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ドイツ観光局、ドイツ旅行展でセミナー実施。ベートーベン生誕250周年で「#音楽の国ドイツ」をアピール

2020年は現地でコンサートやイベントを予定

2019年6月5日 実施

ドイツ観光局がドイツ旅行展セミナーを実施した。写真は冒頭であいさつするドイツ観光局 アジア・オーストラリア地区統括局長 日本支局長 西山晃氏

 ドイツ観光局は6月5日、都内でドイツ旅行展セミナーを開催した。2年に1回開催されているもので、今回が19回目。40年近く続く旅行関係者向けのセミナーとなる。同展ではドイツ観光の現状や今後のテーマ、ドイツ観光局の活動戦略などを発表した。

 また、ドイツからベルリン観光局やレイルヨーロッパなど18の観光サプライヤーが来日し、ワークショップも行なっている。セミナーはTwitter上でのライブストリーミング配信を実施。これはドイツ観光局が積極的に進めている「デジタル化戦略」の1つであると紹介された。

 セミナーの冒頭であいさつしたドイツ観光局 アジア・オーストラリア地区統括局長 日本支局長の西山晃氏によると、日本人の海外旅行者数の伸びはここ数年で好調だが、ドイツに関していえば過去のピーク時と比べればまだまだとのこと。ドイツへの観光客の日本人の割合は2018年度で1.4%。ちなみにドイツの場合、2桁%を越える送り出し国は隣国のオランダのみで、2番目以降の国は1桁台となり、6~7%のシェアを持っていればトップ3に入るという。

「日本人のドイツへの観光者数が一番多かった年はミレニアムイヤーだった2000年で、シェアは4%を誇っていました。その次は2006年のサッカーワールドカップのあった年。その次はベルリンの壁崩壊の翌年の1990年となります。実は昨年の1.4%という数字はこの1990年にもおよんでいません。今日はぜひドイツ観光の今の現状と最新情報をたっぷり知って帰ってください」と西山氏はあいさつを結んだ。

ドイツ観光局 マネージャー・マーケティング&セールスの高尾舞弓氏

 続いてドイツ観光局 マネージャー・マーケティング&セールスの高尾舞弓氏が登壇し、ドイツへの旅行者のターゲット層分析や日本人のドイツ宿泊統計などの報告があった。高尾氏によると、日本人の海外旅行においてのヨーロッパ旅行シェアは22%で、アジアに次いで2位。長距離であるがゆえの費用面、日数などのデメリットがあるものの、日本人にとってヨーロッパは依然人気のデスティネーションであることが報告された。

日本人のドイツ宿泊統計は前年比で4%の増加
2017年ドイツの旅行先ランキング1位はバイエルン州

 続いて、ドイツの旅行先ランキングトップ5や、日本人がドイツを旅行するときの主な観光テーマなどが発表された。一番多いのはミュンヘン空港があるバイエルン州で、ここはロマンチック街道やノイシュバンシュタイン城など「日本人がイメージするドイツ」が点在するエリア。興味深かったのは、ヨーロッパを旅行する日本人旅行者の多くは高収入・高学歴だというはっきりした統計結果が出ていることだ。特に需要の多い旅行テーマは「都市と文化」だという。

ドイツのライバル国はイタリアとフランス
35~54歳という旅行者層が一番多い

 旅行会社が造成するツアーの宿泊都市ランキングでいえば、サマーシーズン、ウィンターシーズンともに1位がローテンブルク、続いてミュンヘンとなっており、ミュンヘンより小さな街のローテンブルクがトップというのが興味深い結果であると発表された。

中世ドイツの歴史が残る街ローテンブルクへのツアー数がランキングトップ

 ドイツ観光局のマーケティング戦略として、ドイツ観光局日本語Twitterアカウントの紹介があった。ドイツの観光ポイントやキャンペーンなどを毎日アップしており、現在のフォロワー数は約7万5000人。各国政府観光局のフォロワー数ランキングで1位だという。1ツイートの平均でエンゲージメント総数が5000回、インプレッション数は10万回であり、「ツイッターは1つの大きな広告媒体となっている」と高尾氏はいう。

2017年3月にスタートしたドイツ観光局ツイッターのフォロワー数は約75,000人
各国政府観光局のフォロワーランキングではドイツ観光局が1位

 最後に、ドイツ観光局としての今後のテーマが発表された。2019年はバウハウス100周年を迎えたことが注目ポイントで、ドイツ国内でいくつかのイベントが開催されているという。ベートーベン生誕250周年にあたる2020年には、ベートーベンの出身地ボンを中心に、ドイツ全体でさまざまなコンサートやイベントが開催される予定だという。Twitterでもハッシュタグ「#音楽の国ドイツ」で機運を醸成していく。

ベートーベン生誕250周年にあたる2020年はコンサートやイベントが数多く予定されている
並行して「音楽の国ドイツ」のプロモーションを進めていく
「音楽の国ドイツ」で気軽に音楽で楽しむプランがいくつか紹介された
2020年はオーバーアマガウ(Oberammergau)という小さな村で「キリストの受難劇」が公演される。これは10年に1回という貴重な劇で世界中から多くの観光客を集める
2020年からは「ラグジュアリー」テーマを重要視したプロモーションを進めるという
ドイツ観光局としては引き続きデジタル化を積極的に取り入れていく予定