴史を持つヨーロッパ屈指の温泉保養地の魅力を語った。
ホテル アイゼンフート
ロマンチック街道の街ローテンブルクにある老舗ホテル。ドイツを代表する中世都市で最も贅沢に過ごせるホテルアイゼンフートには1987年に今上天皇がお泊りになっているという。Chrisさんが来日してプロモーションを行なった。
ホーエンシュヴァンガウ・マーケティング
ノイシュバンシュタイン城が見えるホーエンシュヴァンガウにあるヴィッテルスバッハ家(バイエルン家)のプライベートプロパティを管理する会社が「ホーエンシュヴァンガウ・マーケティング」。その会社のマーケティング担当のThomas氏がプレゼンをした。ホーエンシュヴァンガウ城はルートヴィヒ2世が幼年時代を過ごしたお城とのこと。
ケーテ・ウォルファルト
世界的に有名なクリスマス専門店ケーテ・ウォルファルトからはTakuma Wohlfahrt氏が来日。六本木ヒルズや名古屋のミッドランド スクエアのクリスマス・マーケットに今年も出店予定とのこと。いつかローテンブルクの本店クリスマスビレッジを訪れてみたい。
ルフトハンザ ドイツ航空
ルフトハンザ ドイツ航空はセールスエグゼクティブの稲葉氏から、現在デイリー運航中の羽田~フランクフルト線や、週3便で運航中の羽田~ミュンヘン線などの紹介があった。関空~ミュンヘン路線とセントレア(中部)~フランクフルト路線については運休中とのこと。現在ロシア上空を迂回するルートをとっているため、フライト時間が通常より2から3時間長くなっているという。またドイツ鉄道とのインターモーダリティについても紹介された。
ローテンブルク観光局
日本人のドイツ渡航地域トップ1のバイエルン州にあるローテンブルクからは、ローテンブルク観光局ツーリストオフィスのOliver氏が来日。お土産に配られたローテンブルクの名物「シュネーバル」は雪玉という意味のお菓子。