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日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念で女優の小林聡美さんらが親善大使に就任。任命式にムーミン登場

2018年12月12日 任命式開催

女優の小林聡美さんらフィンランドにゆかりのある6名が親善大使に任命された

 駐日フィンランド大使館は、2019年に日本とフィンランドが外交関係樹立100周年を迎えるにあたり、照明デザイナーの石井幹子さん、スキージャンプ選手の葛西紀明さん、女優の小林聡美さん、ピアニストの舘野泉さん、アイドルの藤咲彩音さん、デザイナーの皆川明さんを親善大使に任命。任命式を大使館で行なった。

 任命式では駐日フィンランド大使のペッカ・オルパナ氏が「2017年に独立100周年を祝ったフィンランドだが、来年はもっと盛大なお祝いがある」と、2019年に日本との外交関係樹立100周年を迎えることや、遠く離れた2か国がさまざまな分野で戦略的なパートナーとなっている現状などを報告。芸術や文化の分野では、芸術家の往来や展覧会・文化活動の数が両国間で増えていること、さらに2019年はこれまでにないほど数多くの芸術・文化交流が企画されていることを説明し、あいさつとした。

3か月前に赴任したばかりという駐日フィンランド大使のペッカ・オルパナ氏は「日本人とフィンランド人はとても特別で温かい関係であることを肌で感じている」とあいさつ
日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念した、2019年の親善大使が登場

 あいさつに続いて親善大使に任命された6名のうち5名が、大きな拍手のなか1人ずつ登場。スキージャンプ選手の葛西紀明さんはシーズン中ということで欠席となりビデオレターのみでの登場だったが、照明デザイナーの石井幹子さん、女優の小林聡美さん、ピアニストの舘野泉さん、アイドルの藤咲彩音さん、デザイナーの皆川明さんに、フィンランド産の白樺に特別にプリントされたものという親善大使任命状が、ペッカ・オルパナ氏から手渡された。

 任命状を受け取った5名の親善大使がそれぞれの思いを語った。1965年に渡ったフィンランドが初めての外国だったという石井幹子さんは、照明メーカーのストックマン・オルノで約1年間勤務。照明デザイナーとしてのキャリアの出発点はヘルシンキだったと語った。当時感銘を受けたのはフィンランドの人々が大変美しいデザインの家具や調度品、テーブルウェアで暮らしていることだったと振り返った。

シーズン中ということで欠席したスキージャンプ選手の葛西紀明さんはビデオレターで登場
東京タワーやレインボーブリッジなどを手がけた照明デザイナーの石井幹子さん

 フィンランドを舞台にした2006年の映画「かもめ食堂」で主演した小林聡美さんにとって「フィンランドはもっとも親しみのある国の一つで“毎日を豊かに暮らしているか?”を問いかけてくれる国」だという。ムーミンワールドに行った際にムーミンの家に入ってその美しさに感動したそうで、2019年3月開業予定の「ムーミンバレーパーク」は個人的に楽しみと述べた。

フィンランドが舞台の映画「かもめ食堂」に出演した女優の小林聡美さん

 ムーミンの原作者トーベ・ヤンソンさんと1960年代に交流があったというピアニストの舘野泉さん。家が近くときどき夜中まで話し込んだこともあったそう。当時付き合っていたガールフレンドから「これでフィンランド語を勉強するといいよ」とムーミンの本を手渡されたと懐かしそうに語った。

「左手のピアニスト」として知られるフィンランド在住の舘野泉さん

 でんぱ組.incの藤咲彩音さんは2017年にフィンランド人姉妹とアイドルグループ「ピンキー!ノーラ&ペトラ」を結成。「2人といるとなぜかゆったりとした気持ちになる。まだフィンランドを訪れたことがないので来年はぜひ行ってみたい。家具が好きなのでセレクトショップめぐりをしたいです」とコメント。

でんぱ組.incで活躍中のアイドル、藤咲彩音さん。2017年にフィンランド人姉妹とアイドルグループ「ピンキー!ノーラ&ペトラ」を結成している

 1986年、19歳の冬に初めてフィンランドを訪れたというデザイナーの皆川明さん。10時間かけて行ったロヴァニエミまでの電車の旅が忘れられないという。「アルテックやKARHU(カルフ)などのブランドと今ご一緒できているのは、19歳のときの旅からのつながりであると感じている」と話した。

「ミナ ペルホネン」のデザイナー、皆川明さん
フィンランド産の白樺に特別にプリントされたという任命状を見入る親善大使の皆さん
記念品と親善大使の名刺も渡された。記念品は人気ブランド「イッタラ」の外交関係樹立100周年記念コレクション「バード・バイ・トイッカ・コアジサシ」のペアバード

 続いて、ムーミンのライセンスビジネス事業を展開しているライツ・アンド・ブランズ 代表取締役社長の中山拓巳氏が登壇。2019年から2021年まで全国を巡回する「ムーミン展」など、ムーミン関連プロジェクトの紹介や、埼玉県飯能市の複合施設「metsä(メッツァ)」に2019年3月16日に開業する「ムーミンバレーパーク」の入園料の発表があった。

株式会社ライツ・アンド・ブランズ 代表取締役社長 中山拓巳氏
5年ぶりとなる大規模なムーミン原画展が4月の東京を皮切りに約2年にわたって全国で開催される。ムーミンシリーズの原画や資料約500点を展示する過去最大級の「ムーミン展」となる
フィンランドのタンペレにある世界で唯一のムーミンをテーマにした美術館から選りすぐりのコレクションが初来日したり、原作者トーベ・ヤンソンさんが箱根のホテルに滞在したときにホテルの便箋に描いたスケッチなど、見どころ満載になる予定
2019年3月16日にオープンする「ムーミンバレーパーク」の入園料が発表された。大人(中学生以上)1500円、子供1000円で、3歳以下は無料

 また日本とフィンランドを舞台とした映画「雪の華」の紹介が、橋本光二郎監督からあった。「雪の華」は登坂広臣さんと中条あやみさん主演によるラブストーリーで、2019年2月1日から劇場公開される。フィンランドを訪れて自然の美しさ、特に冬の雪の儚い美しさに深い感銘を受けたという橋本監督は「この映画を見たことがフィンランドに行くきっかけになってくれたら」と語った。

映画「雪の華」の監督を務めた橋本光二郎氏

 最後のフォトセッションではサプライズでムーミンが登場。親善大使の皆さんもこれにはテンションが上がったようで、笑顔で記念写真を楽しんでいた。

フォトセッションではサプライズでムーミンが登場して、手をつないだり、腕を組んだりの記念撮影。ムーミン大好きな藤咲さんはスマホで自撮り
駐日フィンランド大使館の入口には、大きなクリスマスツリーと大使館のキャラクター「フィンたん」のパネルが