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西鉄、10周年記念の金色nimocaプレゼントキャンペーン。抽選で1000名に
nimocaの10年の歴史と未来を紹介する説明会を実施
2018年6月5日 19:31
- 2018年6月5日 実施
西鉄(西日本鉄道)のグループ会社であるニモカが取り扱っている交通系ICカード「nimoca(ニモカ)」が、登場から10周年を迎え、これまでの変遷と今後の取り組みについて、メディア向けの説明会を行なった。
説明会で発表したのは、主に3項目。まずこれまでの変遷として、西鉄のグループ会社として設立された株式会社ニモカ(発足当時は“西鉄カード株式会社”の名称)について。さらに「nimoca」の供用開始から、他グループなど県外の交通事業者との相互利用の歴史や開発について説明された。最後に、今後の方針や10周年記念のキャンペーン内容について発表があった。
nimoca誕生の経緯と変遷
説明会の冒頭、ニモカ 代表取締役社長の城代寛昭氏は「先月、5月18日にnimocaのサービス開始から10周年を迎えることができました。今後もnimocaのサービスをより快適にし、お客さまに使っていただきたいと思います」とあいさつ。
続いて、ニモカ 営業部長の石丸史朗氏が、nimoca誕生の経緯やこれまでの取り組み、今後の展開について説明した。
2004年7月、西鉄内に企画部ICカード担当が設置され、1年後の2005年7月にはICカード開発室が設置された。2年後の2007年5月、「西鉄カード株式会社」が設立され、7月に会社名を「株式会社ニモカ」に変更。さらに1年後の2008年5月、日本で6番目の交通系ICカードとしてnimocaの供用が開始された。当初は、西鉄天神大牟田線と西鉄バスの福岡地区の一部のみ利用可能であった。
2009年8月には、西鉄グループ全路線のバスに導入完了。2010年の3月より、JR九州の「SUGOCA(スゴカ)」、福岡市交通局(福岡市地下鉄)の「はやかけん」、JR東日本の「Suica(スイカ)」との相互利用が開始された。
2011年3月には、初の県外事業者となる大分バス・大分交通にも導入される。2013年3月、全国交通系ICカード相互利用がスタート。2010年に先んじて相互利用が開始されていた「Suica」「SUGOCA」「はやかけん」に加え、「PASMO(パスモ)」「MANACA(マナカ)」「ICOCA(イコカ)」「Kitaca(キタカ)」などが新たに相互利用可能となった。これは、通称「10カード」と呼ばれ、全国初となった交通系ICカードであるSuicaと同じ「サイバネ規格」を採用している10種のカードのことを指す。
10カードは、「nimoca」「はやかけん」「SUGOCA」「Kitaca」「PASMO」「Suica」「TOICA」「MANACA」「ICOCA」「PiTaPa」の10種。総発行枚数は2018年3月時点で約1億3901万枚。その内、nimocaは約351万枚となっている。
2014年には熊本市交通局、2015年3月には筑豊電気鉄道、同年11月には宮崎交通に導入され、九州内でnimocaが利用可能な交通事業者が増えていった。2017年3月には、初の九州外である北海道の函館市企業局交通部に導入され、函館市電と函館バスで利用可能となった。
開発当初から現在のラインアップなど
nimocaの開発にあたっては、相互利用を見越して、ソニーが開発したFeliCa(フェリカ)を利用したSuicaと同様に「サイバネ規格」を使用することを決定。鉄道以外にも、乗り合いのバス路線網が発達した福岡県内向けに、最適な運行形態を実現するために、乗継割引や定期券サービスにも対応させた。バス路線網の独自ノウハウが九州他県の交通事業者へ導入する際に活かされているとのこと。
さらに交通網利用以外に、提携している商業施設での決済時にもポイントを付与するシステムを持たせたこともnimocaの特徴。
nimocaは「nimoca(無記名・ポイント機能なし)」「スターnimoca(記名・ポイント機能あり)」「クレジットnimoca(クレジット会社・銀行・航空会社などと提携)」の3種類に大別でき、それぞれの発行枚数が約146万枚、約177万枚、約27万枚となっており、スターnimocaの割合が高い。
福岡県内の大学に学生証と一体となった「学生証nimoca」が導入され、学生証とIC乗車券(定期)、電子マネー、さらに図書館貸出管理も可能なカードが誕生した。福岡女学院大学を皮切りに、純真学園大学(短期大学)、筑紫女学園(中学校・高等学校含む)、麻生専門学校(グループ12校)と導入校が徐々に増え、2018年3月には福岡女子短期大学にも採用された。
最近の取り組みや今後の方針
海外の旅行客に向けて試行販売されている訪日外国人向けnimoca「Fukuoka Go Pass」は、福岡空港のバスターミナルや西鉄福岡(天神)駅など複数の商業施設で販売されている。価格は3000円(2500円分のチャージ)。こちらで利用実績などのデータを取得し、サービス向上につなげていくとのこと。
独立行政法人国際協力機構「JICA(ジャイカ)」が実施しているベトナム・ハノイ市でのICカード導入の開発支援プロジェクトにも参加し、現地調査・報告など、海外の交通利便性向上に向けた取り組みも行なっている。
現在の利用可能エリアだが、バス路線は西鉄グループ全路線(高速バス含む)をはじめ、昭和バス、大分バス、大分交通、JR九州バス、宮崎交通、佐賀市交通局、そして函館バスが対応している。
鉄道については、西鉄電車、熊本市電、筑豊電鉄、函館市電にて利用可能。2020年には、長崎県内の交通事業者7社局が導入予定となっており、1道5県から1道6県に増えることとなり、九州内での相互利用の利便性がさらに高まるといえよう。ちなみに導入検討中の交通事業者は、西肥自動車、長崎県交通局および長崎県央バス、長崎電気軌道、佐世保市交通局およびさせぼバス、松浦鉄道という長崎の7社局。
説明会の最後に、10周年記念企画の第1弾キャンペーンの内容が発表された。キャンペーンはすでに始まっているが、6月1日から30日までの期間中で、1回以上nimocaを利用して、特設サイトから応募すると、抽選で1000名に「10周年記念nimoca」をプレゼントする。第2弾も検討中とのこと。