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資生堂、「花粉肌荒れ」の仕組みと対処法を公開。肌に花粉を付着させない・バリア機能を低下させない

2021年1月19日 発表

資生堂が春先の「花粉肌荒れ」について仕組みと対処法を公開した

 資生堂は1月19日、2月から3月ごろの春先に起こる「花粉肌荒れ」について、仕組みと対処法を公開した。

 同社が花粉症者(600名)と非花粉症者(600名)に実施した調査によると、全体の約6割が「春先に肌のゆらぎ・肌荒れを感じたことがある」と回答しており、非花粉症者に限定しても約4割が同じように感じていることが分かったという。

 資生堂の研究では、花粉による肌荒れは花粉症でなくても起こりうることが明らかになっており、今回同社が公開したレポートでは皮膚科医の日比野佐和子氏による仕組みと対処法が盛り込まれている。

「肌のゆらぎ・肌荒れを感じる」と答えた人を対象にした対策についての設問では、肌の不調を感じつつも対策を取っていない人が約6割。一方、対策している人は「保湿のスキンケア用品をたっぷり使う」「スキンケア製品を変える」「睡眠・休養を増やすようにする」などが挙げているものの、「花粉から肌を守る化粧品を使う」という回答は非常に少数だったという。

 春先の花粉症は、スギ花粉のタンパク「Cryj1(クリジェイワン)」という物質が原因になっており、肌に付着すると「トロンビン」という肌の酵素が活性化して表皮細胞が興奮状態になり、肌荒れが起こってしまう。資生堂によればこのメカニズムは非花粉症者でも起こるもので、さらに春先の花粉・紫外線増加、新生活でのストレスなどが加わって肌のバリア機能も低下しがちになる。

 そこで花粉肌荒れを予防するには、「花粉を肌に付着させない」「皮膚のバリア機能を低下させない」ことが重要になってくるという。資生堂が呼びかけている対策・注意点は以下の8項目。

マスクとあわせて花粉の付着を抑えるアイテムを使う

 花粉・ちり・ほこりなどの空気中の微粒子汚れや、紫外線ダメージ・乾燥などの外部刺激から守ってくれるスキンケアやメイクで花粉の付着を抑える。マスクは肌への刺激が少ない柔らかい素材の不織布、または綿・麻・絹などの天然素材を選ぶ。

肌を守るクリームなどの上からマスクを装着する

 マスクの隙間から花粉は侵入してしまうため、露出している部分だけでなく、マスクで覆う鼻から頬、口元にかけても肌を守る機能を持ったクリームなどを使用して、そのうえでマスクを着用するのが好ましい。

花粉が多い日の外出を控える

 花粉は「晴れて気温が高い日」「空気が乾燥して風が強い日」「雨上がりの翌日」「気温の高い日が2~3日続いたあと」に大量に飛散すると言われているため、外出する場合は気候を意識する。

帰宅したらすぐ洗顔・しっかり保湿

 帰宅したら、しっかり手を洗ったあとに刺激の少ない洗顔料で花粉を洗い流す。泡立ちのよいものがお勧めとのこと。

洗顔後の保湿でバリア機能対策

 肌のバリア機能は、表層部0.02mmほどの角層の水分が皮脂膜によって保たれ、細胞間脂質がきちんと生成されていることで維持されるという。特に皮膚の薄い部分は水分がなくなりやすいので、洗顔・風呂上がりには早いタイミングでしっかり保湿する必要がある。日中も保湿ミストの使用などを推奨。

外出を控えていても花粉対策を怠らない

 外出を自粛している状況下でも換気などで室内に花粉が侵入したり、外に干した洗濯物に付着したりするため、自宅にいても花粉から肌を守るアイテムを使用する。

抗酸化物質(ビタミンA・C・E)を摂る

 ビタミンA・C・Eは抗酸化のほかに、皮膚や粘膜を正常に保ち、免疫力を維持する働きがある。緑黄色野菜やフルーツ、春にかけて旬のキャベツやいちごをお勧めに挙げている。また、ブルーベリーなどに含まれるポリフェノール、サケなど赤い魚介類に含まれるアスタキサンチンなども抗酸化物質。腸内環境を整えて自律神経が安定すると免疫細胞の正常な活動を助けるため、乳酸菌の多いヨーグルトが肌の保湿機能を上げるという研究報告もあるという。

「食べすぎが肌あれを助長」は本当

 食べ過ぎで腸の働きが鈍ると、ビタミンB群の吸収障害が起こり、肌荒れや皮膚炎を起こしやすくなる。睡眠不足や不規則な生活など、日常生活におけるストレスも肌荒れに影響する。