ニュース

無印良品が自動運転バス「Gacha(ガチャ)」をデザイン。2019年前半にフィンランドで実用試験

Sensible 4が開発するあらゆる気象条件下でも機能する世界初の自動運転バス

2018年11月1日 発表

2019年3月 プロトタイプ公開

2019年前半 実用試験

良品計画は自動運転バス「Gacha(ガチャ)シャトルバス(仮称)」に車体デザインを提供した

 無印良品を展開する良品計画は11月1日、フィンランドにおいて2020年の実用化を目指す自動運転バス「Gacha(ガチャ)シャトルバス(仮称)」に車体デザインを提供したことを発表した。

 Gachaシャトルバスは、自動運転技術の研究開発を行なうフィンランドの企業「Sensible 4」がヘルシンキ周辺の3都市「エスポー」「ヴァンター」「ハメーンリンナ」のサポートを受け開発を進めている、あらゆる気象条件下でも機能する世界初の自動運転バス。

Gachaシャトルバスはあらゆる気象条件下でも機能する世界初の自動運転バス

 世界中で進められている自動運転バスやロボタクシーの実用実験においては、さまざまな気象条件に対応したコントロールが大きな課題とされ、現在世界の既存技術の多くが、比較的温暖な気候においてテスト・開発されており、大雨や霧、雪といった気象条件下での自動運転車両の実用化には至っていないという。

「すべての自動運転車は、実用化の前にあらゆる気象条件での走行が可能であることを証明する必要があることは明白である」として、Sensible 4は北極圏のラップランドにおいて、技術テストと検証を進めている。

ラウンド型のベンチシート。定員は10席+立ち乗り6名

 Gachaシャトルバスは全天候型という特徴に加え、個人所有のクルマではなく地域でシェアする公共交通機関としての実用化をターゲットにしている点において、無印良品の考え方と合致するとして、Sensible 4との共同プロジェクトを2017年からスタート。

 使う側の立場で徹底的に考えたというデザインは、前後のないミニマルでフレンドリーな形と、照明とコミュニケーションスクリーンが一体となったLEDのライトベルト、内装に沿ったラウンド型のベンチシートがポイントとなっている。

 フィンランドは、法律上公道を走る乗り物に必ずしも運転手が乗車している必要がなく、自動運転車の実用実験のしやすい環境にある。今後は2019年3月に実働車両のプロトタイプをヘルシンキ近郊で一般公開、2019年上半期内を目途にフィンランドのヘルシンキ周辺の3都市「エスポー」「ヴァンター」「ハメーンリンナ」での実用試験運行を開始する予定。

「Gachaシャトルバス」概要

サイズ:2.5×2.8×4.5m(幅×高さ×奥行き)
定員:16名(座席数10席、立ち乗り6名)
自動運転での最高速度:40km/h
駆動装置:電動(4WD)
走行距離:急速チャージで100km以上(オプションとしてワイヤレスチャージも可能)