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JAL、接客コンテスト「N-1グランプリ 2019」開催。成田エリアは宮里ミッシェル光さんがグランプリに
11月の全国大会へ進む
2019年9月5日 17:32
- 2019年9月4日 開催
JAL(日本航空)グループのJALスカイは9月4日、成田エリアで働くスタッフの接客スキルを競うコンテスト「N-1グランプリ 2019」を開催。今年はNAA(成田国際空港)の協力により、成田国際空港 第2旅客ターミナル 2階の特設スペースで行なわれた。
約2年ぶりに行なわれた「N-1グランプリ」(N-1=成田のナンバーワンの意味)は、サービス品質の向上を目的に過去5回開催。2019年で6回目となる。
グランプリ、準グランプリに選出されると、世界の空港から集まったグランドスタッフが日頃の業務の成果を披露し合う「第7回空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」(仮称)への出場権を得ることができる。コンテストにはグランドスタッフ総勢約1000名から選出された9名のJALスカイ成田事業所社員が参加した。
冒頭では成田空港とJALの歩みを映像で振り返り、引き続きプロフェッショナルなサービスに磨きをかけ空港とともに進化していくと紹介。主催者を代表してJAL 成田空港支店長の中野直人氏があいさつ。9月のエアバス A350型機就航に触れ、成田への機材導入予定などにも言及。「安全とサービスで空港を盛り上げることが我々の次の大事なミッション」とし、その一つとして2019年11月開催予定のコンテストで「ナンバーワン」を取れるようにと激励もあった。
コンテスト前半は「アナウンス審査」。N-1グランプリ当日、開始前に参加者へお題が提示され、それに対し10分間で日本語・英語の2種類を作文。コンテストでは、それを制限時間3分間でアナウンスする。
設定は9月4日20時40分成田発、ホノルル行きのJL780便。雷雨のため地上作業が一時中断しているが、天候は約30分後に回復予定。現在20時だが出発時刻が未定という状況だ。「正しさ」「分かりやすさ」を持って自然に語りかけているか、マイナスの状況下でも乗客が安心できる「優しさ」を持って寄り添うアナウンスができているかといったところが審査ポイントとなる。
後半は約5分間の「ロールプレイ審査」。チェックインカウンター周辺での接客場面をいくつか設定し、各状況での対応力を披露する。
設定された状況は、「自動チェックイン機でチェックインしたが、手荷物のタグの扱いに困っている乗客」「ラグビー観戦で訪れた外国籍の乗客」「目の不自由な乗客と家族」「ハノイ行きを利用するビジネスマンからのクレーム」と、4タイプ。審査ポイントとしては、チェックイン時の基本手順や正確な業務知識はもちろんのこと、乗客に合わせたスピーディな対応や、日本語以外での言語での案内など多岐に渡る。
「N-1グランプリ 2019」審査員
国土交通省 東京航空局 成田国際空港長 石井靖男氏
成田国際空港株式会社 取締役 営業部門長 田邉誠氏
成田商工会議所 副会頭 小泉英夫氏
一般社団法人 成田市観光協会 副会長 宮田明俊氏
日本航空株式会社
成田空港支店長 中野直人氏
成田空港支店 総務部 部長 幸田裕次氏
成田空港支店 空港オペレーション業務部長 横田麻子氏
成田空港支店 空港オペレーション業務 副部長 藤野誠氏
そのほかサービススペシャリスト3名
なお、「アナウンス審査」「ロールプレイ審査」では、応援団からの声援も審査前に披露された。所属先の同僚や先輩から後輩まで手作りのうちわや横断幕片手に出場者にエール。会場を盛り上げた。
厳選なる審査を経て、見事成田ナンバーワンに輝いたのは空港オペレーション第1部 宮里ミッシェル光さん。現在は国内線のチェックインカウンターで主にオペレーションを行なっているが、以前は国際線チェックインカウンターで業務を担当していた。経験の豊富さから生まれる落ち着いた案内とアナウンス。臨機応変な対応力と安心感でグッと乗客の心を掴んでいる様子だった。準グランプリは空港オペレーション第3部 八瀬邉真子さんが受賞。空港オペレーション第2部 鈴木里菜さんは審査員特別賞となった。
グランプリ受賞後のスピーチではサポートしてくれた仲間たちに感謝。実はロールプレイよりもアナウンスに自信があったとのこと。今回のコンテストでは緊張で思うようにカウンターでの業務ができなかったため、11月までにさらに磨きをかけるとのこと。向上心を見せてくれたとともに実際の業務でも「お客さまとの会話の種を見つけ出し、短い時間ながらコミュニケーションを大切に。そしてJALらしい、お母さんのような温かさを大事にしたい」と宮里ミッシェル光さんは話してくれた。
また準グランプリの八瀬邉真子さんは、乗客との会話や表情からお客さまの希望を察し、もしくは引き出せるようにと練習してきたとのこと。通常業務でも「JALフィロソフィーの一つであるお客さま視点を貫く姿勢を心がけ、家族のように寄り添い、また利用したい、会いたいと思っていただけるように頑張ります」と語ってくれた。
表彰式では、国土交通省 東京航空局 成田国際空港長の石井靖男氏が「N-1グランプリ 2019」を総評。乗客目線で見たときの日本らしい丁寧なサービスと対応は、競争が激化するなかで生き残るための一つの重要な要素とした。
また、現場目線ではチェックイン業務のもう一つの見えないサービスである「安全にお客さまを運ぶための確認作業」は非常に重要と強調。普段からしっかり行なっていることを今回目で見ることができよかったとのことだ。
トラブルに対する適切な情報提供については、「我々も航空会社に対しお願いしている部分」とし、「以前よりも洗練された対応が行なわれていると感じた」とした。なお、今回のコンテストへの頑張りを日常業務にも継続し、安全と快適な旅を提供する入口として今後も期待したいと締めた。
閉会後には審査員と出場者で記念撮影も。出場者はコンテストを終えて、リラックスした表情ととびきりの笑顔を見せてくれた。