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コンパクトでかわいい、ゆいレールのガイドマップ。沖縄職業能力開発大学校の学生が企画・制作

2021年2月12日 発表

沖縄の学生が卒業制作として「ゆいレール駅周辺エリアガイドマップ」を企画

 沖縄職業能力開発大学校ホテルビジネス科の学生3名が、卒業制作として「ゆいレール駅周辺エリアガイドマップ」を完成させて、実際にゆいレール6駅にて配布を開始した。

 配布箇所は、県庁前駅、牧志駅、おもろまち駅、儀保駅、経塚駅、てだこ浦西駅で、各40部、合計240部。

 制作したメンバーは、藤本美海さん、大城七海さん、與那覇莉々夏さんの3名。この春に同学を卒業し、それぞれ県内ホテルに就職が決まっている。

沖縄職業能力開発大学校ホテルビジネス科の学生が制作したゆいレール駅周辺エリアガイドマップ。コンパクトで持ち運びやすい
制作したメンバー。左から與那覇莉々夏さん、藤本美海さん、大城七海さん
県庁前駅
牧志駅
おもろまち駅
儀保駅
経塚駅
てだこ浦西駅

 3人がゆいレールに着目したのは、クルマの免許がなくても魅力ある店舗や観光施設を巡ることができる交通機関であること。実際、メンバーの藤本さんはクルマの免許を持っておらずバス通学で、ゆいレールはバスに比べて運賃が安く、定時性があるなど利点が多いことに気付いたという。また、1日券は800円で24時間使えるためとてもお得に感じているそうだ。

「1日券を使って、このガイドマップを手に町を巡ってもらいたい」というのが、このガイドマップに込めた3人の思いだ。

 コンパクトにまとめられた体裁で、広げると店舗情報とマップが掲載されている。手書きのイラストが柔らかい雰囲気で親しみが持てる。このイラストはメンバーの大城さんが手掛けた。

「印刷屋さんに出すデザイン案として描いたのですが、『これいいんじゃない?』とのことでそのまま採用されたんです。地図も手書きなんです」と大城さん。

 駅から掲載スポットまでの道順は、実際に自分たちで歩いてみて分かりやすい経路を示した。目印となるコンビニや学校、信号なども分かりやすく表記。

ガイドマップを広げた状態。ゆいレールの車両のイラストに各スポットのマップを載せている。上側は紹介スポット3軒
裏面。上下に3軒ずつ、計6軒を掲載している

 掲載スポットは9か所で、飲食店が4軒、土産店が2軒、洋服店が2軒、観光施設が1軒。メインの通りよりも、中道・裏道の店を選ぶようにした。

 飲食店も、定食屋、洋食屋、パン工房、沖縄そば屋とジャンルを分けてピックアップ。観光施設はあえて有名どころは避け、しかしとても雰囲気のよい「福州園」を選んだ。

 実際に駅周辺を歩くと取り上げたい店がたくさん見つかる。数十軒にもおよんだ候補から限られた数に絞ることに苦労した。逆に、コロナ禍のために掲載を予定していた店舗が取材前に閉店してしまったというアクシデントも。

 記事作成から写真撮影まで自分たちで行ない、キャッチフレーズを付ける工夫をした。限られた文字数で店の魅力をまとめるのには苦労したという。原稿の確認などで何度も取材先を訪れるのは大変だったが、取材先との信頼感も深まっていった。

 今回の作成をとおして、今まで気が付かなかった沖縄の魅力を再発見でき、取材先はもちろん多くの人と関わりを持てたことが大きな経験になったという。

 與那覇さんは、「ガイドブックなどを見るとバスツアーはたくさんあるが、ゆいレールのツアーがあってもいいんじゃないかと思いました。今後延伸するかもしれないし、新しい観光の仕方ができるのでは」と、ゆいレールへの思いを語った。

 また、藤本さんは「北方向だけでなく、糸満など南部の方にも延伸してほしいです。南部向けはバスも少ないですし。ゆいレールで南部まで行ければもっと観光の幅が広がると思います」と希望を語る。

 大城さんは、「有名なお店や観光地だけでなく、中道や裏道に魅力的なお店がたくさんあります。そういう場所は、県外や海外から来る人に、もっと沖縄を身近に感じてもらえるきっかけになると思います」とのことだった。

これから沖縄観光を支えていく彼女たち。今回の経験を糧に、それぞれの職場で頑張ってほしい

 現在のところ増刷の具体的な予定はないようだが、個人的には、デザインがとてもよく携帯性にも優れているので、フリーペーパーとして定期的に発行されるとよいと感じた。