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ANA、成田~インド・チェンナイ線就航。平子社長「チェンナイを空のゲートウェイに」

2019年10月27日 就航

ANAが成田~チェンナイ線の運航を開始。初便の搭乗口でセレモニーを開いた

 ANA(全日本空輸)は10月27日、成田~チェンナイ線の運航を開始。これを記念して、搭乗ゲート前で記念式典を実施した。

 同社にとってインド路線はデリー、ムンバイに続く3路線目となり、国内航空会社としてインド南部を結ぶ唯一の定期直行便となる。機材はボーイング 787-8型機(169席仕様、ビジネスクラス46席、プレミアムエコノミー21席、エコノミークラス102席)を使用。週3便の運航で、2019年冬期の運航ダイヤは下記のとおり。

ANAの成田~チェンナイ線(2019年冬期ダイヤ)

NH825便: 成田(11時10分)発~チェンナイ(17時45分)、水・金・日曜運航
NH826便: チェンナイ(20時30分)発~成田(翌07時25分)、水・金・日曜運航

※2019年10月27日~11月30日運航のNH825便は成田空港出発が30分遅発
※2019年10月27日~11月30日運航のNH826便は成田空港到着が30分遅着
※2020年3月1日~3月28日運航のNH825便は成田空港出発が10分遅発
※2020年3月1日~3月28日運航のNH826便は成田空港到着が10分遅着

 同路線の就航を祝って成田空港の搭乗口で行なわれたセレモニーでは、インド南部発祥の古典舞踊「パラタナティアム」のパフォーマンスや、ANAの成田空港勤務スタッフによるANA NRT SKY BANDが、インドが近くなることにちなんで「小さな世界」の演奏で搭乗を待つ乗客を楽しませた。

インド南部発祥の古典舞踊「パラタナティアム」のパフォーマンス
ANA NRT SKY BAND。バックボードもチェンナイデザイン
全日本空輸株式会社 代表取締役社長 平子裕志氏

 あいさつに立ったANA 代表取締役社長の平子裕志氏は「いよいよ本日、東京~チェンナイを就航する運びとなった。実は10月27日はディワリといってインドのお正月のような日で、そんな日に就航できる喜びをひしひしと感じている」と切り出し、インドのネットワークについて説明。

 そして、チェンナイについて「かつてはマドラスの名前で知られており、インドの文化の首都とも言われている。ヒンドゥー教の寺院、イギリス統治時代のコロニアル建築も豊富。映画産業も力を入れている」といったチェンナイの見どころを紹介した。

 そして同路線について、「この就航は非常に意義のあることだと思っている。これまで南インドへはどこかを経由して15~16時間かかっていたものが、今回、8~10時間で結ばれる。しかも私どもが設定した便は、チェンナイに17時台に到着し、当地を20時台に出発するので、同日中の接続に便利。チェンナイはインドの第2の港湾を抱える街であり海のゲートウェイとしての機能を果たしているが、空のゲートウェイとして期待したい」と、路線の意義を語った。

駐日インド大使 サンジェイ・クマール・ヴァルマ氏

 続いてあいさつした駐日インド大使のサンジェイ・クマール・ヴァルマ氏は、「ディワリはインドでは光の祭と言われているが、その日に就航することを祝いたい。今日、私たちは古いものから新しいものへ、暗闇から光へ移る日。東京~チェンナイ直行便ができ、昨日から新たな明日へ遂げつつある」と、直行便就航に大きな喜びを示した。

 そしてインドについて「多様性のある国で、それぞれの地域が小宇宙のように、地方ごとに違う文化があるので、この就航により南インドの食べ物や洋服、踊りなどに触れられることを願っている」と南インド来訪を呼びかけるとともに、「両首相は日印の交流人口を2020年末までに70万人にする計画を立てており、この直行便が実現に大きく貢献すると信じている」と期待を寄せた。

成田国際空港株式会社 代表取締役社長 田村明比古氏

 最後にNAA(成田国際空港)代表取締役社長の田村明比古氏があいさつ。日印交流人口について「70万人にするという話があったが、現在は日本からインドに22万人、インドから日本に15万人という状況で、これを倍増させなければいけない。航空便が増えると明らかに双方向の交流が増えてくる。特にインドは13億人の人口があり、そこで15万人しか日本に来ていただけていない、私どもにとって潜在能力の大きいマーケット」と、インド市場の発展に期待を示した。

 また、チェンナイについて「名だたる製造業が進出し、インドのデトロイトとも言われる製造業が盛んなところ。マドラスは東西交流の拠点として栄えた街で、歴史的な街並みや独特の文化、食事を、日本の皆さまも楽しめる街」と紹介した。

参列者によるテープカット
セレモニー参列者。左から順に全日本空輸株式会社 執行役員 成田空港支店長 石田洋平氏、国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 成田国際空港長 石井靖男氏、在日インド商工協会 会長 比良竜虎氏、駐日インド大使 サンジェイ・クマール・ヴァルマ氏、全日本空輸株式会社 代表取締役社長 平子裕志氏、日印協会 代表理事・理事長 平林博氏、成田市 副市長 小幡章博氏、成田国際空港株式会社 代表取締役社長 田村明比古氏

 搭乗客には初便搭乗を記念して、「富士山ぐい呑みセット」や「インド製アノーキハンカチ」、観光リーフレットなどの記念品をプレゼント。この日はビジネスクラス40名、プレミアムエコノミー13名、エコノミー53名の計106名が搭乗。

 ほぼ定刻どおりの11時39分に出発し、平子社長をはじめとするANAグループスタッフが横断幕を持って機体近くに集まり、チェンナイへ向けて出発するNH825便を見送った。

搭乗が始まる際にはANAの平子社長と石田成田空港支店長が一礼。ちなみにANAでは国際線でも9月26日から搭乗順を番号表示している
搭乗時には初便搭乗記念品として「富士山ぐい呑みセット」などをプレゼント
PBB(旅客搭乗橋)をわたる乗客に手を振るスタッフ
チェンナイに向けて出発するNH825便を盛大に見送った