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マレーシア政府観光局、ランカウイ島のトラベルバブル要件緩和など紹介。日本側の緩和でより往来しやすく

2022年3月3日 実施

マレーシア政府観光局 東京支局 副支局長 アフマド・ジュナイディ・ヤハヤ氏

 マレーシア政府観光局は3月3日、「マレーシアアップデートウェビナー」を開催した。マレーシアでは2021年11月15日から「ランカウイ島トラベルバブル」を開始して、観光客の受け入れを再開しているところ。

 セミナーの冒頭に登場した、マレーシア政府観光局 東京支局 副支局長のアフマド・ジュナイディ・ヤハヤ氏は、「マレーシアの新規感染者数は多いが、国内では日常生活が戻ってきている。コタキナバルやクアラルンプールの最新情報を動画で紹介することで、マレーシアの町がノーマルだということを分かっていただけるのでは」と語った。

マレーシア政府観光局 東京支局 大月聡子氏

 セミナーではまず、マレーシア政府観光局 東京支局の大月聡子氏が、マレーシアの現状とコロナ禍における入国規制などについて紹介。新型コロナウイルスのオミクロン株の流行により、1月末から感染者数が増加し、学校のクラスターなどが多く発生していたが、ここ数日間の感染者数はピーク時よりも減少していることを説明した。

 ワクチンの接種状況については、3月2日時点で全体の接種率は78.9%で、成人の接種率は97.5%にも上る。ブースター接種も成人は62.6%が終了しており、同氏は「ワクチンを接種していないと大幅に行動が制限されるため、接種率が高い」と説明した。

 現在の入国規制については、ビザなしの観光客についてはトラベルバブルを利用したランカウイ島のみ入国可能であることを説明。14日以内の短期商用については、事前に行程表を提出する必要があるとした。ともに入国後の隔離は必要ないという。なお、ビザがある場合は入国後隔離が必要で、日数はワクチンの接種状況により異なる。

 ランカウイ島のトラベルバブルはワクチン2回接種完了者が対象。出発48時間前までに取得した陰性証明書を用意し、観光省が認可したツアーオペレーター経由で予約し、滞在中1グループにつき1人ガイドをつける必要がある。最低滞在日数は3日以上で、8日目以降、またはブースター接種済みの場合は5日以降に島外に移動できる。

 大月氏によれば、2月末まで約5700人がトラベルバブルに参加。なかには日本人もおり、ランカウイに滞在したあとにほかの都市に用事がある、家族や友人に会いに行く、といった「観光以外の目的を持つ人が多い印象」だという。

 また、同氏はトラベルバブルの要件緩和についても紹介。海外旅行保険について、これまではコロナウイルスの治療費用が8万米ドル以上含まれるものに加入する必要があったが、2月17日から5万米ドルに引き下げられた。さらに、3月3日からは滞在中のPCR検査が不要になったといい、「滞在中の負担と出費に関して軽減されることになる」と喜びを示した。ただし、日本帰国時の水際対策として、出国前72時間以内の検査結果を提出する必要があるため、忘れないよう注意する必要があるという。

 入国後については、コロナ感染予防アプリ「MySejahtera(マイ・セジャテラ)」をダウンロードすることが義務付けられていることを解説。PCR検査結果の証明やレストランなどに入店する際のQRコードの読み取りに利用する。

 完全な規制撤廃については、早ければ3月1日からという報道もあったが、大月氏は「周辺諸国とトラベルレーンの交渉をしつつ準備をしているところ。今少しお時間をいただければ」とコメント。なお、3か月限定ということで始まったランカウイ島のトラベルバブルは「開国するまで同じ条件で継続することが決定している」という。

 さらに、同氏は3月1日から日本の水際対策が緩和されたことについても言及。政府はこれまで入国後の待機日数を一律で7日間としてきたが、指定する特定の国・地域からの帰国の場合はこれを最短で3日間に短縮する(※検査等の条件あり)。さらに3回ワクチンを接種している場合は自宅などでの待機を求めないこととしている。大月氏はマレーシアは特定の国・地域以外であることを説明し、「ブースター接種は待機なしとなっている。帰国しやすくなってきたので、お出かけやすくなったのでは」と喜びを語った。

 その後、セミナーではクアラルンプールのブキビンタン通りをはじめとしたクアラルンプールの町の様子や、コタキナバルのタンジュンアルビーチの様子を動画で紹介。現地の人々が通常どおり日常生活を送っていることをアピールした。

動画で現地の情報を紹介した

コロニアル建築に食にSDGs……ペナン島の魅力をオンラインツアーでアピール

 セミナーでは、CNNの旅行情報サイト「CNN Travel」の「2022年に訪れるべき観光地」でトップにランクインしたというペナン島について、VTRを交えながら紹介した。ペナン島は東京から約7時間半、関西から約6時間半で移動でき、クアラルンプール経由で国内線に乗り継ぐ経路が一般的。観光客は主に北部のビーチエリアと北東部のジョージタウンに訪問している。

 なかでも2008年に世界文化遺産に登録されたジョージタウンは観光の中心地。マレーシア政府観光局によれば、マレー、中国、インド、ヨーロッパの影響を受けた多様な文化の交流地として、多民族国家ならではの文化を肌で感じることができるという。

 ペナン島は18世紀末から英国の統治下で貿易の中心として栄えており、シティホールやセント・ジョージ教会など当時のコロニアル建築群が見どころの1つ。教会・モスク・中国寺院・ヒンドゥー教寺院が集まる「ハーモニーストリート」も目玉だ。このほか、街中に点在するウォールアートやワイヤーアート巡りもお勧めだという。

 さらに、セミナーでは「グルメの町ペナン」として、ご当地麺「アッサムラクサ」やワンプレートのご飯「ナシカンダー」などのご当地料理を紹介。ギネス世界記録認定された全長1.1kmのウォータースライダーがあるウォーターパーク「エスケープ」や、68階建ての高層ビル「コムター」の最上階にある、全面ガラス張りのブリッジ「レインボースカイウォーク」などのアクティビティも動画でアピールした。このほか、ユネスコ生物圏保護区に指定された「ペナンヒル」も紹介。SDGs要素が多いことから教育旅行向けの素材にお勧めだという。

 セミナーの最後には現地との中継によりペナン島のオンラインツアーを実施。SMI Holidayペナン支店の橋詰由紀子氏がペナン島をトライショーに乗りながら散策し、コロニアル建築や食事の魅力などを紹介した。

オンラインツアーの様子。トライショーに乗ってハーモニーストリートを移動したほか、屋台も訪れた