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Suicaで「ゆいレール」に乗ってみた~3月10日から対応

2020月3月10日~対応

3月10日、「ゆいレール」がSuicaなどの交通系ICカードに対応

 3月10日、「ゆいレール」(沖縄都市モノレール)がSuicaなどの交通系ICカードでの運賃支払いへの対応を開始した。

 これまでゆいレールでは、現金での切符購入のほか、沖縄独自の交通系ICカード「OKICA」による乗車に対応していた。今回の対応により、県外で交通系ICカードを利用している乗客の利便性が上がり、券売機周辺の混雑の緩和が期待されている。

Suica対応の理由は利便性の向上

記念式典の模様

 開始当日となる10日には、那覇空港駅で記念式典が開催された。

 沖縄都市モノレールの美里義雅社長は「駅改札口での混雑緩和が喫緊の課題だったため、シームレスに改札を通過できるSuicaの導入を決めた」と理由を説明。また、このSuica導入に関しては「内閣府総合事務局などの関係機関にもお世話になった」と述べた。

 JR東日本の梅川智彦業務推進部次長は「ビジネス、観光どちらでも東京をはじめとした諸都市と那覇の距離が近くなるのではないかと確信している」と期待を込めて挨拶をした。

沖縄都市モノレールの美里義雅社長
関係者に見守られ、Suicaで改札を通るJR東日本 IT・Suica事業本部 事業推進部次長の梅川智彦氏

 今回のSuica導入にあたって、改札機などのハードはそのままとしながらも、接続サーバーを構築し、改札には別途IC読み取りのアンテナを付けたという。費用については数億円かかったとしている。

 ゆいレール駅などでSuicaカードの新規発行は行なわないものの、駅構内にSuicaチャージ機を設置し、乗り越し精算などを行なう。

改札機
Suicaチャージ機(那覇空港駅)

 沖縄都市モノレールの仲村守常務は、「今回のSuica対応で、お客さまがたくさん増えることはないと思う」と述べつつ、「それでも、乗客のみなさまの利便性を選んだ」と対応の理由を明かした。

 ゆいレールではこれまで、那覇空港駅や牧志駅などで「交通系ICカード使えないですか?」との問い合わせが多ったらしく、今回のSuica対応で乗客・駅員双方の負担が減ることが期待される。

Suicaのいつもの手順、新鮮みがない=成功の予感?

実際にSuicaカードで乗車してみた

 筆者もさっそく、ゆいレールにSuicaを使って乗車してみた。

 利用方法は、ほかの交通系ICカードと変わらず、改札にSuicaをかざすだけ。Suicaカードはもちろん、対応するスマートフォン、Apple Watchなどでも問題なく利用できた。

 このあたりの手順は従来の交通系ICカードと大きな違いはなく、特に新鮮味はないが、利用にあたっての戸惑いもない。

残高も改札にしっかり表示される

定期などはNG

 なお、モバイルSuicaや全国交通系ICカードを使っての「定期券」機能はついておらず、ポイント還元機能も非対応(ゆいレールのQ&A)。今後の対応の予定もないとのこと。

 また、これまでゆいレールでは、65歳以上の免許返納者に対して運賃の5割を補助する制度を導入しているが、Suicaではこの制度に対応していない。従来導入していたOKICAと細かい部分での違いがあるため、特に利用頻度の高い沖縄県民などは留意が必要だろう。

 ちなみに、沖縄県内の路線バスでの利用については、「バス会社さまから協議の話は来ていない」(JR東日本・梅川智彦業務推進部次長)としている。