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フランス観光開発機構、印象派絵画風アニメでパリ、ロワール、ノルマンディーの魅力を紹介。アンケートに回答すると航空券やポストカード当たる

2022年7月20日 開催

フランス観光開発機構がアニメを使った観光キャンペーンを実施

 フランス観光開発機構は7月20日、オンライン記者発表会を開催し、2022年の日本人向け観光キャンペーンを発表した。今年は「あなたのフランスはどんなところ?」をキーワードに、オリジナルアニメでフランスの魅力を訴求する。日本でアニメを使ったプロモーションを行なうのは、フランス観光プロモーション機関が日本に設立された1971年以来初めてとなる。

フランス観光開発機構 在日代表のフレデリック・マゼンク氏

 日本のアニメが好きだという、フランス観光開発機構 在日代表のフレデリック・マゼンク氏は「前向きに今後のことを考えなくてはならない。難しい時代に実施するキャンペーンだからこそ重要と考えた」とコメント。コロナの影響で日本市場が縮小するなか、「お客さまが2、3年フランスに行っておらず、フランスから離れていたことを考えると、中身はフランスそのもので、形として日本人の心に響くものが必要」と考え、キャンペーン手法として日本人になじみのあるアニメを選んだことを説明した。

フランス観光開発機構 デジタルコミュニケーション・マネージャーの佐子なつ美氏

 記者会見では、フランス観光開発機構 デジタルコミュニケーション・マネージャーの佐子なつ美氏がアニメについて紹介。日本からフランスを旅行する主な客層を代表する登場人物として「若い女性」「カップル」「三世代家族(祖母・母・娘)」を設定。パリのチュイルリー公園を出発地に、パリ市内、ノルマンディー地方、サントル・ヴァル・ド・ロワール地方をそれぞれ訪問し、パリのセーヌ川沿いに戻ってくるというストーリーだ。

おしゃれ好きのサラとSNSにはまっているミルは大学時代の同級生
ハヤトとヒカリは共働きの夫婦。今回の旅行はハヤトが企画した
フランスリピーターのタエコ(祖母)とマユミ(母)、モエカ(娘)

 アニメは「日本専用のキャンペーンなので、日本人の目線とセンスを使ってコンテンツを創る」(マゼンク氏)との思いから、日本のアニメスタジオ「Studio Daisy」に制作を依頼。監督はゲーム「スターオーシャン:アナムネシス-Twin Eclipse」のオープニングアニメや「夜桜四重奏〜ハナノウタ〜」などを手掛けたりょーちも氏が、演出は清水理央氏が担当した。

 映像は「印象派の画家」を意識し、光と時間の移ろいにこだわったという。ナレーションは見た人がそれぞれの「フランス」を意識できるようあえて抽象的な内容にしている。音楽は「Butterfly Effect」のMinji Kim氏とNobuhiro Taten氏が担当。フランスの作曲家・ドビュッシーの「アラベスク第1番」をモチーフにした曲がフランスへの旅情を誘う。

各グループは最初にチュイルリー公園を訪問

 本アニメは、キャンペーン特設ページから視聴することができる。さらに特設ページでは「診断ゲーム」を実施している。12問の質問に回答するとおすすめの訪問先を提示するもので、ゲーム中のアンケートに回答した人のなかから抽選でエールフランス航空の日本~パリ往復航空券エコノミークラスを1組2名に、オリジナルポストカードを60名に贈呈する。

 そのほかフランス観光開発機構の公式YouTube、Facebook、Twitterでは各グループ・地方ごとのミニ動画も公開。オンラインでのプロモーションも実施する。

診断ゲームのアンケートに回答すると抽選で航空券やポストカードがもらえる

 今後はキャンペーンに協賛するエイチ・アイ・エス(HIS)の商品を、フランス観光開発機構の公式サイトやSNSで紹介していく。アニメに沿った商品展開については「具体的な話は出てないが、HISかキャンペーンのテーマに合致した内容のオファーがあれば実現に向けて前向きに検討する」という。HISでも、同アニメをプロモーションやイベントなどで紹介する予定としている。

フランス観光開発機構 広報担当の増田真由美氏

 続いてフランス観光開発機構 広報担当の増田真由美氏が、キャンペーンに協賛したパリ観光会議局、ノルマンディー地方観光局、サントル・ヴァル・ド・ロワール地方観光局、サマリテーヌのそれぞれの地区について見どころを紹介した。

 まずパリでは、パリ管弦楽団の本拠地であり、建築家・ジャン・ヌーヴェルが手掛けた「フィルハーモニー・ド・パリ」や“パリの胃袋”ことモントルグイユ通り、2021年5月に開業した新現代美術館「ブルス・ド・コメルス」などを紹介。また、最近のトレンドだという自転車でのパリ散策を提案した。総全長1000km超のサイクリングロードはさらに延長予定という。

アニメで紹介されたパリのスポット
自転車でパリを散策するのもおすすめ

 フランス北西部にあるノルマンディー地方については、気軽に列車の旅を楽しめるアクセスの良さをアピール。ルーアンの歴史地区やペイ・ドージュのカルヴァドス農園に加え、少し変わったモン・サン・ミッシェルの楽しみ方として、周辺の湾を歩くハイキングを提案した。

イギリス海峡に面したノルマンディー地方の見どころ
ノルマンディーで晩年を過ごしたクロード・モネの作品「印象・日の出」発表から150年を迎える

 古城が並ぶロワール渓谷では、フランス中央部を流れるロワール川沿いのサイクリングを提案。アニメの登場人物たちが訪れたアンボワーズ城、シュノンソー城、ヴィランドリー城とその庭園を紹介したほか、今年リニューアルオープンしたジアン陶器博物館をアピールした。

フランス最長のロワール川流域に古城が並ぶ景観が美しい
ジアンは1821年に設立されたフランスを代表するテーブルウェアブランド

 最後に紹介したのは「サマリテーヌ」。16年にわたるリノベーションを経て2021年6月にリニューアルオープンしたパリの老舗百貨店で、歴史建築を堪能できる館内ガイドツアーなどを実施している。「ポン・ヌフ館」の大階段や、日本の建築事務所「SANAA」が設計した「リヴォリ館」のガラスのファザードなど見どころ豊富で、館内9か所にあるレストランで食事をするのもおすすめとという。

パリの老舗「サマリテーヌ」ではショッピングはもちろん、見事な歴史建築を眺めたり、レストランをはしごしてパリの美食を堪能したりと1日中楽しめる