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全域で観光推進を図る「沖縄県広域観光協会等会議」開催。沖縄全県、奄美群島から33団体が参加

2019年2月26日 実施

沖縄県とOCVBが「沖縄県広域観光協会等会議」を開催した

 沖縄県とOCVB(沖縄観光コンベンションビューロー)は2月26日、「沖縄県広域観光協会等会議」を那覇市内で行なった。2018年度第2回の開催となる。

 同会議は、各地域の観光協会や関連団体(観光協会のない地域では商工会など)が集まり、全県的な観光推進体制構築や地域観光団体の運営体制の強化を図ることを目的としている。沖縄県内の団体のほか、ともに世界自然遺産登録を目指す奄美群島の観光協会なども参加している。

 今回の会議には33団体が参加。新規参加団体として八重山ビジターズビューローが紹介された。

会場となった那覇市内ホテルの宴会場。観光協会など33団体のほか、沖縄県からは文化観光スポーツ部が、また中城村、大宜味村、与那原町の各自治体から観光担当者が参加した

 開会にあたり、OCVB会長の平良朝敬氏があいさつ。「1月の入域観光客数が75万3500人と発表され、対前年度比7%プラスとなった。2018年度の累計は4月から1月で834万2800人、前年度比3.9%の伸びとなっている。今年度あと2か月、おそらく1年間では900万人に届くかどうかという数になると思われる。

 今年は4月から5月にかけてよい動きが見えている。今後明るい兆しが見えるので、2019年度は1000万人を達成できると期待している。観光庁ではDMOの促進に力を入れており、出国税が500億円くらい入ってくる。OCVBは単県として唯一の広域DMOであり、各地域の皆さんと互いに知恵を出しながらDMOをしっかり使っていきたい」と述べた。

開会のあいさつを述べる一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー 会長 平良朝敬氏

 続いて、今回新規参加となる八重山ビジターズビューローが紹介され、専務理事の東川平靖氏は「八重山ビジターズビューローは法人化して4年。石垣市観光交流協会、竹富町観光協会、与那国町観光協会の3団体と連携をとりながら、最南端、最西端の南の島への観光発展を目指している」と述べた。

八重山ビジターズビューローによるあいさつの様子

 続いて、OCVBから各事業の報告があった。

 企画部からは、沖縄観光振興について2018年度は5つのワーキング委員会を作り、取り組んでいる事項が報告された。各委員会の取り組みは「観光人材の育成と確保」「観光におけるバリアフリー(ユニバーサル)の推進」「環境・景観の保全や整備」「観光目的税(宿泊税)の導入」「琉球料理および琉球泡盛の世界無形文化遺産登録」の5つ。

「琉球料理および琉球泡盛の世界無形文化遺産登録」については、3月25日に沖縄県へ提言書の手交式が行なわれることが報告された。

 誘客事業部国内プロモーション課は、沖縄教育旅行誘致事業、マスメディア招聘事業、離島観光活性化事業それぞれの実施状況を報告した。

 沖縄教育旅行誘致事業では、海外からの教育旅行が好調であることが報告され、平良会長より「特に香港や韓国からの教育旅行が好調で、韓国とはMOUを結ぶ予定である」との補足説明があった。また、2月27日より「教育旅行民泊コーディネーター研修」を行なっていることも発表された。

 受入事業部MICE推進課は、沖縄MICE誘致の素材として制作したプロモーション映像を上映。4分ほどの映像では沖縄の風景や伝統芸能、料理などの魅力をアピール。出演者は沖縄観光業界に携わる人たちとのこと(プロの役者などではない)。資料として、大阪と東京で開催された「沖縄MICEセミナー&商談会」の資料も配布した。

プロモーション映像を上映。MICE開催地としての魅力をアピールしている

 受入事業部受入対策課からは、沖縄フィルムオフィスからの案内として、沖縄県著作の短編映画の貸し出し、県内のロケ地情報を紹介している旨などが報告された。

 貸し出し作品のなかには、現在上映中の照屋年之(ガレッジセール・ゴリ)監督の長編映画「洗骨」のもととなった「born、bone、墓音。」や、制作当時中学生だった仲村颯悟監督の「やぎの散歩」などがあり、10作品以上がラインアップされている。また、スポーツを取り入れた新しい旅の形を提案した小冊子「FunスポTrip」を制作したことも報告した。

どのスポーツがどの地域で楽しめるかが紹介されている小冊子「FunスポTrip」

 受入事業部受入推進課からは、「ウェルカムんちゅ」プロジェクトの実施状況の報告、「ウェルカムんちゅカンパニー」の募集について発表された。

 国内外から訪れる観光客を「うとぅいむち(おもてなし)」の心で温かく迎え入れる沖縄県民を「ウェルカムんちゅ」と位置付け、各地域の観光協会などからは「ウェルカムんちゅリーダー」を推薦してもらっているほか、2017年度より企業や団体を対象とした「ウェルカムんちゅカンパニー」を募集している。その啓発などへの協力が呼びかけられた。

 続いて、「エリア会議」について報告。エリア会議とは、県内本島・離島地域をエリアごとに分け、各地域が主体となった会議の自立化につなげることを目的に行なっているもの。事務局長や担当者が参加できるため、より現場に近い立場から議論ができる。

 2018年度は、11月に久米島エリア、宮古エリア、八重山エリア、南部エリア、中部エリア、北部エリアでそれぞれ開催。今年度事業の取り組みや各観光協会の運営について、またOCVBへの要望などが議題となったとの報告であった。

 例として、中部エリアの自主事業として、日本郵政とのタイアップでフォトコンテストの切手を制作し、その地域のみでの販売を行なっていることや、宮古エリアの自主事業として、教育旅行民泊事業の窓口として民家の取りまとめおよび手配を行なっていることなどを紹介した。

 2021年度入域観光客数1200万人、観光収入1.1兆円を目指す沖縄県。また奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島の世界自然遺産登録に向け、全域が顔を合わせ情報を共有し、意見交換できる貴重な時間であった。