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NEXCO西日本定例会見。関空連絡橋は3月中に全面通行再開見込み。「早急なる復旧を目指している」と酒井社長

2019年1月30日 実施

西日本高速道路株式会社 代表取締役社長 酒井和広氏

 NEXCO西日本(西日本高速道路)は1月30日、同社で定例会見を行なった。会見では2018年12月の高速道路の状況、最近報道が増え注目されている高速道路の逆走についての取り組み、今年春から改定される高速道路料金について、またリニューアルするPA(パーキングエリア)や高速道路夜間通行止めについての説明を行なった。

 会見の冒頭、代表取締役社長の酒井和広氏があいさつを行ない、前年を総括して「災害の多い年であるとともに学びの多い年でもあった」と述べた。また「我が国の基幹インフラとして高速道路は重要性を増しており、一層の高度化、さらなる安定性、快適性が求められている」とした。

 2018年9月4日の台風21号の影響で、タンカーが衝突して破損した関西国際空港連絡橋については「早急なる復旧を目指している」とし、続く会見のなかで2月12日および13日の夜間に新しい橋げたが架設され、3月中に全面通行再開が見込まれることを明らかにした。

左から、取締役常務執行役員 芝村善治氏、取締役常務執行役員 北村弘和氏、執行役員事業開発本部長 横田正文氏

 続いて、取締役常務執行役員 芝村善治氏、取締役常務執行役員 北村弘和氏、執行役員事業開発本部長 横田正文氏により、NEXCO西日本管内の高速道路の現況や交通事故防止に向けた取り組み、SA(サービスエリア)、PAのテナントと地元生産者とを結びつけるハイウェイ大商談会のアナウンスなどが発表された。

 12月度のNEXCO西日本管内の高速道路の状況ついては、通行台数(料金書出口を通過した自動車の延べ数)は前年同期比102.2%の293万5000台/日、料金収入は前年同期比100.9%の662億1200万円/日であったと報告した。

 高速道路の新設区間は、新名神高速道路(E1A)大津JCT(ジャンクション)~城陽JCT間の25km、八幡京田辺JCT~高槻JCT間の10kmなど合計7区間71km。4車線化区間は、阪和自動車道(E42)御坊IC~印南IC間など合計7区間127km。スマートIC(インターチェンジ)は12か所を新設した。

 またSA100か所、PA208か所の売上高は、前年同期比105.0%の137億4700万円で、うち飲食物販は80億6200万円、ガソリンスタンドが56億8500万円となった。

 2018年における交通死亡事故の発生状況は、死亡事故が32件35名(2017年は38件41名)で民営化後初の最低水準を記録した。高速道路上で人がはねられる事故が2件、停止車両への衝突が9件起きており、漫然運転防止と車間距離の確保について取り組んでいくとした。

 また逆走防止に向けた取り組みでは、統計を取り始めた2011年から現在までの逆走事案の発生件数は、年間42件~101件(うち事故件数は7件~22件)でバラつきがあるという。2017年の逆走件数は74件で、うち事故件数は16件と報告。なお、2018年については現在集計中とした。

 高速道路関係6会社ではすべのIC、JCTでラバーポールの設置などの物理的な対策、大型標識や路面矢印などの視覚的な対策を施しており、NEXCO西日本管内では2017年10月に高速道路の771か所に対して対策を完了したという。また高速道路と一般道路の接続部でも同様の対策を継続中で、現在約400か所について対策を講じている。なおソフト面の対策としてホームページや各種チラシ、リーフレットなどでの啓発・広告も継続していく。

6回目を迎える大商談会を開催

 NEXCO西日本と西日本高速道路サービス・ホールディングスは、財務省近畿財務局および日本政策金融公庫など関西地区13金融機関と連携し、関西地区のメーカーや生産者と、SA/PAの商業施設を運営するテナント18事業者との大商談会を、2月27日に大阪で開催する。

 関西地区のSA、PAと地元企業との連携を強化し、新たな地域の逸品を発見、販売するとともに、地域の食材を生かした食事メニューを開発することで地域産品の販路拡大を目的としている。この商談会はこれまでに中四国地区、滋賀県、九州地区、兵庫県、南九州地区を対象に行なわれており、今回で6回目。SA、PAの商業施設を運営するテナント18事業者と過去最多となる177社のメーカー、生産者が参加する予定という。

開催日時:2019年2月27日10時~17時30分
開催場所:大阪市天王寺区上本町8-9-14 大阪信用金庫本店7階大ホール
Webサイト:関西ハイウェイ大商談会(ニュースリリース)

2月の夜間通行止めやイベントなどのトピックス

 続いて司会者より、ホームページなどで既出の情報ではあるが2月の夜間通行止めやイベントなどのトピックスが紹介された。NEXCO西日本関西支社では、以下の区間・日程で舗装補修工事、伸縮装置取替工事、標識取替工事、道路保全工事、施設保全工事を行なう。

近畿自動車道、第二京阪道路の夜間通行止め(2019年2月18日~3月2日)

・近畿自動車道
通行止め区間:吹田IC~東大阪南IC間(吹田IC、八尾IC閉鎖)
日程:2019年2月18日~2月23日
時間:20時~翌6時

通行止め区間:吹田IC~大東鶴見IC間(吹田IC、東大阪北IC閉鎖)
日程:2019年2月25日~3月2日
時間:20時~翌6時

・第二京阪道路
通行止め区間:第二京阪門真IC~門真JCT間(寝屋川南IC閉鎖)
日程:2019年2月18日~23日、2月25日~3月2日
時間:20時~翌6時

4月以降の高速道路料金改定

 NEXCO西日本では、2017年6月3日以降、近畿圏の高速道路の料金について、5車種対距離制の料金形態に順次移行している。2019年度は次の有料道路について新たな料金に移行する。なお、区間ごとの正確な通行料金についてはNEXCO西日本のWebサイト参照のこと。

道路名:第二神明道路(E93)、第二神明道路北線(E94)
新料金への移行日:2019年4月1日
新料金の概要:5車種区分対距離制(普通車ETCは110円~900円、当面は激変緩和措置として上限480円)

道路名:阪神高速8号京都線(阪神高速道路株式会社から移管)
新料金への移行日:2019年4月1日
新料金の概要:5車種区分対距離制(小椋本線~鴨川西:普通車ETCは200円~490円、当面は激変緩和措置として上限460円、鴨川東~山科:無料)

道路名:第二阪奈道路(E92)(大阪府道路公社、奈良県道路公社から移管)
新料金への移行日:2019年4月1日
新料金の概要:5車種区分対距離制(普通車ETCは260円~700円)

 関西国際空港連絡橋については、2018年9月4日の台風21号の影響によりタンカーが衝突し、以来対面通行が続いているが、2月12日と2月13日に修復した橋げたの架設を行なう。その後の舗装、照明設備などの設置を経て、3月中には対面通行規制を解除、上下線各2車線の復旧となる見込み。なお、6車線の完全復旧については、繁忙期となるゴールデンウィークまでの完了を目指して作業を急ぐという。

 また、NEXCO西日本中国支社と西日本高速道路サービス・ホールディングス中国支社では、かねてより工事中だった中国自動車道(E2A)上月PA(上り)の工事を完了、2月6日8時にリニューアルオープンする。

 お食事コーナーでは猪肉や鹿肉を用いたジビエ料理や、地元名物のホルモン焼うどんなどの人気メニューを提供。またショッピングコーナーでは、上月特産の「もち大豆」を使用した「上月もち大豆味噌」をはじめ、岡山県や蒜山高原、山陰方面のお土産を取り揃える。なお2月6日のリニューアルオープンにあたり、利用者に次のオープニングサービスを提供する。

・来店先着100名に「オリジナル激辛赤鬼カレー(レトルト)」など1品をプレゼント
・来店先着200名の子供(小学生以下)に高速道路オリジナル「妖怪ウォッチキーホルダー」をプレゼント
・お食事コーナーで定食を注文した人にペットボトルのお茶をプレゼント(2月11日まで)
・お食事コーナーで上月PAオリジナルコロッケを半額で販売(2月11日まで)
・ショッピングコーナーで1000円以上購入した人に同PA(上下線)の「ひまわりソフト」無料サービス券をプレゼント(2月28日まで)

 そのほか山陽自動車道(E2)三木SA上りで実施中の「NEXCO西日本ウインターイルミネーション2018-2019」で実施するイベントや、公式Instagramアカウント(@nexco_west_sapa)を通じてNEXCO西日本管内のSA、PAのイベント情報やグルメ情報を発信していることなどが紹介された。

Kiss FM KOBEのラジオ公開収録(2月10日)

イベント名:「4SEASONS」レギュラーコーナー「三木SA presents WONDERFUL INFO」公開収録
イベント開始時間:14時

イベント名:「STU48の瀬戸内の胸の内」公開収録(石田みなみさん、門脇実優菜さん)
イベント時間:15時

イベント名:DJプレイ(Kiss FM KOBEサウンドクルー:DJ黒髪のリリー)
イベント時間:16時

イベント名:イルミネーション点灯セレモニー
イベント時間:16時

SA、PAで実施している2月のイベントなどが紹介された

 会見後に設けられた質疑応答では、昨今問題となってきている高齢ドライバーの増加に対する取り組みについて聞かれた酒井社長が、「事故は件数、死傷者数ともに減る傾向が続いているが、高齢者による事故の割合は増加しており、逆走防止などの取り組みをいっそう進めていく必要がある」とコメント。また、2018年4月~9月に発生した一部路線での料金二重徴収(ETC利用者が、自動徴収されていることに気づかず料金所の一般レーンで現金払いしてしまうために発生)についてのコメントを求められた際には「今後二度と起こらないよう、十分なシステム対策を講じていきたい」とした。担当者の処分については考えておらず、指導を徹底していくという。