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1か月で旅行先の言語を習得できるアプリ「Duolingo」

日本で中国語コースをスタート

2019年11月21日 発表

Duolingo CEOのルイス・フォン・アン氏

 Duolingoは11月21日、無料の言語学習プラットフォーム「Duolingo」で日本人向けの中国語コースを11月から開始すると発表した。

 Duolingoは、iPhone/Android向けのスマートフォンアプリやWebブラウザ上で利用できる言語学習プラットフォーム。30か国語以上の言語を対象に90の言語コースを提供し、全世界で3億人以上のユーザーが利用しているとされている。日本では、これまで英語コースのみが提供されてきたが、新たに中国語の学習が可能になった。

 同社CEOのルイス・フォン・アン氏が来日し、本誌のインタビューに応じた。

3億人のユーザーを獲得できた理由

 同氏は、グアテマラ生まれで、貧しい環境の中で育ったということで、「貧しい人にも他言語を学習する機会を作りたい」という一心でDuolingoを作ったと語る。レッスンごとに広告を表示し、その表示を消したい場合は課金する形で収益を確保し、サービスの基本的な利用料を無料としたのにも、こうした背景があるのだという。

 同氏によれば、20%のユーザーが旅行目的でDuolingoを使用しているとのことで、旅行先の人々をリスペクトし、渡航する直前までアプリで勉強して会話できるようになりたいと考える人が多い。

 こうした旅行目的でDuolingoを使う場合のコツとしては、「なるべく早く始めてほしい。どの言語も初級は旅行ベースで設定されているので、1か月、毎日少しずつでも学習を継続することが重要」(同氏)なのだとか。

 他の言語学習サービスと異なる点として、同氏は3億人を超える圧倒的なユーザー数とゲーミフィケーションを挙げる。多数のユーザーを抱えることで、精度の高いデータ解析が可能となり、A/Bテストなどを通じて最適な学習モデルを構築していけるという。また、言語学習を成功させるには、継続するモチベーションをいかに引き出すかが大切で、ゲーム感覚で“ハマる”要素を散りばめる工夫を施しているという。

日本の大学入試への参入も検討

 同氏は、日本市場について、「テストの結果(スコア)を気にするのが日本の特徴。つまり、スコアがモチベーションになる。一方で、話すことについては、とてもシャイ」と分析。そのうえで、日本市場に合わせた開発を進めるとともに、昨今話題の大学入試への参入も視野に入れたいとする。

 実際、米国においては公立学校の25%がDuolingoを活用しているという実績があり、2年前から英語の認定試験サービス(Duolingo English Test)を提供している。同氏は、「TOEFLやTOEICは200ドルかかるが、我々は50ドルで提供しており、自宅でも試験を受けられる」と自社の優位性を強調する。

 今後については、各母国語ごとに提供できる言語コースを増やしていくとともに、AIなどの最新技術を取り入れ、サービス上で自然な会話のキャッチボールを実現したり、ヘッドホンやスマートスピーカーなどでもサービスを提供したりできるようにしたいという。

 ちなみに、同氏自身はスペイン語、英語、ポルトガル語を話せ、現在はDuolingoでフランス語を学んでいるという。その次には日本語に挑戦したいとのことだ。