ニュース

ターキッシュ エアラインズ、乗り継ぎで市内に無料宿泊できる「よっ得! イスタンブール」を説明。「訪れてトルコに恋して」とメルジャン大使

2018年11月19日 実施

トルコ共和国 特命全権大使 ハサン・ムラット・メルジャン氏(右)とターキッシュ エアラインズ 日本支社 支社長 メフメット・アカイ氏(左)

 ターキッシュ エアラインズは11月19日、駐日トルコ共和国大使館で「よっ得! イスタンブール」の実施について発表した。

 この施策は、ターキッシュ エアラインズのフライトでイスタンブールの乗り継ぎ時間が20時間以上ある場合に適用される宿泊サービス。航空券購入後に発行されるホテルバウチャーを利用すれば、イスタンブール市内の4つ星に1泊(航空券がエコノミークラスの場合)、または5つ星のホテルに2泊(ビジネスクラスの場合)、無料で泊まることができる。

乗り継ぎ時間を使ってお得にステイ「よっ得! イスタンブール」

 そのローンチを祝い、トルコ共和国 特命全権大使のハサン・ムラット・メルジャン氏がスピーチ。「ターキッシュ エアラインズはトルコ航空時代から長きに渡り日本路線を開設し、オペレートしています。私どもが希望するのは日本とトルコの航空路線がさらに太くなり、人的交流が活発化することです。そしてトルコと日本の両国の素晴らしさをお互いに共有し理解を深めることです。

 トルコを訪れる日本の皆さまが“トルコに恋をして”日本に戻ってほしいと思います。そのため羽田からの新規就航に、成田の増便。そして関西路線の復活を強く望み、現在各界と話し合いをしている最中です。新たな空港も10月にオープンしましたので、ぜひ各航空会社さまに新たな路線を開設いただきたいと願っています」と話した。

トルコ共和国 特命全権大使 ハサン・ムラット・メルジャン氏が会見でお祝いのスピーチを行なった

 続いて、ターキッシュ エアラインズの日本支社 支社長のメフメット・アカイ氏があいさつ。「同プロジェクトは世界26か国で現在までに2万1000人以上のお客さまに利用いただいています。イスタンブールは世界のトップ10に入る人気のデスティネーション。同時にヨーロッパやアフリカ、中東への乗り継ぎに利用される方がとても多く、ぜひ乗り継ぐだけではなくトルコの魅力を知っていただきたいと思い、日本からの便でも適用することとなりました」と話した。

 なお、セミナー後のインタビューでは、「二国間協議の見直しに期待しています。現在発着時間や使用機材、使用空港などの制限があるため、スムーズに見直しができればスロットの件をはじめ日本のマーケットでさらに成長できると確信しております。2020年に向けインバウンド対策で政府が掲げている50スロットのうち1スロットの確保に現実味が出てきた場合は、ぜひ羽田から飛ばして新機材も導入したいと考えています。

 今回の『よっ得! イスタンブール』に関しては、日本の皆さまが持っているトルコのイメージを刷新できればと思います。トルコは美しく、乗り継ぎに便利なだけではなく、魅力あふれた場所。今現在のリアルな本当のトルコを感じ、次の旅行のヒントにしていただきたいのです。乗り継ぎで初めて訪れる方が大半で、約75%はそのまま次の都市に移動します。それはとてももったいないと思います。

 地域性のあるキュイジーヌや何度も訪れたくなる世界遺産。『よっ得! イスタンブール』でイスタンブールの素晴らしさに触れていただき、次回はトルコを目的地に。その際は再びイスタンブールとカッパドキアからトルコの旅を始めてみてはいかがでしょう」とプロジェクトに対する思いも話してくれた。

ターキッシュ エアラインズ 日本支社 支社長 メフメット・アカイ氏

 会見ではターキッシュ エアラインズ 東京支社 旅客営業部の堀直美氏が詳細を説明。冒頭ではナポレオン・ボナパルトの詩を引用し、イスタンブールが世界のハブとして多くの人々をつないでいたことを紹介。そしてトルコから届いたばかりの「よっ得! イスタンブール」のプロモーションビデオを披露した。

「よっ得! イスタンブール」を紹介するターキッシュ エアラインズ 東京支社 旅客営業部の堀直美氏
「よっ得! イスタンブール」の詳細な説明がスタート
ナポレオン・ボナパルトの詩を引用しイスタンブールの利便性をアピール
届いたばかりのプロモーションビデオを披露

 今回日本で実施される「よっ得! イスタンブール」はもともと「Best part of the journey: Stopover in Istanbul」として、2017年3月にスタートした施策。ターキッシュ エアラインズ便の利用者に、イスタンブールで国際線の乗り継ぎ時間のさまざまな可能性を提供するためにスタートした。冒頭でも紹介したが、利用するクラスによって提供されるホテルや宿泊日数も変わり、短時間でイスタンブール滞在を楽しむことができる。

 例えばパリへ行く場合、通常ならば約2時間のトランジットで済むところを、あえて乗り継ぎがスムーズでない便を利用するだけで、待ち時間を市内観光やホテルでラグジュアリーに過ごせるのだ。

「よっ得! イスタンブール」の概要

 今までも「STPC(Stopover Paid by Carrier)」サービスと呼ばれる、乗り継ぎ時間を使って無料でホテルステイができる施策はあったが、そちらは待ち時間が余儀なく発生する場合が適用条件となっており、さらにエコノミークラスは10時間以上、ビジネスクラスも7時間以上の乗り継ぎ時間が必要。また、イスタンブール空港のホテルデスクでの宿泊手配となっていた。

 それに比べ今回スタートした「よっ得! イスタンブール」は、20時間以上の乗り継ぎが発生する場合、すべてのクラスの乗客に適用。さらに最短乗り継ぎルールがないなど利便性も高い。なお、「STPC」サービスは空港とホテル間の送迎があったが、「よっ得! イスタンブール」は利用者が自由に移動プランを計画できるようあえて外しているという。

現行の「STPC」サービスと「よっ得! イスタンブール」の違い
「STPC」は空港に近いホテルだったが、「よっ得! イスタンブール」は市内が満喫できるように旧市街と新市街のホテルとなる

 適用条件の詳細は以下のとおり。「1. 旅程全便をターキッシュ エアラインズ運航、ターキッシュ エアラインズ便名で予約・発券していること」「2. 日本から出発し、日本に帰着すること」「3. 往路復路のいずれかでイスタンブール到着から出発まで20時間以上あること」「4. 目的地がヨーロッパ・アフリカ・中東のターキッシュ エアラインズ就航地であること」。

 なお条件には、235から始まるターキッシュ エアラインズの券面番号、予約クラスがRクラス、Nクラスを除くすべてのクラス、運賃が日本発着ターキッシュ エアラインズ往復運賃であることも加わる。

「よっ得! イスタンブール」の適用条件一覧

 ホテルの申し込みについては「1. 本人もしくは旅行会社が指定のフォームに入力」「2. 申し込み書を専用アドレスに送信」「3. 後日FREEHOTELJAPANよりホテルの詳細が記載されたバウチャーがメールで届く」という3ステップだ。メールのみでの受付で、現在はイスタンブール・アタテュルク国際空港への到着3営業日前までに連絡が必要だが、日本にいる時点でイスタンブールでの宿泊ホテルが確定するのは心強い。

 今回の導入に関して堀氏はマーケットシェアの増加、顧客満足度の向上、そしてイスタンブールのプロモーションにトルコ経済への貢献。乗り継ぎ便利用者の増加、新商品の紹介を目指していると説明した。

「よっ得! イスタンブール」プロジェクトを利用しホテル予約するための3ステップ

 概要の紹介後には「よっ得! イスタンブール」利用で宿泊できるホテルの具体的な例を挙げてプロモーション。エコノミークラスの場合は4つ星ホテルの「SULTANAHMET GRAND YAVUZ HOTEL」など。旧市街の歴史地区にあり、「Blue Mosque」や「Grand Bazaar」などへも徒歩5分とまさに観光の中心地。確約ではないがホテル予約時にツインとキングベッドのリクエストも受付してくれるという。

エコノミークラスで宿泊できる4つ星ホテル一例。「SULTANAHMET GRAND YAVUZ HOTEL
ホテルでは歴史地区ならではの発掘された木をデコレーション
ツインルームなどのリクエストも確約ではないができる
屋上レストランからの眺めも素晴らしい
周辺には観光名所がずらり。まさに観光の中心地と言える
各観光名所に徒歩で約5分。空港からも約17kmと立地条件も抜群

 ビジネスクラスの場合は5つ星ホテルで新市街に位置する「ISTANBUL HILTON BOMONTI HOTEL」などに2泊することが可能。ゲストルームからは美しい景色を眺めることができ、ラグジュアリーな気分に。4つのレストランがあり日本食を味わうこともできる。もちろんプールやスパ、トルコ式の風呂・ハマムで癒されるのもいいはず。新市街の中心地タクスィム広場までほど近く。こちらも空港までは約17kmとなっている。

ビジネスクラス利用の例。2泊可能な「ISTANBUL HILTON BOMONTI HOTEL」
ゆったりくつろげる客室が魅力
レストランではお寿司などの日本食に舌鼓
トルコ式の伝統的なお風呂・ハマムもホテル内で楽しめる
こちらも空港から約17kmと近場のエリアにある

 なお、同プロジェクトは基本的にFIT(海外個人旅行)ならびに公示運賃利用者を対象にしており、団体利用に関しては随時旅行会社との協議にて運用していくという。

日本語版のプロモーションポスターもお披露目
プロジェクトに関するよくある質問も紹介

 セミナーでは世界のハブとしてイスタンブールを支える空港に関して言及。10月29日オープンした新イスタンブール空港は、完成すると東京ドーム1636個分、そして成田国際空港が8個分という広大な施設であることを紹介。現在ターキッシュ エアラインズは5路線を運航しているが、現在使っているイスタンブール・アタテュルク国際空港の閉鎖に伴い、完全移管を予定している2019年1月1日以降は全便が新イスタンブール空港とサビハ・ギョクチェン国際空港の利用となる。

イスタンブールから3時間以内で行ける国は37か国にもわたる
10月29日に新イスタンブール空港がオープン
自動チェックインや自動手荷物預け機が導入された

トルコ共和国大使館が2018年後半のトレンドを紹介。「チッタスロー」と世界遺産「ギョベクリテペ」を要チェック

 セミナーの後半では会場であるトルコ共和国大使館 文化広報参事官室の大森正光氏が2018年後半一押しのトピックスを紹介。2018年は「トロイ年」として催し物などが開催されていたが、10月15日に「新鋭トロイ博物館」がオープンしたことを強調。遺跡近くのテフフィキエ村入口に建てられ周囲に馴染むウッディな外観が特徴で、約3000m2の館内は7つのテーマに分かれ、約2000点もの貴重な出土品が展示されている。

トルコ共和国大使館 文化広報参事官室の大森正光氏が最新トレンドを紹介
2018年は「トロイ年」
「トロイ年」として最大のトピックス「新鋭トロイ博物館」が10月にオープン
広い館内でじっくりと展示品が鑑賞できる

 続いてはオリーブの産地としてのトルコを解説。ノアの箱船から陸地を探すために放たれたハトがくわえてきたオリーブの実は、東トルコから持ってきたものといわれていることを紹介。JATA(日本旅行業協会)アウトバウンド促進協議会により「エーゲ海オリーブ街道」が選出されたことや、11月上旬から中旬にかけてが収穫時期であり、約30万トンのオリーブオイルが輸出されていると話した。

ノアの箱船に出てくるオリーブの場所は東トルコがモチーフと言われている
2017年に制定された「エーゲ海オリーブ街道」
良質なオイルが採れる産地でもある

 なお、トレンドとしては「チッタスロー」に注目とのこと。イタリア語で「スローシティ」を意味しており、スピード重視で均一化されつつある世界への抵抗を目的とする運動で、文化や地元の産業を重要視し、独自性を保持し続けようという考えだとか。1999年よりイタリアからスタートしトルコにも浸透。カタツムリの愛らしいアイコンが目印で、地元産野菜のマーケットにオーガニックフードなども楽しめるとのこと。

カタツムリのロゴが「チッタスロー」の目印
運動の概念と参加地域のまとめ

 また、第2のカッパドキアとも呼ばれる「フリギア渓谷」の「アスランカヤ」やユネスコ世界遺産に2018年登録されたばかりの「ギョベクリテペ」には必ず訪れてほしいと語気を強めた。実際に行ったからこそ分かる古代から現代に続く歴史の深さを感じてもらいとのこと。発掘された神殿跡は現在屋根付きで全天候型に。季節、天気に関わらず訪れることができるのもポイントが高い。

第2のカッパドキアとも呼ばれる「フリギア渓谷」
スポーツイベントの誘致なども積極的に行なっている
世界遺産登録されたばかりの「ギョベクリテペ」
屋根付きで見学が天候に左右されない

 2018年の1月から9月にかけてトルコを訪問した観光客数は約3100万人で、前年比22%の伸びであることも述べ、今年は4000万人超えが確実であるという。日本からの訪問者数は約8万人ほど。2019年は「日本におけるトルコ年」のため、日本人観光客の訪問数をさらにアップさせたいと話した。

2018年1月から9月かけて約3100万人がトルコを訪れている
2016年に一時落ちこんだが2017年に持ち直し今年は4000万人を超える見通し
日本人は約8万人に届く予定