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猿島・第二海堡への新拠点「三笠ターミナル」に行ってみた。新鋭クルーザー「Sea Friend 8」もお披露目
2020年7月16日 15:47
- 2020年7月15日 オープン
トライアングルは、猿島航路および東京湾第二海堡(かいほう)上陸ツアーの新たな拠点となる「三笠ターミナル」(神奈川県横須賀市小川町27-16)の完成にともない、内覧会を開催した。
猿島は、横須賀沖約1.7kmにある無人島。旧日本軍が使用した司令部跡のレンガ造りのトンネルや、国史跡に指定された要塞跡の兵舎、弾薬庫がそのまま残されている。島全体が公園のように整備されていて、ショップなども併設している。
東京湾第二海堡は、猿島よりも沖合で東京湾口のほぼ中央あたりに位置する、首都東京および横須賀軍港を守る目的で1914年(大正3年)に完成した人工島要塞。現在は国土交通省 関東地方整備局、海上保安庁第三管区海上保安本部、海上災害防止センターが利用し、航路の安全確保や気象、海象などの観測に活用されている。
三笠ターミナルは、1階にチケットターミナルと横須賀市の観光案内所、お土産販売、飲食店、2階に猿島や第二海堡の魅力を伝える「猿島ビジターセンター」、3階がトライアングル本社が入居する。
施設はトライアングルが運営し、横須賀市が1階に観光案内所を設置、国土交通省 関東地方整備局が2階の猿島ビジターセンター内に第二海堡の展示に協力するほか、京浜急行電鉄や東京湾海堡ツーリズム機構が活用・協力。5者の官民連携により実現したものになっている。
三笠ターミナルの所在地は、記念艦三笠が展示されている三笠公園のすぐ横。京急線「横須賀中央駅」から徒歩圏内で、周辺には時間貸しのコインパーキングを含め駐車場が多くあり、アクセスしやすい。
現在猿島航路は、9時30分~15時30分の間に1時間に1本の臨時ダイヤで運航している(新型コロナウイルス対策で定員を制限)。2019年5月から始まった第二海堡上陸ツアーは、一時休止していたが7月1日から再開していて、旅行会社の募集に応募する形での参加が可能。ツアーの日程は「東京湾海堡ツーリズム機構」のWebサイトに掲載されている。
三笠ターミナル
所在地: 神奈川県横須賀市小川町27-16
営業時間: 9時~16時30分(運航状況で前後)
定休: 年中無休(航路欠航時でも原則開店)
料金(猿島往復+入園料): 大人1600円、中学生1500円、小学生800円、小学生未満は大人1名につき1名無料
アクセス: 京急 横須賀中央駅から徒歩約15分、横浜横須賀道路 横須賀ICから本町山中有料道路経由で約10分
新鋭双胴船「Sea Friend 8」をお披露目
内覧会では、2019年11月に就航したばかりの船「Sea Friend 8」がお披露目された。純白がまぶしいカタマラン(双胴船)タイプのクルーザー。後方には広いデッキを備え、ラグジュアリーな雰囲気が漂う。主に猿島航路で使われ、チャーターでも利用することができる。客室は1階、2階合わせて150名ほどの座席があり、定員は平水で280名。全長24.37m、全幅40m、82トンあり、トライアングルはほかにも3隻保有しているが、この船が最大。猿島航路は片道約10分ほどだが、乗船時には船内を満喫してほしい。
三笠ターミナルの建物には、1階にチケットターミナルと横須賀市観光案内所、ショップ、カフェ、軽食販売が、2階には「猿島ビジターセンター」が入る。
横須賀市観光案内所には、パンフレット配布以外に3台のサイネージを使ったビジュアル解説のほか、カウンターでの対人案内も行なっている。軽食販売では、猿島の特産品の1つ、ワカメを使ったラーメン「猿麺」と、特製味噌だれに2日漬け込んだ「みそから」を提供。カフェでは、地元ブランドのオリジナルコーヒーやソフトクリーム、地ビールなどがある。
猿島ビジターセンターでは、猿島の魅力をビジュアルで伝える展示のほか、国土交通省 関東地方整備局による第二海堡の展示を併設している。
トライアングル鈴木氏「横須賀市内回遊の拠点になる」
三笠ターミナルのオープン記念として、トライアングル、横須賀市、国土交通省 関東地方整備局、京浜急行電鉄、東京湾海堡ツーリズム機構の5者が登壇する共同記者会見を行なった。
冒頭に登壇したトライアングル 代表取締役の鈴木隆裕氏は、猿島には年間23万人が来島するほどになったこと、官民連携で横須賀観光のニーズに応えるために三笠ターミナルが作られたことなどを説明。三笠ターミナルの役割には3つあり、1つは、猿島の魅力発信の拠点としての機能で、2019年5月から開始した第二海堡上陸ツアーの魅力も伝え、猿島航路以外のクルーズも1階のカウンターで受付を行っていることにも触れた。
次に挙げたのは、積極的な横須賀市内回遊の拠点となること。軍港めぐりのツアーと猿島航路で、やや離れた観光ポイントを連携させて、興味をもってもらうことで市内回遊を促進していきたいとし、そのためにロータリーに観光タクシーを常駐させる。最後に、今後の取り組みとして、「環境と観光」というワードで提案し、さまざまな事業者ともコラボしていきたいと抱負を述べた。
横須賀市長の上地克明氏は、三笠ターミナル1階に観光案内所を設置したことを説明。市として初めてデジタルサイネージを3台設置し、ビジュアルを活用して横須賀市の魅力を発信していきたいという。三笠公園周辺では、現在リニューアルのため休業している横須賀ポートマーケットがあり、旧三笠駐車場用地には新しいホテルの建設が控えていて、今後さらに魅力的なエリアになると説明した。
国土交通省 関東地方整備局 副局長の加藤雅啓氏は、2018年7月に第二海堡上陸ツーリズム推進協議会を立ち上げて、社会実験としてトライアルツアーが始まり、2019年5月から一般開放に至った経緯を説明。第二海堡上陸した際にさらに楽しんでもらうため、スロープの整備、各施設の案内看板の設置や、各自のスマートフォンを使い、現地の風景に過去の遺稿を重ねて表示するAR(拡張現実)を体験してもらう仕組みを準備中との解説があった。