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二条城そばの「ザ ロイヤルパーク キャンバス 京都二条」に泊まってみた。インパクトあるラウンジは必見!
2021年6月21日 00:00
- 2021年6月6日 開業
ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツは、6月6日に「ザ ロイヤルパーク キャンバス 京都二条」を新たにオープンした。
同社はこれまでに15軒のホテルを運営しており、そのうち4軒はライフスタイル型ホテル「キャンバス」として展開している。キャンバスブランドは、「FUN(楽しむ)」「LOCAL(地域に根差す)」「CONNECT(つながる)」をキーワードに、カジュアルで足を踏み入れやすいホテルという位置づけで、同ブランドでの開業は京都でははじめて。
ザ ロイヤルパーク キャンバス 京都二条の目玉は、過去と未来をデザインコンセプトにした「CANVASラウンジ」。また、横浜ロイヤルパークホテル総料理長監修の朝食「CANVASプレート」や「京(MIYAKO)サワー」などここでしか味わえない料理やドリンクもある。
この京都二条に誕生した新たなホテルにさっそく宿泊してきたので、その魅力をお伝えしよう。
ザ ロイヤルパーク キャンバス 京都二条
所在地: 京都市中京区西ノ京職司町22-7
アクセス: JR山陰本線・嵯峨野線「二条駅」から徒歩2分
規模: 客室数180室(地上8階建、延べ床面積約6610m 2 )
付帯設備: CANVASラウンジ(75席+個室10席)、大浴場、ジムなど
目次
・思わず二度見の映えるラウンジ
・全9タイプの客室をチェック
・「スタンダードツイン」に試泊
・支配人に聞く
ザ ロイヤルパーク キャンバス 京都二条は、京都市の中心部、JR「二条駅」東口すぐの交通至便な地にオープンした。二条駅は京都駅から3駅わずか7分のアクセス。また二条駅自体もコンパクトなため、ホームから改札を経てホテルまでの動線が短いところも大きなポイントだ。スーツケースなど大きな荷物があるときは、京都駅周辺のホテルよりこちらの方が使い勝手がよいだろう。
二条駅からは、JR山陰本線・嵯峨野線で京都市内を南北に、地下鉄東西線で東西に移動できるため、荷物をホテルに置いて観光やビジネスに出かける際の拠点としても都合がよい。
二条駅にはコンビニがあり、駅西口にはシネコンも入るショッピングモールもあるため、買い物や食事に便利なのも◎。国宝・世界遺産の二条城が徒歩圏内で、堀沿いの二条城外周は平たんな歩道で信号もないため、晴れた日には散歩やランニングにもでかけやすい。
思わず二度見! 映える「CANVASラウンジ」
ライフスタイル型ホテルの特徴は、一般的にデザイン性の高い空間づくりと、宿泊以外に付加価値を設けていることとされる。ザ ロイヤルパーク キャンバス 京都二条もライフスタイル型ホテルということで、筆者はワクワクしながらエントランスをくぐり、そして目の前の光景に目を奪われた。空間の半分が和風旅館のロビーのようなしつらえで、もう半分が光沢のある黒で仕上げた未来を感じさせる空間に真っ二つに分かれているのだ。
「CANVASラウンジ」と銘打ったこのスペースは、コントラストをデザインコンセプトに、1つのフロアで「過去」と「未来」「伝統」と「革新」を表現したという。木質と無機物、白と黒、明と暗の対比は見事の一言だ。同じ場所の過去と現在を、例えば写真を並べて見せるのではなく、実際に設備として作っているのはインパクトが大きい。しかも実用性はまったくスポイルしておらず、その場にいると違和感も覚えないのだ。
CANVASラウンジ全体は、手前から奥にかけて、ホテルフロント、バーカウンター、ソファと全75席のテーブル席、全10席の個室になっている。フロントはアクリルボードとタブレットに入力するチェックイン方式でウイルス対策としている。チェックアウト時の清算は自動精算機を使用する。客室のアメニティは最低限のもののみとしており、必要なものがあればフロント向かいの「CANVASピックアップ」から持っていく。SDGs時代の標準方式だ。
フロントの奥は、「未来」側にバーカウンター、「過去」側にソファ席とテーブル席が置かれている。落ち着いてくつろげるようライティングも調光しており、バーでドリンクを受け取ってソファで調べ物などをしたり、アクリルボードのあるテーブル席で仲間たちと談笑したりできる。
なお、ホテル内で最も和風にしつらえてあるのはこのソファ周辺で、ホテルに到着してすぐに和を感じる空間があることで外国人旅行者にも喜んでもらえそうだ。実際、ソファとテーブルの背後の棚には一見無秩序なラインアップの造形物が並んでいるが、これは日本文化の影響を強く受けたことで知られるクロード=モネのアトリエを現代に再現したらどうなるかというコンセプトで集めた、“西洋人から見た日本をイメージさせるもの”というカテゴリーなのだそうだ。
ドリンク類は、フロントと隣り合わせのバーカウンター(カフェ&バー)で購入することができる。営業時間は11時~24時(L.O.23時)で、18時までのカフェタイムには京都発祥の小川珈琲が提供する国際フェアトレード認証コーヒーを用意しており、宿泊者は無料(外来は700円~)で飲むことができる。コーヒーマシンでエスプレッソやラテ、アイスコーヒーも楽しめるが、ぜひチャレンジしてほしいのが空気の圧力で抽出するエアロプレス。比較的新しいコーヒーの淹れ方でまだあまり見かけないが、コーヒー豆の風味をしっかりと引き出した味わいが楽しめるのだという。
また、CANVASラウンジのコンセプトでもある「過去と未来」「伝統と革新」というコントラストをコンセプトに、INOVATION PLANNINGと共同で作った「京(MIYAKO)サワー」もぜひ。
酒粕を使った甘酒ベースの「酒粕サワー」、大葉に酸味と塩味などを加えてスッキリと飲みやすくした「大葉サワー」、人参にりんごや蜂蜜を加え、飲みやすく人参の栄養素も吸収しやすいようにした「人参サワー」の3種類で、彩りも味もほかにはない、ここだけの“野菜を飲むサワー”だ。
CANVASラウンジは、時間帯や使用目的によりさまざまに利用できる。
基本的には6時30分~10時までは朝食会場として、11時~18時はカフェとして使用するが、テーブルとチェアは自由にレイアウトを変えることができ、また86インチの大型ディスプレイやDJブースも備えているため、講演やセミナー、音楽公演、パブリックビューイングなどにも対応可能。
コロナ禍の現在は集客する用途には使いにくいが、イベントなども計画していくとのこと。また、10席の個室もあり、ミーティングなどに使えるそうだ。
全180室の客室、その主要タイプを細かくチェック
ザ ロイヤルパーク キャンバス 京都二条の客室数は全180室で、部屋タイプはコネクティングルームを含む全9タイプ。ライフスタイル型ホテルだけあって、客室はいずれも白が基調のシンプルな内装で、清潔感を第一にしている印象だ。
調度品や装飾品は最低限としているものの、温水洗浄便座やサイネージ兼用のテレビなど、備品には使い勝手のよいものが配置されている。信号強度が強く高速で安定したWi-Fiがあり、ベッドサイドにはスマートフォンの充電に便利なUSBポートやテーブルも用意され、金庫内にまで電源があって外出中でもデジタルガジェットの充電ができるなど、現代のホテルにあってほしいものは不足なく揃っている印象だ。
館内の設備としては、1階に大浴場、ジム(新型コロナ対策で現在は使用不可)、自販機コーナー。5階にランドリールーム、6階にレンタルアイテムルーム(貸出備品庫)、奇数階に製氷機、全フロアにアイロンとアイロン台を設置している。長期の旅行やビジネスでの出張の際にはありがたいランドリールームと大浴場は、部屋のテレビにリアルタイムの混雑状況を表示できるので、洗濯物を持って部屋とランドリールームを何往復もせずにすむし、大浴場も空いている時間を狙って利用できる。
客室タイプ
スタンダードツイン/キング: 22.1~23.4m 2 、定員1~2名、ベッド幅110cm×2/220cm×1
スーペリアツイン: 25.8m 2 、定員1~3名、ベッド幅110cm×2+95cm×1(ソファベッド)
コンフォートダブル: 17.1m 2 ~19.1m 2 、定員1~2名、ベッド幅140cm×1
モデレートダブル/ツイン: 22.8m 2 、定員1~2名、ベッド幅160cm×1/110cm×2
コネクティングルーム: 22.1m 2 +26.8m 2 、定員1~4名(スタンダードツイン+デラックスツイン)
コーナーデラックスツイン: 47.0m 2 、定員1~3名、ベッド幅120cm×2+116cm×1(ソファベッド)
部屋の居心地は? 朝食は? ザ ロイヤルパーク キャンバス 京都二条に試泊してみた
では、実際に泊まった感じはどうなのか。開業に先立つ6月2日から3日にかけて「スタンダードツイン」に試泊させてもらった。もちろん、目玉の朝食CANVASプレートもいただいたので、部屋の備品の使い勝手や居心地、そして朝食を、写真と解説でお伝えしたい。
取材後、部屋で仕事をするつもりだったが、寝具の大手「西川」のグリーン羽毛の寝具で少し横になっているうちにしっかりと熟睡。気が付けば朝だった。グリーン羽毛は、国内の使用済みの寝具から羽毛を回収し、洗浄して再び寝具として使えるように回復させたもので、資源として循環させる取り組みだ。
コントラストと快適さを体感してほしい
取材の最後に、ザ ロイヤルパーク キャンバス 京都二条の総支配人、田熊圭氏に話を聞いた。
まずメインとするターゲット像について質問すると、「当ホテルは、ミレニアル世代を意識しています」と田熊氏。ミレニアル世代は、物質的な豊かさより精神的な豊かさを優先したり、社会貢献性の高い行動をしたいと考えたりといった特徴があるとされる。
本ホテルのシンプルで機能性が高い快適な室内空間や備品のチョイス、アメニティの使用量を減らす仕組みなどはこの考えが原点にあるようだ。また、「ホテルスタッフが身に着けているスカーフ、これはrenacnatta(レナクナッタ)というブランドのもので、着物の絹の反物とイタリアのシルクのうち、使わ“れなくなった”部分から生まれたものです」とのこと。これはSDGsの取り組みとも重なるものといえる。
田熊氏は「泊まっているだけでSDGsに貢献している……そんなストーリーが思い描けるようなホテルを目指しています。(宿泊施設としての)快適さのクオリティに関しては間違いがありませんので、ぜひそれを体感してほしいですね」という。
対比が見事なCANVASラウンジについては、「デザインのコンセプトはコントラストです。過去と未来、京都の伝統と革新をデザインとして表現しました」とのこと。また、日本が開国し日本文化が海外に伝わると、多くの西洋人を夢中にさせたことはよく知られるが、そのなかでもクロード=モネはその作風にも影響を与えている。
田熊氏はそのことに触れ、「そこで、(『過去』側については)モネのアトリエを現代に再現したらどうなるか、そのイメージで日本のアーティスト作品やレトロなものを集めています。それと対比して、『未来』側はLED照明などを駆使して浮遊感が味わえるようになっています。訪れたお客さまには、まずはぜひこのラウンジを見ていただき、コントラストを楽しんでいただければと思います」と話してくれた。
ザ ロイヤルパーク キャンバス 京都二条は、20代~30代のミレニアル世代をターゲットにしており、ラウンジをはじめ全体的にカジュアルな雰囲気だが、シンプルな客室は使い勝手もよく快適で、多くの世代が違和感なく宿泊できると感じた。客室には高速Wi-Fiもテーブルもあり、デスクライトもフロントで借りられ、さらに大浴場も完備しているので、コーヒーを部屋に持ち帰ってワーケーションやリモートワークの拠点にするという使い方もできそうだ。
なお、2021年9月30日までは特別な料金で宿泊できる「開業記念プラン」も用意している。公式サイトからの予約で、2名1室1名あたり2750円~という破格の設定だ。コロナ禍のちょっとした気分転換に、斬新なラウンジと清潔な客室でホテルライフを楽しんでみてはいかがだろうか。