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スターフライヤー、本社オフィスやフライトセンターをリニューアル
本社機能をワンフロアに統合。ANNEX棟にはスタッフが利用できるカフェや来客用会議室を用意
2018年8月2日 16:29
- 2018年8月1日 公開
スターフライヤーは8月1日、北九州空港の敷地内にある本社オフィスをリニューアルし、報道陣向けに公開した。
リニューアルでは、各部署が分かれていた本社ビルの機能を別棟のフライトセンターに移し、総務人事部・経営企画本部・営業本部といった多岐にわたる部署を1フロアに集約した。また、これまで本社機能があった建物は大規模なリニューアル工事が行なわれ、スタッフが使用できるリラクゼーションスペースや来客用の応接室、会議室などがあるANNEX棟として生まれ変わった。
働き方改革・人材育成を実現するための新オフィス
今回のオフィスリニューアルにあたり、スターフライヤーの社内の課題として、航空会社特有の業務環境や部署同士の情報共有の少なさから、自由奔放な発想が生まれにくい環境があり、次世代を担う人材育成を危惧する雰囲気があったという。
内覧会冒頭の説明では、総務人事部 人材開発室の星出拓郎氏より「本社、新館、本館とバラバラだった状態から、フライトセンターに機能を集約させたことによって、コミュニケーションがとりやすくなりました。本社だった棟を『ANNEX』とし、お客さまをお招きする部屋やリラックススペースを作りました。
これまでお客さまをお出迎えする環境が整っていなかったこともありました。2017年4月に人材開発室が立ち上がり、次世代を担う人材の育成が大きな課題ということで、社員の企画力や想像力をどのように引き出していくか、ということから現状では自由奔放な発想が生まれにくい環境にあります。
そうした課題に仮説を立て、環境が重要ということで明るいオフィス、情報を共有しやすい場所を提供してあげる。社員がしっかり実力を発揮できるように、ということから、最終的には感動を与えるスターフライヤーを実現できることを目指して、環境の改革を行なったということです」と説明があった。
続いて、オペレーション本部の森安亜美氏からは、オペレーションルームの体制、行動指針などについて話があった。「新オペレーション体制を作るにあたって、まず『誰のためのオペレーションか?』『情報が十分足りているか?』『部門間の連携はとれているか?』という点に着目し、安全が第一であることを前提に、お客さま志向の強化やイレギュラー対応の向上、そして1日60便程度の運航ですが、『100便以上就航するとしたら?』という大きく3つのテーマに対して、お客さまに安心・満足いただけるオペレーションを目指しました。
新体制の特徴ですが、まず『オペレーション機能の集約』です。運航や整備、客室などが分かれている縦割り状態でしたので、ダイヤ統制・運航管理・整備・運航乗務員・客室乗務員・情報マネジメントの6つの機能を1つの部屋に集めました。そうすることで、より協調的で素早い判断ができるようになります。
次に、『統括責任者(OD:Operations Director)』を新設し、全体的に最適な指揮を行なうことができるようになりました。またタイムリーな運航情報をお客さまや社内外へ発信する情報担当者『I&I』という役職を配置し、迅速性の向上を実現します」と説明。ODは社内に6名ほどいるとのこと。
一連の説明が終了し、同日から稼働をスタートしたANNEX棟やフライトセンター、オペレーションルームの見学へと進んだ。
社長席も同じフロアのフライトセンターや、充実したミーティングスペースが魅力のANNEX棟
フライトセンター
まず、各部門が集約されたフライトセンターに。ここはこれまで運航本部がメインとして入居しているフロアだったが、営業本部や総務、経営企画本部などが集約された。ノートPCで業務するスタッフについてはフリーアドレスも可能となっているが、大画面での確認が必要となる部署も同居しているので、完全なフリーアドレスとはなっていない。スタンディングで打ち合わせできるミーティングスペースが特徴となっている。また代表取締役 社長執行役員の松石禎己氏のデスクも、同フロアに設置されていた。
ANNEX棟
続いて、本社機能があったANNEX棟に移動。エントランスには呼び出し用の端末が置いてあり、担当者を直接呼び出せる。その奥にはソファが置かれた待ち合いスペースがある。ここまでは来客者が自由に行き来できるスペースとなっており、その奥へは社員IDカードで入室するスタイルとなっている。
会議室や応接室には「Capella:カペラ」や「Sirius:シリウス」という星の名称が冠されている。対面スタイルやボックスシートで区切られたオープンミーティングスペースも用意されており、フロアには空港のランプで見られる誘導路や滑走路のグラフィックが描かれている。これらは社員からのアイデアによって決定されたとのこと。
ANNEX棟の2階にはリラクゼーションスペースが設けられており、カフェのような使い方からキッチンを利用したイベントにも使用できるとのことで、社内だけでなく一般客を迎えての催し物にも利用する可能性がある。
「次の10年」のため他社オフィスなどを見学
最後に、総務人事部兼安全推進部の水町敬氏へプロジェクト発足からオフィスリニューアルに関する当時のエピソードなどについて話を伺った。ちなみに工事は2017年の9月よりスタートし、通常業務を続けながら進められた。
「2017年にスターフライヤーが10周年を迎えました。安全・オペレーション・人材・商品と、大きく4つについて社内で考えたときに、これから先の10年をどうするか? という疑問がでました。顧客満足度1位を連続で獲得できていますが、そこで働くスタッフはどうなのか? と考えたときに人材を育てられる環境が十分ではない、ということで働く環境の改革を、となりました。
これまで、来客用のスペースがほとんど無く、スタッフが休む場所もありませんでした。北九州空港の国際線で使用していた250m2ほどのスペースを返却しなくてはいけないタイミングでしたので、それならば、とオフィス改革のプランが始まりました。
これまでは部署間の移動もありましたが、今回の新オフィスはほとんどが同じスペースになりました。その場で立ち上がれば、誰がいるか分かる。社内メールも直接そのスタッフのところまで歩いていける。
本社機能のあったANNEX棟を社員や来客用の建物としましたが、普通のプレハブでしたので、補強なども入れてガラッと変わりました。まだ社員のほとんどが建物内を見ていないので、反応が楽しみです。ヤフーの本社を見学に行っていろんなインスピレーションを受けましたが、大満足な仕上がりになったと思います。
社員の家族にも見てもらって、お父さんやお母さんはこんなところで働いているんだ、と思ってもらえるとうれしいですね」とコメントした。