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ピーチ、鉄道駅に直結する成田空港 第1ターミナルに移転。成田発着便拡大に向け布石
2020年10月25日 15:59
- 2020年10月25日 移転
ピーチ(Peach Aviation)は10月25日、成田空港の使用ターミナルを、これまでの第3ターミナルから第1ターミナルへ移転し、運航を開始した。
成田空港においてピーチは、2013年10月27日の成田初就航以来、第1ターミナルを利用していたが、、バニラエアとの統合があり、2019年10月27日から第3ターミナルへ移転。そして今回、再び第1ターミナルへ戻って運航を開始することになった。
「冬ダイヤは生き残りをかけた重要な期間」。5年、10年をかけて成田発着便を拡大へ
1年ほどでの再移転となった理由について、ピーチ 代表取締役CEO 森健明氏によると、「ピーチは成田発着の国内線、国際線を、5年、10年でかなり増やす予定。第3ターミナルは拡張も進められているが、キャパシティがいっぱいになり、事業拡大に支障ができるのではないかと懸念があった」と説明。また、「第1ターミナルにはANA(全日本空輸)のみならず多数の国際線が乗り入れている。そのすべての国際線との乗り継ぎを期待しているのも事実」とした。
ちなみに、ピーチは10月25日からの冬ダイヤで新千歳(札幌)~那覇(沖縄)線、仙台~那覇線を新規開設。国際線も台北線を3路線で再開する。11月にはさらに運航便数増加、12月24日はセントレア(中部国際空港)~新千歳線就航と、運航規模を順次拡大する計画となっている。
森氏は、8月は多くの便数を飛ばしたが搭乗率は5割未満だった一方で、9月、10月は感染者数の減少傾向がないにも関わらず需要回復の手応を感じているといい、冬ダイヤ期間を「生き残りをかけた極めて重要な期間」と位置付けている。
成田発着便の事業規模拡大に向けては、まずは国内線を主軸に置く考え。「コロナの影響は約1年間は続くだろうと思っており、我々の事業規模の約4割を占める国際線の比率は少し縮小する必要がある。そのリソースを国内線にシフトしようと思ったときに、現在はGo To トラベルキャンペーンという非常に大きな後押しがある。11月は需要も回復してきており、この流れをしっかりと捉えるためにも、あまり時間をおかずに早々に実施していきたい」とコメント。新規路線開設の可能性も否定しなかった。
一方、アフターコロナ期においては国際線の拡大も検討。「現在は日本のお客さまが日本の新たな魅力を発見する時期。それを海外に発信することで、これまでのインバウンドの方々が新たな場所へ行ける。コロナ後のインバウンドの観光客は、コロナ前よりも確実に増えると考えているので、そうなると成田空港からの国際線も増やすことになる」との展望を語った。
国内線はANAカウンターを利用。国際線は北ウイング発着
第1ターミナルへの再移転となったピーチだが、チェックインカウンターは以前とは異なる。国内線は南ウイングのANA国内線カウンターをそのままピーチが利用し、その近くに自動チェックイン機が並べられる格好となっている。
ANA国内線の成田発着便が運休中であることから、そのまま使っているというが、ANA便が運航を再開し、その便数が増えた場合には、ピーチのチェックインカウンターの場所が変わる可能性があるとしている。
第3ターミナルと第1ターミナルの大きな差としては、JR東日本(東日本旅客鉄道)と京成電鉄の駅に直結していることが挙げられる。森氏も「首都圏の方はもとより、JRや京成電鉄を使って成田空港へお越しになる空港近隣の方には非常に利便性が向上すると思っている。より多くのお客さまにご利用いただければと思っている」と、この点を強調している。
この鉄道駅からチェックインカウンターへの動線もよく、第1ターミナル地下の駅から「国内線」の案内に従って進んだ先のエスカレータ/エレベータを上がった目の前がチェックインカウンターになる。
一方、国際線は第1ターミナルの北ウイング発着となるので、鉄道で成田空港を訪問した場合、「国内線は左、国際線は右」へ進むイメージを持っておくと迷わないだろう。
ちなみに成田発着の国際線は10月26日の台北線から再開する予定で、移転初日の10月25日は国内線のみ20便が成田空港から出発。
奄美行きMM541便では、代表取締役CEO 森健明氏、成田オペレーションサポートセンター長の富永有一氏らが、CA(客室乗務員)とともに搭乗口で第1ターミナル移転をPR。85名(幼児1名含む)を乗せた飛行機の姿が見えなくなるまで手を振って見送った。