ニュース
「東京ディズニーリゾート・アプリ」開発者インタビュー。2019年中にディズニー・ファストパスを導入予定
2018年8月13日 14:19
- 2018年7月5日 導入
オリエンタルランドは東京ディズニーリゾート向けの「東京ディズニーリゾート・アプリ」(iOS/Android)を7月5日にリリース。「デジタルガイドマップ」「ディズニーeチケット」「ショー抽選やレストランの事前受付など」「ホテルのオンラインチェックイン」「東京ディズニーリゾート ショッピング」の5つの大きな柱を軸に、さまざまなパークシーンをサポートする。
約2年半かけて開発、パークを訪れるゲストの使い勝手を考慮した設計とディズニーらしさが詰め込まれた同アプリについて、開発担当者に話を伺った。
ゲストのパークでの利便性を向上
情報格差の緩和&サポートツールとして開発
――「東京ディズニーリゾート・アプリ」の開発経緯を教えてください。
千葉氏:パークにいらっしゃるゲストに使っていただきたいと開発が始まりました。もともとショーの抽選やレストランの事前受付に待ち時間表示などを別々に提供していたので、その一元化を図り1つのアプリですべてが完結するように。操作性も統一し、学び直しがないよう工夫しています。もちろん利便性の高さだけではなく、ディズニーらしさをたっぷり感じていただけます。
三本氏:アプリが目指している姿が大きく2つありまして、先ほどの点在していた情報の集約化とシームレス化。パークが主役ですので滞在に関するサポートツールとしての役割。もうひとつはインフォメーションの格差緩和です。初めてパークを訪れる方にも必要な情報を直感的な操作性で手軽に取得し活用していただけるよう意識しています。
――開発において一番苦労した、またはこだわった部分とは?
千葉氏:デジタルとリアルなパークをつなぐ部分です。オープニングアニメーションは、画面とリアルなパークをどうつなぐかで試行錯誤しました。雲の中のミッキーシェイプからパークへクローズアップし、世界へと入るというアニメーションはこだわった部分の1つです。
三本氏:デジタルとリアルなパーク体験との接点という部分では、端末とゲストが1対1になりすぎないよう関係性も考慮しています。パークを楽しむためのサポートツールと世界観の融合といいますか、デジタルながらも温かみもあり、そしてディズニーパークのサポートツールとしてベストな表現を違和感なく提供するには、といった課題はいろいろありました。
――ディズニーらしさの部分では水彩画のデジタルガイドマップの精巧さと美しさも素晴らしいですね。隠れミッキー的なものも発見できるなどの噂も耳にしますが。
千葉氏:デジタルガイドマップに使用しているイラストは、アプリのために新たに書き起こしたイラストです。
三本氏:かなりズームしていただいても楽しめますよ! 例えば東京ディズニーシーならばメディテレーニアンハーバーの水面を眺められ、東京ディズニーランドならば「白雪姫のグロット」の配置をはじめ忠実に描かれています。デジタルながら手書きのぬくもりと臨場感がたっぷりのイラストであることに気付いていただけたら。
千葉氏:実は3Dで建物などを1つずつ丁寧に描き、それを組み合わせて2Dにしています。そのため細部まで細かく描写されており、実際は見えませんが裏側まで全部描かれているんです。また、ズームすると屋根が外れる仕掛けも試していただけたら。「マーメイドラグーン」や「ミステリアスアイランド」のプロメテウス火山内部の通路などもしっかり描かれています。細かくデジタルガイドマップの隅々まで見てください。
ちなみにアプリのローンチに合わせて紙の「ガイドマップ」もアップデートしました。アプリのデジタルガイドマップと同じイラストを使いながらも紙ならでは、デジタルならではの落とし込みをそれぞれ行なっています。
現在位置をガイド上に表示
いつでもそばにコンシェルジュ
――マップといえば、キャストが「ガイドマップ」を覗き込むゲストに積極的に声をかけている姿をパークでよく見かけます。見方を変えるとコミュニケーションツールともいえます。アプリによって、パークの楽しみの一つである会話の機会が失われるのでは?
千葉氏:多くのゲストが現在位置を起点に目的地へと向かわれますので、広いパークで位置情報による現在位置の表示は必須です。必要なときに必要な情報を自分で手に入れられることが重要なのです。逆に、今までは場所と目的地の会話だけだったのが、新たな話題でキャストとゲストがコミュニケーションができるのではないかと。プラスアルファのコミュニケーションに期待しつつ、よりよいパーク体験につなげていければと思っております。
三本氏:端末とゲストの1対1の関係にならないようには先ほども申し上げたように配慮はしておりますが、やはり使っていると個の世界になりがちです。今後、友人やご家族でつながれるような仕掛けも、アプリの中でできたらと構想を練っております。
――先ほどの話でふと、アプリを使用することは常にキャストがそばにいてくれるのと同じ感覚なのかなと思ったのですが。
千葉氏:自分専用のコンシェルジュですね!
――そのコンシェルジュ。例えばショーレストランなどの予約をして入場開始の15分前にポップアップでお知らせしてくれますが、この15分の基準とは?
三本氏:パーク内のどこからでも会場に間に合うようにと時間を設定しています。タイトなスケジュールのゲストもいらっしゃいますので、早過ぎてもダメですし、5分前では間に合わないこともありますので。絶妙な15分だと思っております。
――ポップアップのほかにもレストラン予約やショー抽選で当たった場合、メイン画面に「プラン」として自動表示されますが、自分でマイプランをアプリで作ることはできないのでしょうか? 紙やスマホ内にスケジュールをメモしたりする手間が省けますから。
千葉氏:今の段階では自分のプランをアプリ内で作ることはできません。当選や予約をしたときのみ自動で「プラン」として組み込まれます。プランニングは滞在において重要です。自分のプランを立てて1日をコーディネートでき、ご自身の体験という部分でさらに特化した機能については今後の検討材料としてあります。
2019年中にディズニー・ファストパス導入予定
アプリで手軽にその場で取得ができるように!
――現在はアプリ内でレストラン予約やショー抽選などが行なえますが、将来的にはディズニー・ファストパスの取得も視野にいれているのでしょうか?
三本氏:現段階でお知らせできるのは、2019年度中のどこかのタイミングでアプリ上でディズニー・ファストパスの取得ができるように準備しているということだけですが、ぜひご期待いただけたらと思っております。
――導入の背景は、やはりパークでの体験価値向上のためのサポートツールだからこそ?
千葉氏:すぐ取ることができるというスマートさが重要だと思います。皆さんが平等に、物理的距離を介さずに手元で取得できるのが一番大きいです。そのあたりの利便性をご体験いただけたらと準備を進めております。
三本氏:今現在、ご希望のアトラクションを体験する手前の段階でディズニー・ファストパス取得のために時間とご足労をいただいてます。その時間をカットすることで、アトラクションやショー鑑賞。さらにゆっくりショッピングやご飯を楽しむことに使っていただけたらと。時間の使い方がゲストにとって価値のあるものになればという思いが、アプリ全体の根源にあります。
「東京ディズニーリゾート ショッピング」がスタート
新たなグッズ購入スタイルで手軽にお買い物を楽しんで!
――「東京ディズニーリゾート・アプリ」では来園当日の23時30分まで「東京ディズニーリゾート ショッピング」が利用できます。ゲストが待ち望んでいたグッズ通販が遂に!
安村氏:アプリ登場は7月5日。ショップは7月20日より始まりました。通常のオンラインサイトと異なるのは、ゲストのさまざまな利用シーンを考慮した作りとなっている部分です。
パークはとても楽しいですし、アトラクションやショーなどお買い物メインで動くのはなかなか難しい状態。いざ、帰り際にまとめて買い物をと思っても予想以上にショップが混雑していることも。ならば、ちょっとした空き時間などにアプリでグッズをチェック。そしてホテルや帰り道、またはお家でと、手ぶらでショッピングを楽しんでいただきたいと開発を進めました。
山本氏:もちろん自宅に送りたいグッズもありますが、パークで今すぐ身に着けたい、使いたいグッズもあると思います。例えばカチューシャ、夏は特に着替えのTシャツやタオル、サングラスなども。その場合は現在位置を利用して最寄りの希望商品の在庫のありのお店をお知らせする機能がご利用いただけます。
安村氏:また、午前中にショップで見付けたけれど、これから1日持ち歩くには難しいかさばる大きなグッズや、少し心配な壊れ物など、持ち歩くとパークで行動しづらいと迷ったときは、商品のバーコードをアプリのバーコードリーダーにかざしスキャンを。すると「東京ディズニーリゾート ショッピング」と連動し、商品情報が画面に表示されます。ハート型の「お気に入り」をタップすると「お気に入り」のリストが作れますので、気になったグッズをまとめてあとでチェックするという使い方もできます。
山本氏:パーク内だけではなく、商品情報自体はどこでも確認できますので、パークを訪れる前に事前にお気に入り登録も可能です。
――ちなみに「東京ディズニーリゾート ショッピング」での取り扱いアイテム数は、パーク内のほぼすべてと理解してよろしいのでしょうか。
安村氏:ほぼすべてが表示されています。東京ディズニーリゾート内では一番の品揃えです。ただ、製品の特性上扱いが難しいアイテムと名入れ関連、バルーンなどはラインアップにはございません。なお、発売前の商品も約2日前から掲載されますのでワクワク感も。
人気の「ハンドソープ」(1200円)も8月20日より再販売され、オンラインでもご購入が可能となります。日々新製品の発売や販売終了など動きがありますので、絞り込み機能も併せてご活用ください。サイト自体もスペシャルイベントで特集を組んでいたり、お気に入りのキャラクター、例えばグーフィーでソートをかけるとグッズが一覧表示されます。ショップで見逃していたグッズの発見などもあるかもしれません。いろいろな切り口からグッズを見付けていただけたら。
――サイト内の特集ではパークで配布されている「TODAY」との連動がとても便利だと感じました。
安村氏:パーク内ご案内ツールの「TODAY」との連動は、アプリだからこその利便性を感じていただけるのではないかと思っています。実際にパークでも「TODAY」掲載グッズはお問い合わせが多く需要が高いため、紙版との連動でさらにパークでも探しやすく、スムーズに手に入れやすくなればうれしいですね。
――来園当日の21時30分にプッシュ通知で「アプリでグッズ購入ができるのは本日23:30までです」とお知らせがきたのも驚きました。21時半はまさにワールドバザールが混み始める時間帯という印象ですが。
安村氏:アプリと当日入園に利用されたチケットを紐付けているとお知らせが届きます。「お気に入り」リストを作っていたり、カートに入れてあったりしても、ついつい忘れてしまっていることがあるかと思いましたので。ひととおりショーの公演も終わり、ディズニー・ファストパスもほぼ使い終わっている時間であるのと、この時間帯は1日の流れとしてショッピングを楽しまれるゲストが多いので、お知らせすることにいたしました。
なお、21時30分はご指摘のとおりワールドバザールが混雑する時間帯でもあります。だからこそ、混雑時はワールドバザールを抜けて、ホテルや帰宅しながらでもお土産や自分のためにショッピングが楽しめますとお伝えし、便利な使い道をご提案したいのです。
――23時30分までショッピングができるならば、ホテルや帰り道、自宅でじっくり考えるための余裕があります。配送に使われるボックスもキュートです。
山本氏:ご購入いただくと「東京ディズニーリゾート ショッピング」のために新たに開発した専用ボックスでのお届けとなります。パークらしいデザインで、梱包用のテープもよく見ていただくとミッキーマウスが描かれています。ご自宅に届いた瞬間からパークでの楽しい思い出が蘇ればという思いを込めています。
安村氏:ボックスとともに封筒タイプのパッケージもございます。クリアファイルや、これからの時期はカレンダーなども折れを気にせずご購入いただけます。なお、お買い上げ金額が税込で1万円以上で送料が無料となります。身軽にショッピングを楽しむことができますので、ぜひご活用ください。
――では最後に、アプリを利用するゲストにメッセージをお願いします。
山本氏:「東京ディズニーリゾート ショッピング」はパークを最大限楽しんでいただくためにご用意しています。自宅でチェックしてワクワクを高めることもできますし、事前に選んでいただき、パークでめいいっぱいエンジョイ。そしてショッピングはオンラインでのんびりを可能にしています。ぜひ思い出に残るような体験をパークで、そしてアプリでスムーズにお買い物をお楽しみください。
安村氏:アプリはあくまでもパーク体験の価値を上げていただくツールです。何かを待つ時間を少なくするサポートや、重い荷物を持たなくてもいいようにですとか。その分、より楽しいことをパークで体験していただけたらと思います。ぜひご自身のプランに上手に組み込んでいただき、パーク滞在のスタイルに合わせてご活用ください。
千葉氏:「東京ディズニーリゾート・アプリ」をぜひ一度使っていただけたらうれしいです。ディズニーの世界感そのままに、リアルなパークとデジタルをつなぐための使い勝手のよさが詰まっています。誰もが使いやすい、そしてディズニーらしさをこれからも追いかけアップデートし続けますので、ご自宅でチェック、パークを訪れ、滞在をより豊かな時間にしていただけたら。
三本氏:アプリを導入してから約1か月強ですが、ディズニー・ファストパスしかり今がスタート地点です。パークでの体験価値を上げるための各方面からのアプローチの一つとしてアプリがあります。ゲストの皆さまそれぞれの使い方を見付けていただき、パークでご活用ください。そして今後の展開にもご期待いただけますと幸いです。
※グッズおよびメニューは品切れや金額・内容などが変更となる場合がある
(C)Disney